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佐藤優

憲法を読んでみる 佐藤優

 憲法改正について、さまざまな議論がなされています。憲法は国家の基本的なルールを定めた国の最高法規です。改正されると、私たちの生活にも必ず影響が及びます。

 日本の社会と国家をより良くするために、憲法改正が必要と考える人がいます。これに対して、今の憲法をそのまま守った方がいいと考える人、憲法の条文は変えないけれども解釈を変更することでルールを変更したらよいと考える人もいます。

 「この立場が絶対に正しい」と決めて、他の人が言うことに耳を傾けないという態度を取る政治家や評論家も、たくさんいます。しかし、憲法についてきちんと勉強している人は、それほど多くありません。

 まず、重要なのは、現在の憲法を始めから終わりまで読むことです。『日本国憲法』(小学館)は、大きな活字にふりがなを、難しい言葉に特定の立場に偏らない簡潔な説明をつけています。

 現行憲法は、1946年11月3日に公布され、翌47年5月3日から施行(法律の効力を発生させること)されました。『あたらしい憲法のはなし』(童話屋)は、この年の8月に文部省(現在の文部科学省)が刊行した中学1年生用の教科書の復刊です。当時の政府の考え方がよくわかります。

 「国民のひとりひとりが、かしこくなり、強くならなければ、国民ぜんたいがかしこく、また、強くなれません。国の力のもとは、ひとりひとりの国民にあります。そこで国は、この国民のひとりひとりの力をはっきりとみとめて、しっかりと守ってゆくのです。そのために、国民のひとりひとりに、いろいろ大事な権利があることを、憲法できめているのです」という考え方は、憲法について考える時の基本になります。

 木村草太『憲法の創造力』(NHK出版新書)は、憲法改正について、その必要があるかを含め、深く考えることを促してくれます。

 憲法9条の意義を「実力組織の構築や武力の行使について、常に、『それが自衛のために必要最小限度と言えるか』の説明を求めるところにある」という指摘は重要です。

 (作家・元外務省主任分析官)

『日本国憲法』
著者:
小学館
出版社:
小学館アーカイヴス
価格:
¥525(税込)

『あたらしい憲法のはなし (小さな学問の書 (2)) 』
著者:
童話屋編集部
出版社:
童話屋
価格:
¥300(税込)

『憲法の創造力』
監修:
木村 草太
出版社:
NHK出版
価格:
¥819(税込)