どくしょ応援団

本を読もう。何を読もう? 迷ったら「どくしょ応援団」へ。親子で、ひとりで、夢中になれる本との出会いがここに!

どくしょ甲子園Let's 読書会、高校生!!表彰式

「独書」と違う喜び発見 時空超える文字や言葉

受賞を喜ぶ高校生と選考委員のみなさん=吉永考宏撮影

 高校生による読書会コンクール「第1回どくしょ甲子園」(朝日新聞社主催)の表彰式が16日、東京・築地の浜離宮朝日小ホールであり、選考委員を務めたジャーナリストの池上彰さん、作家のあさのあつこさん、女優の杏さんの3人から高校生7チームに表彰状と盾が手渡された。続くトークセッションでは、読書会の面白さ、可能性を語り合った。 (安里麻理子)

 コンクールは、高校生に読書会の成果を一枚の「どくしょボード」(A3判)にまとめてもらう新しい試み。

 優秀賞の市川高(千葉)酒井チーム(対象作・桜庭一樹著『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』)は、表彰の瞬間「やったー!」の大歓声。「どくしょボードを作る手間を思えば応募数は少ないだろう、と高をくくっての応募だった」と告白したが、全国から215点が集まったことを知って驚いた。

 過去に何度も読書会を開いている山口県立厚狭高・花本チーム(同・石田衣良著『4TEEN』)は、奨励賞を受賞した。「読書会は私たちの誇りです。一生忘れない」と声を詰まらせた。

 特別奨励賞に選ばれたのは、千葉の勉強会に集う中国人女子高校生4人の林チーム(同・香山リカ著『10代のうちに考えておくこと』)。「中国の漢字が日本に伝わり、平仮名やカタカナが生まれ、それを今、中国から来た私たちが読む。文字や言葉は時間や空間を超えると感じた。読書会を通して互いのことも分かった。世界で起きていることも同じように解決できるのでは」と歴史に思いをはせた。

 ◆懐疑意見で読み深く

選考委員も和やかに話の輪に加わった。左から池上彰さん、あさのあつこさん、杏さん

 第2部のトークセッションでは、選考委員から遠慮のない質問も。優秀賞の福井県立科学技術高・後藤チームは、メンバー4人全員が運動部員。選んだ本は『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』(岩崎夏海著)で、池上さんが「高校生がドラッカーの話を読みたくなるものかな?」と水を向けた。

 美少女アニメ風の表紙が話題になり、メンバーの一人は「正直、表紙を見せられた時は無理と思いました」、別の一人は「僕は逆にめっちゃ読みたくなった」と正反対の反応で会場をわかせた。選考委員のあさのさんは「自分一人なら決して手にしないだろう本を読む、それもだいご味」と解説した。

 「仕掛け絵本さながらの出来栄え」と選考委員をうならせたのは、奨励賞の茨城県立土浦工業高・笠井チームのボード(対象作・宮沢賢治著『黄いろのトマト』)。「見た目だけで審査はしていないが、作品に『色』という視点をあてたところが新鮮だった」と池上さん。

 最優秀賞に輝いた市川高・長谷部チーム(同・宮沢賢治著『よだかの星』)は、作品に対して懐疑的な仲間の存在がより深い読み込みをもたらした。選考委員の杏さんは「アンチテーゼから入る読書もあるのだと驚いた」と感心した様子だった。

 受賞者の多くは今回初めて読書会を経験した。奨励賞の豊島岡女子学園高(東京)西村チーム(同・瀬尾まいこ著『幸福な食卓』)は「読書会を通して、読み手それぞれの思いを知り、自分をふり返った。独書ではない読書を発見した」と振り返った。