朝日新聞社 どくしょ応援団朝日新聞社 どくしょ応援団
朝日新聞社 どくしょ甲子園 読書会を開いて、仲間と一緒に本を読み、みんなで語り合おう!その成果を1枚の作品「どくしょボード」で表現する高校生のコンクールです。

どくしょ甲子園 伝える深まる、本の世界 - let's 読書会、高校生! 読書会へのアドバイス

時には意見の違いから、かなりハイテンションなやりとりもあった。第1回どくしょ甲子園最優秀賞を受賞した市川高(千葉県)の長谷部チームの読書会の一コマ。

時には意見の違いから、かなりハイテンションなやりとりもあった。第1回どくしょ甲子園最優秀賞を受賞した市川高(千葉県)の長谷部チームの読書会の1コマ。

 読書はこれまでひとりで読むものとされてきました。でも最近は、かなり見方が変わってきました。読書会のように仲間と一緒に本を読むことが、あちこちで行われるようになってきたのです。「どくしょ甲子園」は、共に読むことを通じて新しい読書の魅力を発見しようとする試みです。

 読書会を開き、1冊を真ん中に語りあって、その本の面白さや、読書会での話し合いで心に残ったことなどを、文章とビジュアルで1枚の作品、「どくしょボード」にして送ってください。

 それを見た人が「あ、読みたい、自分たちも読書会やってみたい」と思ってくれる、そんなステキな作品をお待ちしています!

読書会を開くにあたって読書会の心得リテラチャー・サークル経験者の感想



読書会を開くにあたって

いろいろな工夫で自由な話し合い

第1回どくしょ甲子園で優秀賞受賞の福井県立科学技術高の後藤チーム

第1回どくしょ甲子園で優秀賞受賞の福井県立科学技術高の後藤チーム

  読書会に「こうでなければならない」という決まりはありません。また「ただ一つの正解」を出すためにやるのでもありません。自由に話し合うことそのものが、読書会が目指すことです。

 そうは言っても実際にやってみると、なかなか自由な話し合いにならなかった。そういう経験をもつ人もいると思います。誰も口火を切らず意見が出なかったとか、一部の人ばかり話していたとか、司会者が一人で仕切りすぎたとか。そういうことが、読書会を敬遠することにつながっているかもしれません

 そうなることを防ぐ工夫がいろいろあります。たとえば取り上げる本を決めるとき に、いきなり「どうする?」と話し合うのではなく、参加者がそれぞれ「自分はこれをやりたい」 と思う本を持ち寄り、順番になぜその本がお薦めなのか、その理由を発表するのです。最初に全員が自分の意見を言う場を設けて、参加者の口をほぐすのがねらいです。

 各自が読んだ後、一番印象に残った部分、気になったところ、分からなかったところなどを書き抜き、さらにその部分について思ったこと、考えたことを書き添えます。それを読書会の前にお互い読み合い、それから話し合いに入る、というやり方もあります。臨床心理学者の河合隼雄さんの提案です。この方法を試した参加者から「引っ込み思案の私でも話しやすかった」という感想が寄せられました。

 読書教育の立場から、感想や意見を出しやすいように工夫した「リテラチャー・サークル」というやり方もあります。米国で現場の先生たちが教室で実践しているものです。参加者はあらかじめ「思い出し係」「質問係」などの役割を割り当てられて本を読みます。これだと人前で話すのが苦手でも、役割がはっきりしているので話しやすいし、何よりも順番が必ず回ってきます。

 読書会の進行中に各自がメモをとることは、話し合いを深めるために、ぜひやりたいことです。また、それぞれの意見や感想をあとで整理するために、色変わりの付箋などを利用するのもいいかもしれません。


▲TOPへ戻る



読書会の心得
心得7カ条

 本を読むとき、読書会で話し合うときの7か条です。

(1)ためらいは禁物

 こんなことを言ったら笑われるのでは、ヘンに思われるのでは、バカかと思われるかも、と、ためらうのは禁物です。先に言った者勝ち、くらいの気持ちで話しましょう。

(2)「I wonder」のすすめ

 ほかの人の意見を聞いて、「そんなこと、考えてもみなかった!」と思ったときには、「信じられない…」ではなく、「そうか! どうしてそんなことを考えるんだろう?」と考えたり、尋ねたりてみましょう。思わぬ発見につながるかもしれません。

(3)本と自分は五分と五分

 読書とは、本と自分の対話です。本に沿って考えるのも大事ですが、そこから自分の考えを発展させるのも大事。両方あって読書です。

(4)「分からない」も読みのうち

 深く読むからこそ「分からない」と思うところが出てくるのです。「あの人のことが分からない」って、かなり付き合ってからのセリフでしょう。本も同じです。

(5)まちがいも正解のうち

 作家の平野啓一郎さんの著書『本の読み方』の第2部のタイトルは「魅力的な「誤読」のすすめ」です。「正解」を気にせず、思ったことを言ってみましょう。活発な話し合いのきっかけになるはずだし、思わぬ「正解」に行き着くチャンスになるかもしれません。

(6)脱線大歓迎

 読んでいる本がよい本なら、話し合いが脱線しても実り豊か。読書といい、読書会といい、スローな文化です。ゆっくり楽しんでください。

(7)メモは大切

 話し合いの中で、ほかの人の意見をしっかりとらえ、自分が考えたことなど整理できるように、メモは各自で必ずとりましょう。「メモ係」は無用です。

【何人くらいがいい?】

 読書会を始めるときに問題になるのは「何人くらいがいいか?」。これまでの経験から、4人前後がよいとされています。これ以上だとまったく発言しない人が出たり、「ボス」が現れて読書会を仕切りすぎたりするからです。逆に少なすぎると、話し合いに広がりやふくらみが出にくくなります。なお、必ず3人以上でやってください。

【選書の心得】

 読書会、やってみようじゃないか!ということになったら、最初は本選びです。メンバーで話し合って読みたい本を選ぶ、が基本です。メンバーお薦めの本を順番に読んでいく、というのもいいかもしれません。

 先生に相談するときのポイントは、たとえば「友情」「家族」「笑い」などとジャンルを挙げて、4,5冊出してもらいます。そして、そのなかから自分たちで選び出します。

【何人くらいがいい?】

 読書会を始めるときに問題になるのは「何人くらいがいいか?」。これまでの経験から、4人前後がよいとされています。これ以上だとまったく発言しない人が出たり、「ボス」が現れて読書会を仕切りすぎたりするからです。逆に少なすぎると、話し合いに広がりやふくらみが出にくくなります。なお、必ず3人以上でやってください。

【先生の心得】

 読書会の主役は生徒たち。先生たちはあくまで脇役することが、読書会成功の秘訣だそうです。

 「先生たちは、読書会では、いつもとまったく逆の役割を求められます。つらいと思いますが頑張って」というのは東京大大学院教授の秋田喜代美さん。「大人世代が大事と思うことを、若い世代に伝えるのが先生の本来の仕事。ところが読書会では、その本来の仕事を我慢して、黙って生徒のなかから出てくるものを見守る役なわけですから」

 また普通の授業では、「正解」はただ一つ。それを教えるのが先生の仕事ですが、正解がいくつもあるのが読書会の正しい姿です。この点でも、「いつもとまったく逆」なのです。

 口を開くのは、よほど読書会が盛り上がらないときだけにしましょう。生徒に発言を促すのが、読書会での先生の役目です。生徒がしゃべり始めたら、すぐに後ろに下がりましょう。黒衣に徹することで読書会を成功させてください。


▲TOPへ戻る



リテラチャー・サークル

  【リテラチャー・サークル (簡略型) 開催方法】

▼準備
 ★4人の読書会です。メンバーはそれぞれ(1)思い出し係(2)質問係(3)照明係(4)イラスト係という4つの役割を分担して本を読みます。
 ★まずそれぞれの役割を決め、役割ごとの「役割シート」を読んだうえで、本を読み始めてください。それぞれの「役割シート」に、どんなことをすればいいかが書いてあります。

【→ 役割シート(PDF) ダウンロードはこちら】

▼読書会
 ★「役割シート」を人数分コピーして、全員に配ります。

(1)思い出し係をめぐる話し合い

 思い出し係が、シートに書いた「思い出したこと」を順番に披露します。どうしてそんなことを思ったり、考えたりしたのかも説明しましょう。ひとつ披露されるたびに、みんなで話し合います。
 思い出し係の発表が終わったあと、他のメンバーの「思い出したこと」を話し合いましょう。

(2)質問係をめぐる話し合い

 質問係が、シートにそって、読んで出てきた質問や疑問を紹介します。理由や、自分なりの答えがあったら、それも。ここでもひとつひとつ話し合いましょう。
 質問係の発表が終わったあと、他のメンバーの疑問や質問も出し合ってみましょう。

(3)照明係をめぐる話し合い

 照明係は、本で印象に残ったところにスポットライトを当てる係です。引用した文章を読み上げ、取り上げた理由を述べてください。文章が披露されるつど、話し合います。
 照明係の発表が終わったあと、他のメンバーからも「感動した部分」「うまい表現」などを出し合いましょう。

(4)イラスト係をめぐる話し合い

 イラスト係は、本からイメージした絵を描いて、何の説明もしないで描いた絵を見せます。見せられたメンバーは、それが本のどの部分について描かれたものかを話し合います。絵が何枚かあれば、順番に見て、話し合います。
 そのあとで種明かし。イラスト係は何を描いたのか、どうしてこういう絵になったかを説明してください。それについてまた話し合いましょう。何が描いてあるか、何が描いていないかにも注目して。「自分ならこう描くだろう」という意見も出てくるでしょう。他のメンバーが「絵にしたいと思った部分」についても話し合いましょう。
 最後に、全体を振り返って、言い忘れたり、言い足りなかったことを話しましょう。
 これが、2時間程度でもやれる「リテラチャー・サークル」です。


 本来のリテラチャー・サークルでは、ほかにも「まとめ係」や「追跡係」など、さまざまな役割が用意されています。今回選んだ4つの役割は、それらのなかで「必ず入れる役割」とされているものです。実際に読書会をやるときに、3人のときは、イラスト係をなくす、5人のときには、思い出し係か質問係を2人にするなどの工夫をしてください。
 話し合いが盛り上がって、学校での限られた時間では1日で終わらない場合もあるかもしれません。そういうときは、続きを別の日に開いてもいいでしょう。

(4)イラスト係をめぐる話し合い

 イラスト係は、本からイメージした絵を描いて、何の説明もしないで描いた絵を見せます。見せられたメンバーは、それが本のどの部分について描かれたものかを話し合います。絵が何枚かあれば、順番に見て、話し合います。
 そのあとで種明かし。イラスト係は何を描いたのか、どうしてこういう絵になったかを説明してください。それについてまた話し合いましょう。何が描いてあるか、何が描いていないかにも注目して。「自分ならこう描くだろう」という意見も出てくるでしょう。他のメンバーが「絵にしたいと思った部分」についても話し合いましょう。
 最後に、全体を振り返って、言い忘れたり、言い足りなかったことを話しましょう。
 これが、2時間程度でもやれる「リテラチャー・サークル」です。


▲TOPへ戻る



経験者の感想

読書会ってスリリング!

第1回どくしょ甲子園で優秀賞を受賞した市川高・酒井チーム。

第1回どくしょ甲子園で優秀賞を受賞した市川高・酒井チーム

 実際に読書会をやった人たちの感想を聞いてみましょう。第1回どくしょ甲子園で入賞したチームのメンバーだった人たちです。

 「同じ図書委員だったけれど、学年も違うし、そんなに親しくなかったのが、読書会をやってすごく仲良しになりました」と、振り返るのは、今年市川高校(千葉県)を卒業した岩崎比菜さん。

 思いもよらないような人の意見を聞くことで、自分のなかで固定化されていたイメージが変わってゆく。どんどん広がり、しかも深まってゆく。その手応えがたまらなかったそうです。

 最初は黙っていた下級生が、最後になったら自分から意見を言い始めたのがとても印象的で、「話し合いのなかで、信頼関係が生まれてきたからだと思います」。

第1回どくしょ甲子園で優秀賞を受賞した市川高・酒井チーム。

第1回どくしょ甲子園で優秀賞を受賞した市川高・酒井チーム

 岩崎さんと同じ読書会メンバーだった村上祐磨さん。「人の言うことを聞いて、考えて、自分の意見を言うコツをつかめたと思います」。積極的に話すタイプではないと自認しているが、読書会では遠慮なく意見が言えたそうです。しかもついつい言い過ぎて、あとで気まずくなったことさえあったとか。「登場人物の感情について意見が対立して。感情に関することは譲れないですね」。それも読書会で発見したことの一つ。気まずさはおいおい解消したそうです。

 森川亜弥香さんは、山口県立厚狭高校のメンバーでした。高1からずっと読書会を重ねてきそうです。「読書会のおかげですごく変わりました。新しい見方に出会えたし、友だちと深く知り合うこともできました。参加すると、必ず何か得るものがあります」。人前ではっきりものを言うのになれたので、大学という新しい環境にもすぐ慣れたし、友だちもできたと、読書会の思わぬ“効果”についても話してくれました。

 東洋英和女学院大学長の村上陽一郎さんはここ数年、日本アスペン研究所が主催する高校生の読書会の司会(モデレーター)をやっています。「毎回、予想もしなかった新しい“読み”に出会いますよ」。読書会は、高校生にも大人にもスリリング!


▲TOPへ戻る



【どくしょ甲子園 過去の受賞作品】

【どくしょ甲子園 応募要項】

【→ 読書会へのアドバイス】

【→ どくしょボードのつくりかた】

【どくしょ甲子園 関連記事】