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朝日新聞社: 10代の読書会 オーサービジット校外編
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「書籍フェア、キミの色で」 大崎梢さん


 10代のための読書会「オーサー・ビジット校外編」(朝日新聞社、出版文化産業振興財団主催、大垣書店協力)の第18回が、作家の大崎梢さんを迎えて、京都市のイオンモールKYOTO内Kotoホールで開かれました。参加者たちは、大崎さんの「成風堂」シリーズなど人気の作品を読んで読書会に臨みました。


課題の発表に笑顔でコメントする大崎梢さん

課題の発表に笑顔でコメントする大崎梢さん

 駅ビルの書店「成風堂」に勤めるしっかり者の書店員・杏子と、勘のいい大学生アルバイト・多絵が活躍する『配達あかずきん』や、出版社の若手営業マン・井辻智紀がナゾ解きに奔走する『平台がおまちかね』など。大崎さんの作品は、書店員だった経験に裏付けられたミステリーの妙が持ち味だ。

 参加者は世代別に五つの班に分かれ、作品の感想から読書会に入った。

 中学生の班は、みんな違う作品を読んできていた。そこで、お気に入りの短編を薦め合うことに。「上手に声を出せないお年寄りが求める本を推理していく『パンダは囁(ささや)く』は、実は大変な事件につながっていて……」「『ときめきのポップスター』は、平台に並ぶ本の位置がちょっとずつ変えられていて、そのナゾを解くある法則が!」

 ネタバレすれすれの巧妙かつ絶妙なお互いの作品解説に、「うわー、めっちゃ気になる」「今すぐ読みたい!」。ミステリー好きたちの言葉と表情がどんどん弾んでいく。

 中盤、大崎さんから課題が出た。「秋にピッタリの書籍フェアを企画してください。どんな本をラインアップして、どうディスプレーするか。書店員になったつもりで考えてみて」

 30分後、各班で練り上げたフェアのプレゼンがスタート。小学生が中心の班の企画は、題して「秋の食材×もこみちフェア」。食欲の秋を彩る食材本と、料理男子としても人気の俳優・速水もこみちさんの異色コラボで、「ちょっとセクシーな等身大のもこみちパネルがディスプレーの目玉です」。一方、大学生たちの班は、小学生でも読みやすい本からスタートし、どんどん大人向けの本に進む「君はどこまで読めるかな?」というスタンプラリーを考えた。

 「料理とイケメンは、きっと女子受け抜群」「スタンプラリー、すぐに実現できそう!」。すっかり書店員目線の大崎さんに、「書店時代に成風堂で起こるようなナゾの出来事はありましたか?」という質問が飛ぶ。「なにこれ?っていう落とし物は色々。買ったばかりのケーキとか」「取り寄せ依頼のお客さんから『この本を頼んだことは誰にも言わないでください』って口止めされたり」。小説超えのおもしろエピソードに大きな笑いが起こる。参加者の多くが創作に挑戦中と知った大崎さんは、小説家の卵たちにこんなメッセージを送った。

 「私が書店で経験したように、身近なところにも色々なナゾが潜んでいる。魅力的なナゾを発見できたら楽しいし、そこからきっとおもしろい物語が生まれるから」

(ライター・中津海麻子 写真家・御堂義乗)


読書会を終えて

 落合美佳子さん(中2)
 「フェアの企画はみんなでワイワイできて楽しかった。本屋さんって大変だなーと思いました」

 杉原成海さん(高1)
 「本の感想は自分の中でおしまいと思っていたので、ほかの人と話すのっていいな、と発見できました」


大崎梢さんの本

配達あかずきん

『配達あかずきん』         
[出版社]創元推理文庫
[価 格]670円

サイン会はいかが?

『サイン会はいかが?』
[出版社]創元推理文庫
[価 格]713円


平台がおまちかね

『平台がおまちかね』        
[出版社]創元推理文庫
[価 格]756円

背表紙は歌う

『背表紙は歌う』
[出版社]創元推理文庫
[価 格]691円


プリティが多すぎる

『プリティが多すぎる』         
[出版社]文春文庫
[価 格]637円

 

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