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2度も「まわし待った」

市川市立塩焼小学校・武藤和彦

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 全国高校サッカー選手権の決勝戦を観戦のため、総武線に乗り千駄ヶ谷駅方面へ向かう際、電車に乗ると、車内には強いびんつけ油(相撲取りがまげに付ける油)の甘い香りが充満していました。
 思い出しました。今現在、大相撲初場所が両国国技館で開かれていることを。
 一時は数々の問題で相撲人気も凋落したのですが、最近は何とか人気が上向いてきたようですね。しかも、一般的には「国技」と考えられている相撲が日本社会から消えるなんて事はしてほしくないのですが。
 さて、今回は相撲が「国技」であり、伝統を重んじるスポーツであるからこそ、起きてしまう相撲にまつわる珍事や不思議を一緒に学んでいきましょう。

●学習のポイント

(1)タイトル(見出し)の意味は何だったのでしょう。

 相撲では力士のまわしが緩むと、一旦行司さんが競技を停止して、緩んだまわしを行司さんがきつく締めます。
 そして、両者のまわしを「ポン」とたたいて相撲が再開されますが、その直後、しっかりまわしが締められていなかったので、行司は「待った」を再度かけました。
 これが、珍事となり、このタイトルがつけられました。こんなことは滅多に起きないことですが。

(2) 行司さんとはどんな役割があるのでしょう。

 ◆一番高い格(位)は立行司(たてぎょうじ)の木村庄之助と式守伊之助の2名しかいません。
この2名が、横綱の土俵入りを務めます。
 ◆立行司と三役行司(小結以上)だけが、白い足袋(たび)と草履(ぞうり)をはけます。(それ以下の行司さんは足袋だけか素足で土俵に上がります)
 ◆行司の2名は短刀(邪気を払う)を差しています。
 ◆軍配(扇子のようなもの)使って勝った力士に軍配を向けます。
 ただし、行司さんの勝敗判定は絶対でなく、土俵下の勝負審判から「異議=いぎ」が申し立てられると土俵上で5名の審判が協議し、決定した勝敗をマイクで説明します。こういうところが伝統を重んじる相撲の特性ですね。

(3)写真をみてわかるように土俵に力士が3人います。後方に立っている嘉風関は何のためにいるのでしょうか。

 行司さんの力だけでは、まわしがきつく締められないから、勝負審判から「手伝ってきてほしい」と要請されました。そこで、嘉風関は土俵に上がったのです。
 しかしながら、手伝うことなく土俵を下りました。
 何もできずに土俵を下りた嘉風関の気持ちを考えると、恥ずかしでいっぱいだったのではないでしょうか。

(4)行司さんは「まわしが短く結べなかった。関取に手伝って頂くわけにはいかに」と話しています。なぜ、こう言ったのでしょうか。自分が行司さんになったつもりで、考えてみて下さい。

 責任感からそう言わせたと思います。土俵には闘う力士と行司の3名しか上がれないと言う強い意志があったのでしょう。また、嘉風関への気遣いでしょう。
 これから土俵で真剣勝負をする力士に余計な力を使わせたくなかったのでしょう。
 いずれにせよ、プロとしての自覚と責任感からこの言葉が出てきたと思います。

●発展学習として

 ◆現在の大相撲には外国力士が大勢います。1月(初場所)の全幕内力士の中で何人の外国力士がいるか調べてみましょう。あわせて、白地図に力士の出身国に色をぬってみるのもいいですね。
 ◆カド番、あんこ型力士、物言い、千秋楽、谷町、ちゃんこ等相撲用語は、たくさんあります。集めて意味を調べてみましょう。日本の文化がみえてきますよ。
 ◆しかし、女性の大臣が内閣総理大臣杯を授与するのにあたり、土俵へ女性を上げてはいけないという問題が起き、議論を巻き起こしました。その理由を調べ、あなたなりの考えをまとめてみましょう。

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