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この記事を手がかりに 2014/03/21
学習のポイント

ムーク続々、日本の大学も 講義を無料ネット配信

大阪市立昭和中学校・植田 恭子

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 さまざまな事思ひ出す桜かな 芭蕉
 春は出会いと別れの季節。学び舎を巣立つ寂しさは、友との別れとともに、「学びの場」が無くなることへの喪失感もあるような気がします。学ぶことは、学校での勉強だけではないのはいうまでもありませんが、卒業することで、学校にあった自分の勉強机と椅子が無くなってしまう現実があります。
 しかし、情報化が進む今は、インターネットの接続環境さえあれば、「だれでも・いつでも」MOOC(ムーク)の講座を受けることができます。
 今回は「ムーク続々 日本の大学も」の記事を手がかりにして、「学ぶ」ということについて考えていきましょう。

●学習のポイント

(1)MOOCとは何?

 OOC(ムーク)とは、Massive Open Online Coursesの略、大規模の無料で公開されているオンラインの講座のことです。2012年から、アメリカを中心として主要有名大学教授による講義がオンラインで公開されています。世界中から最大20万人が受講し、修了者は修了証を受けることができます。
 どのような経緯でMOOC(ムーク)が生まれ、今、どのような講座が開かれているのか。どのような人々がどのように学んでいるのか現状について調べてみましょう。そして、どうして20万人もの人が受講しているのか。「MOOC革命」といわれるのはどうしてなのかについても考えてみましょう。

(2) JMOOCとは?

 世界的な規模で爆発的な勢いで増えているMOOCの状況を受けて、日本でもJMOOC(一般社団法人 日本オープンオンライン教育推進協議会)が設立されました。どのような講座があるのか。まずはJMOOCにアクセスしてみましょう。受講登録から修了までの流れがわかります。誰でも無料で受講できる、学びの機会があるのは嬉しいことです。
 個人的には慶応義塾大学の村井純教授の「インターネット」、反転学習コースもあるという「オープンエデュケーションと未来の学び」(北海道大学 重田勝介准教授)に興味をもっています。JMOOCでも、さまざまな講座が開設されており、「語学が苦手」と、二の足を踏んでいた人にとっても日本語による講座は魅力的ですね。

(3)MOOCによって何が変わる学び

 バングラデシュなどの新興国で教育革命を起こしているひとりの日本人がいます。1989年生まれの税所篤快さん。現在は世界8地域で活動している税所篤快さんについては、著書『「最高の授業」を、世界の果てまで届けよう』を読むと、オンラインの授業の影響が彼の人生を変えたことがわかります。
 『ルポ MOOC革命 無料オンライン授業の衝撃』(金成隆一・岩波書店)は、世界の無料オンライン講座の現状のルポの記録です。なかでもMITに合格したモンゴルの16歳の高校生、バトゥーシグさんの取材はとても刺激的で、読んでいると勇気と元気が湧いてきます。バトゥーシグさんは、MOOCによって発掘された優秀な人材といえるでしょう。お金がなくても、世界最高レベルの授業がオンラインで受けることができたことで、彼の未来がひらけました。「教育の民主化革命」と形容される所以です。
 高等教育のオンライン化、MOOC革命でさまざまな変化が起きるといわれています。何がどう変わるのかを調べてみましょう。「日本の大学生たちの脅威」ともいわれていますが、どのようなことが「脅威」なのかについても考えてみましょう。

(4)ICTを活用した学び

 佐賀県武雄市の小学校で進められている「反転授業」の試みは、タブレット端末があって可能になったことです。電子黒板、タブレットPCなどのツールが教室に入ることで、学びの風景も変わってきました。私も国語科の授業で、「アナログとデジタルの融合・ハイブリッド」をテーマにICTを活用した授業を進めていますが、日々さまざまな発見があります。
 東京大学の「MOOCと反転授業で変わる21世紀の教育」のセミナーリポートなどを読んで、これからの学びについて考えてみましょう。
 『「未来の学び」をデザインする―空間・活動・共同体』(美馬のゆり・山内祐平 東京大学出版会) 『学びの空間が大学を変える』(山内祐平ほか ボイックス株式会社)なども参考になります。
 この春、まずは第一歩を踏み出したいですね。

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