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この記事を手がかりに 2014/04/18
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ウエアラブル端末の未来は
ウエアラブル・テック・エキスポ

2014年4月18日付 朝刊 20、21ページ

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 ◇未来メディアプロジェクト

 身につけられる次世代の携帯機器として注目を集める「ウエアラブル端末」。一過性の流行に終わらず、社会に定着して私たちの生活を変えるのか。3月25、26日に東京・六本木で開かれた国際展「ウエアラブル・テック・エキスポ」の議論から、現状を探った。

■夢の世界実現へ、技術進化

 銀色に光る指輪をはめ、指先で文字を書くように動かすと、離れたタブレット端末が作動する。

 日本のベンチャー「ログバー」の吉田卓郎社長が行った入力専用ウエアラブル端末「リング」の実演は、初日の会場でひときわ喝采を浴びた。ビデオ上映や写真撮影など五つの機能を見せたあと、「私たちは次の革命となる技術を持っている」と話した。

 今年2月、米サイトで購入希望者から開発費を集めたら、わずか1日半で目標の25万ドル(約2540万円)を達成。加速度センサーなどを小さな指輪の中に詰め込んだ技術に世界の期待が集まる。

 同じく日本のベンチャー「Moff」が公開したのがウエアラブル玩具。カラフルな腕輪型端末で、装着して腕を振ると剣を振る音やピストルを撃つ音などを自在に出せる。

 これらのアイデアが実現した背景には、高性能で小さなセンサーやバッテリー、半導体などの進化がある。

 両社採用のチップの製造元でノルウェーの「Nordic」のソダーホルムさんは、講演で「小型で超省電力な半導体に最新の通信技術を搭載した」と説明した。

 ウエアラブル端末の考え方自体は、それほど新しいものではない。朝日新聞社は1998年に「ウエアラブルシンポジウム」を開催している。しかし当時は小型パソコンや古い携帯電話などしかなく、実現しようとしていることは、まだまだ「夢の世界」だった。


 ■「スマホの次」膨らむ期待

 だがその後、コンピューター技術はハード、ソフトとも飛躍的に向上。小型化・軽量化・省電力化が進み、「身につける」が現実的になった。スマートフォンやタブレット端末の普及も後押ししている。多くのウエアラブル端末は、ブルートゥースなどの新しい無線通信技術でそれらとつながり、多様な処理ができるようになっている。

 そんなトレンドの象徴が、米グーグルのメガネ型端末グーグルグラス。小さなディスプレーとカメラなどを搭載し、15日には米国で限定的に発売された。ソニーや韓国サムスン電子は腕時計型端末を販売している。

 野村総合研究所の「ITナビゲーター2014」の予測では、18年度に国内で475万台のウエアラブル端末が販売されるという。矢野経済研究所によると16年に世界で腕時計型端末は1億台、メガネ型端末が1千万台の市場規模になる見込み。「スマホの次」と期待が膨らむ。

 夏野剛慶応大特別招聘(しょうへい)教授はアニメとウエアラブルがテーマの討論で「日本が先頭を走れる分野だ。身につけても心地よい製品を作る、ものづくりの技術もある」と話した。

 課題もある。朝日新聞社メディアラボの竹原大祐プロデューサーは基調講演で、カメラつきメガネ型端末などを念頭に「プライバシーの侵害などの問題が起こる恐れがある」と指摘。個々人が、街ゆく人に常時カメラを向けるような社会になる可能性があるため、ルール作りの必要性を説いた。


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