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 疑問符残った 直前の準備 (理想と現実 日本代表㊦)
 サッカーW杯ブラジル大会
 (朝日新聞社発行 2014年6月29日付 朝刊18ページ)


コートジボワール戦での日本の守備 =杉本康弘撮影

 日本サッカー協会の原博実・専務理事兼技術委員長が吐露した。「ザッケローニ監督らイタリア人スタッフと今の日本の選手の力があれば、もっと日本のよさを出せると思い続けてきた」

 理想が破れたことを語って済む立場ではない。チームを支える強化責任者として敗因を探している。「マッチメーク(強化試合の組み方)やキャンプ地、気候や移動などについて様々な意見が出てくるのは当然だが、今こうだったと言うことはできない」。ただ、直前の準備が検証対象になるのは間違いない。

 強化試合では、W杯イヤーの今年、日本はニュージーランド、キプロス、コスタリカ、ザンビアと対戦し4連勝。格下が多く、唯一のW杯出場国コスタリカは守備がベースのチームだ。

 4年前は、南アフリカ大会を控え、イングランドやコートジボワールなど強豪と対戦。劣勢を強いられ、前線から追う守備を断念して後方を固めた。直前の連敗は修正点を洗い出す契機になった。

 今回は球を保持して主導権を握る日本のスタイルを磨く狙いがあった。だが、必勝で臨んだW杯初戦に生かされたとは言い難い。コートジボワールにボールを57%支配され、押し込まれる展開への免疫力と、はね返す精神力を持ち合わせていないことを露呈した。香川は「自分自身に負けた。プレッシャーに負けた」。ベンチで見た酒井高は「自分たちが押し込まれてプレーする時にはどうすればいいのか」と戸惑っていた。

 W杯本番で十分に予想できる劣勢への備えが、十分ではなかった。強化試合で体験する機会はなかった。第2戦のギリシャ戦後、追い込まれた選手の口から「球際の激しさ」や「泥臭さ」という単語がやっと出てきた。

 暑熱対策の準備はうまくいったのか。暑い気候に慣れるための鹿児島、米国合宿は順調に映った。ブラジルのベースキャンプ地イトゥへ移動した時、チームは米国で対策はできたという認識だった。三つの試合会場は高温多湿の地域で、涼しいイトゥで試合の間に回復を図る目的もあった。

コロンビア戦終了後、観客にあいさつをする長谷部(右端)ら=上田潤撮影

 代表スタッフは「イトゥでの調整が重要になる」と話していた。蒸し暑い中で戦う3連戦中、イトゥの場所が涼しすぎると感じる選手もいた。寒暖差の激しさは影響したのか。原専務理事は「動けていないわけではなかったが、一番いいパフォーマンスを初戦やギリシャ戦に持っていかないと勝てないのは事実。ピークの持って行き方は検討しないといけない」。初戦をピークにできなかったことを示唆している。

 また、試合会場は初戦、第2戦は2千キロ以上、最終戦は1200キロ以上の飛行機移動。同じC組のギリシャは暑いブラジル北東部にキャンプ地を置き、移動距離も減らした。3連勝したアルゼンチンも重要と位置づけたイラン戦のある第2戦の試合会場近くにキャンプ地を設けた。

 4年前の大会は、日本が高地対策にも成功し、全4試合を同じ先発11人で負傷なく戦った。第2戦の2日後には高地トレーニングの専門家の助言を聞き入れてオフにしている。前回の方がより綿密に準備を進めた印象がある。

 原専務理事は「W杯で実力を出し切る難しさを実感している」。検証した結果を、4年後のロシア大会に向けて生かさなくてはならない。

  ◇ この連載は内海亮が担当しました。

■日本の1次リーグの成績

対戦国       勝敗 ボール支配率シュート数(枠内、枠外)
コートジボワール ●1―2   43%7(4、3)
ギリシャ     △0―0   68%16(11、5)
コロンビア    ●1―4   56%23(13、10)

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