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 夫婦同姓規定、合憲 最高裁「社会に定着」
 女性再婚禁止、100日超は違憲
 (朝日新聞社発行 2015年12月17日付 朝刊 1ページ)


「夫婦は同姓」「女性は離婚して6カ月間は再婚禁止」とする民法の規定は、憲法に違反しないか。

 明治時代から100年以上続く二つの規定について最高裁大法廷(裁判長・寺田逸郎長官)が16日の判決で、初の憲法判断を示した。

 いずれも国への賠償請求は退けたが、夫婦同姓については「合憲」と判断。再婚禁止規定については100日を超える期間の部分を「違憲」とした。最高裁による違憲判断は戦後10例目。法務省は再婚禁止期間を100日とするよう全国の自治体に通知し、即日実施。民法改正の作業も進める。

判決のポイント

 

■選択的別姓、国会論議促す

 夫婦同姓を定めた民法750条の規定については、東京都内の事実婚の夫婦ら5人が2011年に提訴。国会が法改正を長年放置したため精神的苦痛を受けたとして、計600万円の損害賠償を求めていた。
 判決は、夫婦同姓の制度について「社会に定着しており、家族の姓を一つに定めることには合理性がある」と指摘。どちらの姓を選ぶかは当事者に委ねられており、性差別には当たらないと判断した。
 現実には妻が改姓することが多く、アイデンティティーの喪失感を抱くなどの不利益が特に近年増していることを認める一方、旧姓の通称使用が広まることで「一定程度は緩和できる」と指摘。夫婦同姓が、憲法の定める「個人の尊厳」や「男女の平等」に照らし、合理性を欠くとは認められないと結論づけた。
 ただ、この判決が「選択的夫婦別姓が合理性がない、と判断したのではない」とも述べ、「この種の制度のあり方は国会で論じ、判断するものだ」と国会での議論を求めた。結婚や家族の法制度を定めるにあたって、国会の裁量が及ぶ範囲にも言及。憲法で直接保障された権利とまでは言えない「人格的利益」や「実質的な平等」を実現していくあり方は、「その時々の社会的条件や国民生活の状況などとの関係から決めるべきだ」などと提言した。
 15人の裁判官のうち、10人の多数意見。5人が「違憲」とする反対意見を述べた。3人の女性裁判官は全員が「違憲」とした。

■女性再婚禁止、100日超は違憲 即日短縮通知、民法改正へ

 「離婚した女性は6カ月間再婚できない」とする民法733条の規定については、岡山県に住む30代女性が2011年に提訴した。
 15人の裁判官全員が一致で「違憲」とした判決を受け、法務省はこの日、再婚禁止期間を100日に短縮して取り扱うことを決め、全国の自治体に通知した。来年の通常国会にも民法を改正する法案を提出する。
 判決は、再婚後に生まれた子どもの父親をめぐって争いになるのを防ぐという規定の目的には合理性があると判断した。ただ、法律上の父親を「推定」する民法772条は「離婚後300日以内に生まれた子は前夫の子」「結婚後200日を過ぎて生まれた子は再婚後の夫の子」と定めている。仮に、離婚後すぐ再婚して200日たった後に子が生まれると父親の推定が重なるが、それを避けるには「100日」の再婚禁止期間で足りる。判決は、これを超えて再婚禁止を強いるのは「過剰な制約だ」とした。
 原告の女性が離婚した08年の時点で、医療や科学技術の発達から、すでに憲法14条の「法の下の平等」や24条の「結婚における男女の平等」に反していたとした。
 96年には法相の諮問機関「法制審議会」が100日に短縮する法改正案を示したほか、離婚や再婚の件数が増加し、再婚の制約を減らそうという社会的な要請が高まっていることなどの時代状況も列挙。一方、08年の時点で国会が法改正をしなかったことは違法とは言えず、国に賠償責任はないと結論づけた。
 (河原田慎一)

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