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 「食」の支え合い、手探り 子ども食堂、急増
  ★学習のポイント★
          元公立中学教員・日本NIE学会理事 有馬進一
        (朝日新聞社発行 2016年07月02日付 朝刊 2ページ)


 地域の子どもたちに、栄養バランスのよい温かい食事を提供するための「子ども食堂」が各地にオープンし、その数が全国で300カ所を超えました。食事の提供だけでなく、子どもたちの居場所づくりとしても注目されています。
 「子ども食堂」が急増する背景に、先進国の中でも高いとされる日本の子どもたちの貧困率が挙げられます。今回のこの記事によると、「子どもの貧困率は2003年から上昇し続けており」「厚生労働省による2012年の統計では、過去最高の16.3%。18歳未満の6人に1人が『貧困』とされ、十分な食事や教育を受けられていない可能性が高い」とされています。
 2014年に「子どもの貧困対策法」が施行され、国や自治体による様々な取り組みがなされています。各地に広がりをみせる「子ども食堂」からは、「子どもの貧困」解消へ向けた地域の人たちの優しいまなざしを感じます。 グローバルな視点も大切ですが、今回は見過ごされてきた国内の子どもたちの貧困について、「子ども食堂」の記事を手がかりに考えてみましょう。

<参考図書>
『貧困を考えよう』生田武志著 岩波ジュニア新書(2009年)
『貧困の中の子ども 希望って何ですか』下野新聞子どもの希望取材班 ポフラ社(2015年)
『日本の大問題 子どもの貧困 社会的養護の現場から考える』池上彰編 ちくま新書(2015年)
『子どもの貧困 Ⅱ 解決策を考える』阿部彩著 岩波新書(2014年)


 ◎ 学習のポイント ◎

(1)「子ども食堂」とはどのようなものか、記事を参考にまとめてみましょう
 子どもたちを取り巻く様々な問題を解決しようとすると、その背景に困窮する家庭生活のようすが見え隠れすることがありました。空腹をこらえるだけで、相談する人もなく我慢強く日々を過ごす子どもたちがいます。子どもたちを、そのような閉塞感から解放してあげることで、将来の夢や希望を持つきっかけになるはずです。
 記事に目を通し、紹介されている子ども食堂のホームページなども参考にしながら、子ども食堂の目的や運営方法、抱えている課題などについてまとめてみましょう。

<参考>
「子ども食堂 300カ所超す 貧困・孤食 広がる地域の支援」(2016年7月2日朝日新聞デジタル)
 http://digital.asahi.com/articles/DA3S12438125.html
子ども食堂ネットワーク
 http://kodomoshokudou-network.com/index.html

 

(2)なぜ子ども食堂が急増しているのか、その背景を考えてみましょう
 国民の標準的な所得の半分に満たない家庭に暮らす18歳未満の割合を表す貧困率は、厚生労働省の統計によると、過去最高の16.3%(2012年)に達します。実に、6人に一人が「貧困」であるという計算になります。
 発展途上国が抱える命が脅かされるような絶対的貧困とは異なり、この相対的貧困の実態は見えにくく、見過ごされてきたともいえるでしょう。日々の生活に思い悩み、そして苦しんでいる仲間(それは、もしかしたら君自身かもしれませんが・・・)が近くにいるはずです。貧困は、同世代の解決すべき問題として、無関心ではいられない大問題です。

 

(3)子どもの貧困対策について調べてみましょう
 国は2013年、「子どもの貧困対策法」を定め、翌年施行されました。この法律の理念を実現するために、2014年には具体策「子どもの貧困対策大綱」が閣議決定されています。その中には貧困家庭を救うための「教育支援」「経済支援」「生活支援」「就労支援」の4つの支援が示されています。また、「子どもの貧困対策法」は、都道府県として「子どもの貧困対策計画」を定めることを求めています。
 貧困家庭を救うための4つの支援内容の概略を「今と未来をみつめた貧困対策」で確認し、関心を持った内容について「支援情報の検索」を活用して調べてみましょう。

<参考>
今と未来をみつめた貧困対策(子供の未来応援国民運動)
 http://www.kodomohinkon.go.jp/policy/
支援情報の検索(子供の未来応援国民運動)
 http://www.kodomohinkon.go.jp/search/

 

(4)子どもの貧困対策会議を開いて、提言をまとめてみましょう
 18歳からの選挙権が認められた最初の参議院議員選挙の直前ということもあり、紙面には「子どもの貧困解消に向けた各党の公約」の一覧が掲載されています。それらを参考にしつつ、どのよう取り組みが有効なのか考えてみましょう。
 投票するときは支持政党を決める必要がありますが、今回は各政党の公約を参考にしながら、より良い政策を提言するために「いいとこ取り」をしてみましょう。

<参考>
子どもの貧困解消へ アクション!(朝日中高生新聞2016/6/12付、1・2面)

 

◎発展学習◎
 子ども食堂は、食事を提供するだけの場所ではありません。困窮するさまざまな家庭環境で、悩みを抱える子どもたちの居場所としての役割も担っています。
 子どもたちが利用する子ども食堂ですから、子どもたちの立場から支えていくことも可能でしょう。給食がストップする夏休みを迎え、子どもたちの食生活や居場所を心配する声もあります。そんな中、「みんなの子ども食堂」(仮称)運営会議を開き、自分たちに何ができるのかを考えて実行してみてはどうでしょう。

<参考>
子ども食堂を応援してみませんか(子ども食堂ネットワーク)
 http://kodomoshokudou-network.com/help.html

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