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 (天声人語)
 「敗者」の輝く言葉
 (朝日新聞社発行 2016年08月21日付 朝刊 1ページ)

 五輪の舞台で狙った通りのメダルを手にできる人はごく少ない。大多数は「敗者」として去る。だが敗者の弁は時に勝者より深みを帯びる。特に輝く言葉を二つ紹介したい▼陸上女子5000メートルに挑んだ米ダゴスティノ選手は交錯して一緒に転んだ他国選手を置き去りにしなかった。「立って立って。完走しなきゃ」。連れだって走り出したが、今度は自分が足の激痛で倒れこむ。助けた相手に助け起こされ、最下位でゴールした▼直後の抱擁が忘れがたい。「助けたのは本能。私が助けたというより私の中の神様が助けた感じ。一瞬のことだったけど、世界中で共鳴を呼ぶなんて」。米国では閉会式の旗手に推す署名が集まっている▼もうひとりはウクライナ体操界の星ベルニャエフ選手。男子個人総合で内村航平選手に敗れた。小差で金を逃した「敗者」だが、会見では内村選手を助けた▼「あなたが審判に好かれているからこんな得点が」。採点の不正をにおわせる質問を内村選手が浴びた。隣のベルニャエフ選手はその厄介な問いに進んで答えた。「いったん得点が出ればそれは公平な結果。質問は無駄だと思う」。すがすがしい言葉だった▼日本が過去最多のメダルを獲得した。外国勢を含め勝者の言葉はやはり陽気で威勢がよい。ただ転んだり敗れたりしたアスリートの言葉には微量の陰が伴う分、独特の奥行きがある。弊害が言われて久しい五輪だが、敗者の弁にまで世界の人々が耳を傾け、共鳴できる場はそうそうない。

 

「天声人語」

 天声人語の初登場は創刊25周年を迎える1904(明治37)年の大阪朝日。「天に声あり人をして語らしむ」という中国古典をもとに西村天囚が命名したといわれていますが、出典は不明。東京朝日は「東人西人」。1940(昭和15)年、東西の題字が「朝日新聞」に一本化されたのに伴い、コラムも一本化され「有題無題」に引き継がれ、戦時中は「神風賦」に。戦後、再び「天声人語」に戻りました。
段落分け記号(▼)も含めて603文字で構成されています。

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