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気になる「平成」の次 新元号、どう決める?
 (朝日新聞社発行 2017年 1月14日付 朝刊35ページ)


 天皇陛下の退位をめぐり、政府は2019年1月1日に皇太子さまが新天皇に即位し、その日から新たな元号とする方向で検討している。役所、銀行の書類、カレンダー……。生活に密接に関わる元号はどのように決まるのか。248番目の新元号に、早くも熱い視線が集まっている。


■前回は 漢学者ら提案 英字も考慮

 日本初の元号は、大化の改新による「大化」。「平成」までの1300年余に247の元号が誕生した。自然災害や慶事などでも元号が変えられ、一人の天皇の時代に複数の元号に変わったこともあった。

元号選定の流れ  明治以降は新天皇の即位に合わせて元号を変える「一世一元」に。「昭和」から「平成」への改元は昭和天皇の逝去時から進められたとされるが、当時の首相官邸幹部は「新元号選定はかなり前から水面下で始まっていた」と話す。

 「平成」の選定では、首相が漢学者ら数人に委嘱し、候補名を提出してもらった。だが、その人が天皇の逝去前に死亡すると、その案は「縁起が悪い」と廃案になる恐れがあった。アルファベットで示した場合、明治以降と同じ頭文字にならないことも考慮された。



■何が大変 同じ名ないか血眼で確認

 最も苦労したのは、地名や人物名、過去の元号などに同じものがないかの確認。地名録や歴史書で中国の歴代皇帝の名前などに同じものがないかを血眼になって確認した。当時は、インターネットの普及前で検索は容易ではなかった。

 実は「平成」を発表後、岐阜県内に「平成」と書いて「へなり」と読む地名があると判明。担当者の一人は「あのときは本当に青ざめた」と話す。

 また、発表前に報道にスクープされれば、変更しなければならない。担当者は休日に本屋にいたら漢和辞典を持った記者に「(新元号の文字を)示して」と詰め寄られたと明かす。

 今回はどのように決まるのか。元号の歴史を研究している所功・京都産業大名誉教授によると、元号は少なくとも記録がある平安時代から1千年以上、中国の古典に基づき選ばれており、「新元号も同様の方法をとる可能性が高い。ただ今後は、日本の古典から採用されることもありうる」とみる。

 縁起の良さや明るさ、将来に希望を託す文字が多いが、所氏は「文字から受ける印象や感覚的なものだけではなく、専門的な見識に基づく判断が必要。決定までのプロセスは可能な限りオープンに」と話す。

(斉藤寛子、多田晃子)


■業界の対応は  IT社会 影響懸念

 「新元号」の行方を、やきもきしながら見守っている人たちがいる。

(上)「昭和」を二重線で消す「平成」のゴム印。改元で注文が殺到した。(下)ゴム印が間に合わず、謄写版(ガリ版)を使って運転免許証にすられた注意書き  「今年の夏ごろには決まっていないと間に合わない」。手帳販売大手「高橋書店」の担当者は明かす。新元号が見込まれる2019年の手帳が店頭に並ぶのは、前年の18年9月ごろ。その1年前には作製を始める必要があるためだ。

 すでに作製中の18年手帳にも「翌年のカレンダー」として19年の元号を載せるほか、今後3年間分の予定を書き込む手帳もあり、「少しでも早めに決めてもらえるとありがたい」と話す。

 「IT社会」が迎える元号改定。コンピューターシステムは対応できるのか。システム開発会社でつくる「情報サービス産業協会」(東京)の担当者は「IT化が進んだ今は扱うデータ量が膨大で、プログラムも複雑」と影響を懸念。コンピューター上では多くのデータが「年月日」と結びついて管理されていることから「(新元号に対応する)プログラム修正に問題があれば影響が大きい。慎重に作業しないといけない」。

 昭和から平成に改元される前日には、東京証券取引所で約20人のプログラマーが約3時間がかりでシステムの日付表示を変える作業に取り組んだ。JRの駅でも自動券売機の日付を変えるため、部品交換などの作業を夜に一斉に実施した。

 コンピューター誤作動が心配された「2000年問題」を機に元号表記から西暦表記に切り替えた企業も多いとみられるが、公的機関の多くは元号表記を続けているという。

(佐藤恵子)

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