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 チョコ食べ1週間…
 74歳を救助 北アルプスで滑落
  ★学習のポイント★
            千葉県市川市立東国分中学校・武藤和彦
            (朝日新聞社発行 2017年 8月21日付朝刊30ページ)


 先日、夏休みを利用して東京都の奥多摩方面へ一人で散策に出かけてきました。明治時代初期の民間憲法私案といわれる「五日市憲法草案」が収納されていた土蔵を探索するためでした。半ば、当てずっぽうで武蔵五日市駅から歩いて向かっていたのですが、運悪く雲行きが急に悪くなり、雷鳴がとどろき始めました。安全策をとり、帰途につけば良いのですが、自分の好奇心に負けて稲光の中、目的地を目指しました。

 この最悪な状況下、私は大量の汗をかいていました。でも水分補給をしようにも、ボトルには水がほとんど無い始末。コンビニや自販機も全く見当たりません。無計画で準備が不十分な状態で、未知の世界に飛び込むことが何と無謀なことかと。大きな教訓を得ました。

 さんざんな散策を後悔していた折に、この記事を読んで生命の尊さや準備の大切さが身に染みました。共鳴できることがいくつもあったので、みなさんに紹介することにしました。今回は高齢登山者が死の危険をどう乗り越えたのかを一緒に考えていきましょう。

 ちなみに、私の散策では幸いにもしばらくして雨雲は消え、雷鳴も鳴り止みました。なんとか土蔵に無事たどり着くことができました。その後に見つけた自販機で購入したスポーツドリンクの何とおいしかったことか。忘れられない夏の思い出になりました。


 ◎ 学習のポイント ◎

(1)北アルプスについて調べてみましょう
 北アルプスとは、富山・岐阜・長野・新潟の4県にまたがる飛騨(ひだ)山脈を指します。主な山々としては、北から白馬岳、鹿島槍ケ岳、剱岳、立山、薬師岳、槍ケ岳、穂高岳、乗鞍岳などがあります。木曽山脈(中央アルプス)、赤石山脈(南アルプス)を合わせ日本アルプスと呼ばれます。気象の変化が大きく、起伏も激しく難所が多いため、ベテランの登山者でも転落や滑落が多いことでも知られています。

<参考>
・日本百名山登山支援サイト 全頂制覇百名山「北アルプス」
 http://www.momonayama.net/hundred_mt_area_data/north-alps.html

 

(2)男性はチョコレートを食べて救助を待ちました。その成分や効果を調べてみましょう
 遭難時の糖分・カロリー源としてチョコは優秀な非常食です。原料のカカオにはポリフェノールと呼ばれる健康に役立つ成分が含まれています。ストレス抑制にも効果があるとされていて、仕事の合間にチョコを食べると、コーヒーを飲んだ時と似たような落ち着く感じがして集中力が増します。どうやら元々、カカオに含まれるテオブロミンには神経を鎮静させる効果があるようです。あの落ち着く感じは飴やクッキーでは得られないものです。非常時に心を穏やかにさせてくれる効用もチョコにはあるのですね。

<参考>
・日本チョコレート・ココア協会のサイト
 ※チョコレートのさまざまな健康効果や歴史について解説しています。
 http://www.chocolate-cocoa.com/index.html
・養命酒Webマガジン 元気通信「チョコレートの驚異」
 http://www.yomeishu.co.jp/genkigenki/feature/130129/

 

(3)災害救助の目安とされる、生死を分ける「72時間の壁」とは何でしょう
 災害で救出を待つ人たちの生存率が急激に低下し、「72時間」が生死を分けるタイムリミットといわれています。1995年(平成7年)の阪神大震災では、倒壊家屋などから救助された人の生存率が日を追うごとに下がり、「72時間の壁」を過ぎた4日目には5%台に下がったのです。72時間は、人間が飲まず食わずで生き延びられる限界とされています。この壁を超えて助け出された人たちは、「呼吸が出来る」「水が得られる」「けがが軽い」「体温が保てる」といった共通の状況下にあったそうです。みなさんもこの「72時間」という目安を知っておいて下さい。

<参考>
・国土交通省近畿地方整備局 阪神・淡路大震災の経験に学ぶ「死者を減らすために」
 ※阪神・淡路大震災からの数多くの教訓をまとめています。
 http://www.kkr.mlit.go.jp/plan/daishinsai/1.html
・1週間後に救助された74歳「登山届の必要性を痛感」
 (2017年8月21日朝日新聞デジタル)
 http://www.asahi.com/articles/ASK8P64FCK8PPUZB00J.html

 

(4)登山やハイキングに出かける際に、必ず携行するべきものを書き出してみましょう
 登山では天候の急変など予期せぬ事態に備える必要があります。私のお薦めする必携品は以下の通りです。●レインウェア上下(アウター)●シャツ・行動着(ミドル)●肌着(ベース)●トレッキングパンツ(ロング・ハーフどちらか)●靴下●帽子●ザック ●登山靴●腕時計●ヘッドライト●地図●コンパス●携帯電話●水筒 ・非常食等●サバイバルシート●サイフ(お金)●タオル●ごみ袋。
 これ以外にどんなものがあった方がいいか、みなさんも調べてみましょう。

<参考>
・公益社団法人日本山岳ガイド協会など「安全登山ハンドブック2017」
 ※登山前や登山中の注意点や携行品リストなどが掲載されています。
 http://www.jfmga.com/handbook.html

 

 ◎発展学習◎

 8月11日は「山の日」でしたね。この祝日について調べてみてください。

 山の日は「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」として、2016年から祝日に制定されました。そもそも、「海の日」があるのに、なぜ「山の日」がないのだという、素朴な疑問から誕生しました。この時期が選ばれたのは、①夏山シーズンであること ②お盆近くで企業活動のへの影響が小さい事などからです。一般的なお盆休みは13日からなので、12日に制定して連休を増やす案もあったようです。しかし、12日は史上最多の犠牲者があった日航機墜落事故が起こった日だったことから、11日が選ばれました。

・国内の山では富士山が日本一の高さですが、2位、3位も調べてみましょう。

<参考>
・(天声人語) 初めての「山の日」 (2016年 8月11日付 朝刊 1ページ) ↓クリックで拡大
(天声人語)初めての「山の日」

・一般財団法人全国山の日協議会「設立趣意書」
 http://www.yamanohi.net/aboutus.php
・国土地理院のサイト「日本の主な山岳標高」
 http://www.gsi.go.jp/KOKUJYOHO/MOUNTAIN/mountain.html

 

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