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 主要政策 各党論戦
 (朝日新聞社発行 2017年10月11日付朝刊 3ページ)


 12日間の論戦では、安倍晋三首相(自民党総裁)が打ち出した憲法改正や2019年10月に予定される消費増税が焦点となる。新党が「原発ゼロ」を掲げたこともあり、再稼働の是非などの原発政策も注目を集める。各党党首も街頭演説でこうした点に言及した。


 憲法改正   首相、希望・維新の協力期待

 衆院選が公示された10日。安倍首相はこの日3カ所目となる仙台駅前の街頭演説で、ようやく憲法と自衛隊の関係に言及した。

8党首の第一声の演説内容  「東日本大震災、命がけでがんばってくれた自衛隊に対して、君たちは憲法違反だけど、しばらくは命をかけろ。こんなこと通るはずがない」

 この日、東北3県4カ所で行った街頭演説で、首相が多くの時間を割いたのは震災復興や北朝鮮対応など。憲法と自衛隊に触れたのはこの演説だけだったが、今回の衆院選で注目を集めているのは、憲法9条に自衛隊を明記するかどうかをめぐる議論だ。

 そのきっかけは、首相が5月に提案した9条への自衛隊明記案。党内にも異論があったものの、首相の強い意向を反映し、衆院選に向けた自民党公約には自衛隊明記を含めた「改憲4項目」が盛り込まれた。

 首相周辺には選挙後に改憲が前に進むことへの期待が強い。念頭にあるのは、誕生したばかりの希望の党との連携だ。

 小池百合子代表は首相の自衛隊明記案にこそ否定的だが、公約には「9条をふくめ憲法改正論議をすすめる」と書き込み、議論には前向きの姿勢を見せる。日本維新の会に加え、希望の協力を取り付けられれば、選挙後に改憲論議は大きく動く可能性がある。

 一方、こうした状況に危機感を募らせるのが、首相の改憲案に反対する立憲民主、共産、社民の3党。

 立憲は公約に「専守防衛を逸脱し、立憲主義を破壊する、安保法制を前提とした憲法9条の改悪に反対」と明記した。

 枝野幸男代表は都内での演説で、安倍政権が15年に安全保障法制を成立させたことについて、「安倍さんは憲法の認める個別的自衛権を越えて、領土・領海を攻められていないのに戦争をしようとしている。自分たちでつくってきたルールを勝手に破っているから『立憲主義に反する』と言っている」と批判した。

 共産党の志位和夫委員長も街頭演説で、自衛隊明記案への反対を訴えた。「自衛隊を追認するだけではない。無制限の海外での武力の行使が可能になってしまう。断固ストップの審判を下そう」



■党派別の候補者数 党派別の候補者数



 消費増税   野党は「凍結・中止」訴え

 19年10月に予定する消費税率10%への引き上げをめぐっては、増税実施と税収の使途拡大を掲げる与党と、増税の凍結・中止を求める野党が激突する。

主要政策をめぐる各党の立ち位置  安倍首相は、増税で増える5兆円超の税収の使い道を広げ、約2兆円を教育無償化などに充てると宣言。第一声では「借金返しに多く使われたものを子どもたち、子育て世代への支援に使っていく」と訴え、幼児教育の無償化などの目玉政策をアピールした。公明党の山口那津男代表も「私立高校の授業料の実質無償化を進める」と強調した。しかし、いずれも使途拡大で悪化する財政をどう立て直すかには触れなかった。

 これに対し、希望の小池代表は「『いざなぎ超え』と言われるが、好景気の実感ありますか?」と聴衆に問いかけ、増税の「凍結」を主張。都で取り組んだ歳出削減を紹介し、凍結に伴う税収減は解決できるとした。同じく「凍結」の日本維新の会の松井一郎代表は、増税の前に議員報酬削減などを進めるべきだと唱える。立憲や日本のこころも、消費低迷などを理由に増税延期を求める。

 共産、社民は消費増税自体に反対だ。共産の志位委員長は「暮らしを壊す、経済を壊す大増税はきっぱり中止を」と訴え、富裕層や大企業への課税強化を主張した。



 原発再稼働  共・立・社「反対」 希望「2030年ゼロ」

 原発再稼働を進める安倍政権だが、与党党首は第一声で原発政策に触れなかった。

 首相は東京電力福島第一原発事故に見舞われた福島市内での第一声で「首脳会談のたびに『福島の農産物は安全』と話をした」などと強調したが、再稼働には触れずじまい。公明・山口代表も同様に再稼働への言及はなかった。

 自民は公約で原発を「ベースロード(基幹)電源」と位置付け、新規制基準に適合した原発の「再稼働を進める」と記す。首相は8日のテレビ番組で「原発ゼロは責任あるエネルギー政策とは言えない」と批判したが、政権の一角の公明は年限を区切らないものの「原発ゼロを目指す」と公約に明記している。

 希望は足元での再稼働は「是としている」(小池代表)と認めつつ、「2030年までの原発ゼロ」を掲げる。第一声で小池代表は「ゼロにする工程表をしっかり作っていく」と訴える。維新は一定の条件を満たせば原発の再稼働を認める立場だ。

 これに対し、立憲は公約で「再稼働は現状では認められない」と掲げ、「既存原発の再稼働に反対」とする社民、「即時原発ゼロ」の共産と足並みをそろえる。共産の志位委員長は第一声で「どんな世論調査を見ても、再稼働反対は5割から6割。今や国民的合意」と力を込めた。


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