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2020年東京五輪 56年ぶりに再び開催 レスリング存続決定

9月9日付夕刊1ページ 1総合

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2020年の夏季五輪開催都市を東京と発表する国際オリンピック委員会(IOC)のロゲ会長と、喜ぶフェンシングの太田雄貴選手(手前)=7日午後5時20分、ブエノスアイレス、代表撮影

プレゼンテーションでスピーチしたパラリンピック陸上女子走り幅跳びの佐藤真海選手は、抱き合って東京決定を喜んだ=7日、ブエノスアイレス、代表撮影

2020年の夏季五輪開催都市が東京と発表され、喜ぶ東京招致委の関係者=7日、ブエノスアイレス、代表撮影

 国際オリンピック委員会(IOC)は7日、ブエノスアイレスで第125次総会を開き、2020年夏季五輪の開催都市に東京を選んだ。3度の投票を経てトルコ・イスタンブールとマドリードを破った。日本での夏季五輪は1964年以来56年ぶり。レスリングも東京五輪で実施されることが8日に決定。東京五輪ではロンドン五輪の26競技と、16年リオデジャネイロ五輪から加わるゴルフと7人制ラグビーが行われる。

 日本での五輪は64年東京、72年札幌冬季、98年長野冬季に続く夏冬通算4回目。計画では五輪は20年7月24日から8月9日、パラリンピックは同8月25日から9月6日。国立競技場を建て替え、開閉会式などの主会場とする。

 開催地を決める投票は、過半数を獲得する都市が出るまで最下位の都市を振り落とす方式で行った。1回目で東京は過半数にあと6票に迫る42票を獲得。イスタンブールとマドリードが26票で並び、最下位を決める投票でマドリードが脱落。次に東京はイスタンブールとの決選投票に臨み、60対36と圧勝した。

 事前に有力とされたマドリードは指定ホテル以外でIOC委員と面会したとして規則違反で警告を受けるなど票を伸ばせず、最下位で敗れた。イスタンブールはアジア、欧州両大陸での開催を掲げたが、トルコ国内の反政権デモ、隣国シリア情勢や陸上31選手のドーピング問題で苦戦。決選投票では、東京が欧州を中心としたマドリード支持層のほとんどを取り込んだ。

 東京は安定した財政、都市基盤、開催能力をアピールしてIOC委員の支持を集めた。東京電力福島第一原発の放射能汚染水漏れについては安倍晋三首相が招致演説で「まったく問題ない」と説明した。

 また、レスリング、野球・ソフトボール、スカッシュの中から20年東京五輪で行われる残り一つの競技を選ぶ投票が行われ、レスリングが過半数(48票)を上回る49票を獲得した。24年夏季五輪でも実施される。

(ブエノスアイレス=阿久津篤史、河野正樹)

 ●堅実さに支持、重い責任

 日本の首都に再び聖火がともる。敗戦からの復興を国際社会に示した1964年大会から半世紀。世界有数の都市となった東京の開催能力が、IOCの支持を得た。

 IOCには14年ソチ冬季五輪、16年リオデジャネイロ五輪の準備の遅れで、20年は堅実な五輪を求める雰囲気があった。東京電力福島第一原発の放射能汚染水漏れへの懸念が広がったが、安倍晋三首相の招致演説での訴えを受け入れた。

 日本全体で五輪をたぐりよせた。スポーツ界とつながりの深い高円宮妃久子さまが現地で多くの委員と面会した。景気浮揚を狙う政財界も積極的だった。

 開催までの7年間、東京、日本への注目は増す。安倍首相は招致演説で汚染水問題について「抜本解決に向けたプログラムを私が責任をもって決定し、すでに着手している」と宣言した。国際社会への公約だ。

 16年招致に失敗し、再挑戦に消極的だった石原慎太郎・前都知事を森喜朗元首相が説得して始まった今回の招致は前回同様「なぜ東京か」の理念を欠いていた。東日本大震災で「復興五輪」を打ち出すと、招致幹部が「これで開催意義ができた」と漏らした。

 招致演説では、スポーツが被災地の夢や希望になったことを訴え、スポーツの持つ力を強調した。世界にスポーツの素晴らしさをどう伝え、復興五輪をどう形にするのか、これから問われる。

 (ブエノスアイレス=阿久津篤史)

 ◆「原子力比率、引き下げる」 現地会見で首相

 安倍晋三首相は7日夜(日本時間8日午前)、ブエノスアイレスでTBSのテレビ番組に出演し、IOC総会で東京電力福島第一原発の汚染水漏れを解決できると説明したことについて、「自信があるからそう言った。海外の不安は払拭(ふっしょく)できた。だからこそ、日本が招致を勝ち得ることができた」と語った。

 これに先立ち、安倍首相は記者会見で、今後のエネルギー政策について、「責任あるエネルギー政策を構築していく。原子力の比率は引き下げ、今後3年程度で再生可能エネルギーの普及と省エネルギーの推進を最大限、加速させていく」と強調した。(ブエノスアイレス)

 ■立候補3都市の票の流れ
 1回目2回目3回目
東京 42 −− 60
イスタンブール 26 49 36
マドリード 26 45  
 (2回目は最下位を決める投票)
−−−−− ■残り1競技の投票結果
 レスリング49票
 野球・ソフトボール24票
 スカッシュ22票
  (IOC委員95人が投票し、1回目の
投票でレスリングが過半数を獲得)

 ■東京五輪で実施される全28競技
陸上 水泳 サッカー テニス ボート ホッケー ボクシング
バレーボール 体操 バスケットボール セーリング 重量挙げ ハンドボール 自転車
卓球 馬術 フェンシング 柔道 バドミントン 射撃 近代5種
カヌー アーチェリー トライアスロン テコンドー ゴルフ ラグビー(7人制) レスリング

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