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(ニュースがわからん!)火星への移住、本当にできるの?

10月4日付朝刊2ページ 2総合

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火星移住のおもな課題

 「片道切符(かたみちきっぷ)」で行けたとしても、大変なことばかりだね

 アウルさん  火星(かせい)に移住(いじゅう)する計画に、世界中から応募(おうぼ)があったそうね。

   オランダのNPO「マーズ・ワン財団(ざいだん)」が主催(しゅさい)する計画で、8月末に締(し)め切(き)り、20万2586人の応募があった。2015年までに40人程度に絞(しぼ)り込(こ)み、23年には最初の4人を火星に送るという。火星へは「片道切符(かたみちきっぷ)」で、参加者は地球に戻(もど)らず、そのまま火星で暮(く)らす構想(こうそう)だ。

  本当に実現(じつげん)できるのかしら?

  火星までの旅は最短でも8カ月ほどかかる。有人火星探査(ゆうじんかせいたんさ)は、米航空宇宙局(べいこうくううちゅうきょく)(NASA〈ナサ〉)などの構想もあるけど、往復(おうふく)に必要な大型ロケットや宇宙船の開発(かいはつ)が大きな課題(かだい)。今回の計画は片道にすることで、技術的(ぎじゅつてき)なハードルを下げているのが特徴(とくちょう)だ。これなら既存(きぞん)のロケットや宇宙船を改良(かいりょう)すれば実現できると、財団は説明している。

  それで困難(こんなん)はすべて解決(かいけつ)するの?

  不確実(ふかくじつ)なことばかりだ。宇宙空間は重力(じゅうりょく)が少ないので、長期間(ちょうきかん)いると骨粗鬆症(こつそしょうしょう)になりやすい。強い放射線(ほうしゃせん)の影響(えいきょう)でがんのリスクも高まる。モスクワの閉鎖施設(へいさしせつ)「火星500」で、欧州宇宙機関(おうしゅううちゅうきかん)(ESA〈イーサ〉)などが男性6人を520日間、隔離(かくり)した実験では、運動機能(うんどうきのう)や眠(ねむ)りの質(しつ)も落ちた。

  行くだけでも大変なのね。

  火星で暮らすには、食糧(しょくりょう)を現地で調達(ちょうたつ)する必要がある。水分や窒素(ちっそ)などがわずかにあるので、太陽光発電と組み合わせて、農作物を栽培(さいばい)することになるだろう。でも、地球との通信に最大約40分かかり、電子機器(でんしきき)が故障(こしょう)したり、病気になったりした場合も想定(そうてい)する必要がある。

  「新天地(しんてんち)」までの道のりは遠そうね。

  何よりも重要なのは、巨額(きょがく)の費用(ひよう)がかかること。各国は宇宙開発予算(よさん)を絞っており、社会的な合意(ごうい)を得(え)なければ、先には進めないだろう。(高山裕喜)

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