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やなせたかしさん死去 「アンパンマン」作者、94歳

10月16日付朝刊1ページ 1総合

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やなせたかしさん

 「アンパンマン」で知られる漫画家で絵本作家のやなせたかし(本名・柳瀬嵩)さんが13日午前3時8分、心不全のため、東京都内の病院で死去した。94歳だった。葬儀は近親者で営んだ。後日、偲(しの)ぶ会を開く予定。

 1919(大正8)年、東京生まれ。少年時代を高知県で過ごした。東京高等工芸学校(現・千葉大工学部)図案科を卒業後、召集され、中国で終戦を迎えた。高知新聞、三越宣伝部を経て53年独立。放送作家や作詞家としても活躍した。童謡「手のひらを太陽に」(61年)は長く歌い継がれる。73年に創刊した雑誌「詩とメルヘン」の編集長を30年続けた。

 「アンパンマン」は73年発表。ユニークなキャラクターが活躍する物語は国民的人気を呼び、絵本シリーズは累計6800万部。88年からテレビアニメ化され映画版と合わせ現在も続く。96年には高知県香美市に「アンパンマンミュージアム」が開館し、横浜や仙台、神戸などにも造られた。

 90年、「アンパンマン」で日本漫画家協会大賞、91年に勲四等瑞宝章を受けた。00〜12年に日本漫画家協会理事長、12年から会長を歴任。8月下旬に体調を崩して入院していた。



やなせたかしさん辞世の詩 先月、編集者に3編を託す

10月17日付朝刊37ページ 3社会

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編集前詩(上)天命(下)=かまくら春秋社提供

 13日に94歳で死去した漫画家で絵本作家のやなせたかしさんの遺作の詩を掲載した季刊誌「詩とファンタジー 24号」(かまくら春秋社)が19日、発売される。やなせさんは入院して闘病中だった9月、「遺言」のようにも読める詩3編を編集者に託していた。

 「一世紀近く 生きてきましたから もうおしまいです(中略)ぼくは 未熟の生まれ 死ぬ時も 未熟のままで かえって よかったような 気もします」

 同誌巻頭の「編集前詩」は、宙を舞う天使のイラストが添えられて掲載されている。

 「天命」と題した詩は「もはや 無駄な抵抗はせぬ ゼロの世界へ 消えていくでござる」とつづり、骸骨に向きあって悠々とした表情の老侍を描いた。

 同誌はやなせさんの責任編集で2007年創刊。生前に原稿を受け取ったかまくら春秋社の伊藤玄二郎代表は「死期を悟りつつ、それでも生きようという意志を感じた。喜びも悲しみも生きてこそ、という先生のメッセージを伝え続けたい」。同誌は引き続き発行するという。

 (上原佳久)


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