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(どうする体力低下 子どもとスポーツ第3部:1)便利な世、かけっこの敵

千葉県市川市立塩焼小学校・武藤 和彦

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 きっと今頃全国の小中学校では運動会(体育祭)やその練習の合間を縫いながら、『体力・運動能力調査(新体力テスト)』が実施されているだろう。調査の結果については、遠投力がない、支持力が下がった、柔軟性に欠けているというようなマイナス傾向ばかりが取り沙汰されている昨今である。

 体育の指導をしていてもこうした体力低下を痛感する。特に鉄棒、マット、跳び箱といういわゆる器械運動『三種の神器』での学習時の子どもたちは、鉄棒から落ちる、跳び箱に手をつけずに頭から落ちてしまうなど、マンツーマンで指導しないと骨折、捻挫、靱帯(じんたい)損傷といったケガがいつ起きても不思議でないのが現状である。生活様式の洋風化、外遊びの減少、全身いっぱいに動かす動作の少なさが要因と考えられる。

 道ばたで転倒した際、即座に手が出せず、顔面を強打してしまったと言う事象も聞いている。運動の日常化や、軽いものでもスポーツに慣れ親しむ環境の整備が強く望まれる。

 〔学習のポイント〕

 (1)あなたは逆上がりができますか? 記事では、小学校低学年に逆上がりの指導をする際に、子どもたちにみえた課題は「地面を蹴った直後に腕が伸びてしまう」「腕を曲げて鉄棒を引きつけられず、逆上がりにならない」という点だと書かれています。鉄棒で回転技をするときは、ひじを締め、腕を曲げて体を鉄棒に巻き付けるようにする姿勢が大事ですが、それができないのですね。

 指導していると、逆上がりのできない子は、一度も鉄棒を回転した経験がないので、回転することを非常に怖がります。また、鉄棒をつかむのではなく、親指を他の4本の指とそろえて鉄棒にかける子どももいて、滑り落ちる危険があります。

 逆上がりができる人は、どうやってできるようになったのか思い出してみましょう。できない人は、どうすればできるようになるか考えてみましょう。補助板を使う、自転車のチューブなどでブランコのようにして反動をつける、友だちの背中を借りる、友だちに足の先を回る方向にちょっと押してもらう、といった方法があります。

 (2)逆上がり以外で、子どもたちにみられる体の動かし方の傾向はどんなことでしょう。記事に出てくるような動きは、どうすれば、できるようになると思いますか。

 記事には「立ち幅跳びで腕を振らない」「スキップができない」「新しい動きをさせるとロボットのようにぎこちない」という例が出てきます。

 実際の授業でも、準備運動として、ジャンプしながら手を頭の上でたたき、次のジャンプでは両側に大きく広げる、という動作を繰り返しますが、ずっと手を上でたたいているなど交互の動きができない子どももいて、リズム感の乏しさを実感します。スキップができないのも同じ傾向でしょう。

 スキップができるようにするには、まず太鼓などのリズムでその場で1歩ずつもも上げするところから始めて、だんだんにできる友だちのまねをし、後をついていく、といった段階を踏むとうまくいくようです。

 立ち幅跳びをすると、手を後ろに組んだままで跳ぼうとする子どももいます。手を振ったときと振らないときで、どのくらい記録が違うのか、やってみて比べると、手を振る意味がよくわかるかもしれません。

 (3)体力低下の危機感は地方にもありました。徳島県の例をとって、考えてみましょう。どんな取り組みをしていますか。また、子ども達が継続するためにどんな手立てを講じましたか。

 記事には、「5.6年生に歩数計を配布し、歩く機会を増やしている」「歩数計以外に四国霊場巡礼の地図を配布した」ということが紹介されています。専用ホームページでは歩数が増えて札所に達すると、ご当地キャラを描いたカードがもらえるという、ゲーム感覚の仕組みもあるそうです。面白いですね。

 (4)運動能力や体力が向上すると思われるアイデアを自分たちで考えてみましょう。

 徳島や岩手の例を参考に、自分ならこうすればいいと思うというアイデアを、自由に考え、話し合ってみましょう。

 いろいろな方法があると思いますが、[1]ひとり一人が持っている時間をどう有益に使うか。室内で無言になってTVゲームやPCで遊ぶばかりではいっこうに向上しないだろう[2]お風呂掃除やふとんの上げ下ろしのようなお手伝いを通して体を動かすこともよいのではないか[3]自転車を移動手段とせず、徒歩で目的地まで向かう[4]最終的には適度な睡眠・遊び・食事のバランスが取れていることが大事、といったことが考えられるでしょう。

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