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しっとり、梅雨の花 鎌倉でアジサイ見ごろ

慶応義塾大学大学院メディアデザイン研究科(元公立中学教員)・有馬 進一

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 この記事で紹介されている神奈川県鎌倉市の成就院へ行くには、江ノ電(江ノ島電鉄)の極楽寺駅を降り、ゆっくり歩いても5分ほどです。眼下に広がる海の青にアジサイのブルーやピンク系の色合いがとてもよくはえて、なかなか風情のある光景を楽しめます。鎌倉市内には、由緒ある禅宗の寺院も多くあり、雨に濡れたアジサイは、「もののふ」の文化を色彩で演出してくれているようにも感じます。

 先日、世界文化遺産への登録申請を取り下げた鎌倉ですが、この時期は、アジサイを楽しみに訪れる人々も多く、色とりどりの花が出迎えてくれます。窓越しに見るわが家のアジサイも、日に日に色を増してきています。皆さんの住む町のアジサイもきっと見ごろを迎えていることでしょう。

 学習のポイント

 (1)アジサイの語源を調べてみましょう。

 古くは万葉集にアジサイを取り上げた2種の歌があります。ですから、奈良時代から約1300年余りの時を超えて親しまれてきた花であることがわかります。平安時代中期に作られた辞書には「紫陽花」として記されています。今の時代の風景にもすっかり溶け込み、色合いの変化を楽しめる花は、繊細な色彩感覚を持つ日本人の感性に近い花とも言えそうです。

 (2)アジサイにはどのような種類があるのでしょう。

 今の時期、山道を歩いていると、木の幹や枝に絡みついて白い花を咲かせる「ツルアジサイ」が目に止まります。また、沢沿いには、つぼみが丸く見た目もかわいい「タマアジサイ」を見かけることもあります。

 アジサイは園芸品種が数多く生み出されていて、様々な形や色のものがありますから、園芸店に立ち寄ってみてはどうでしょう。また、植物図鑑などを活用してどのような品種があるのか調べてみるのもよいでしょう。花びらだと思っていたものがガクだったりして、意外な気づきがあると思います。

 (3)アジサイの色はなぜ変化するのでしょう。

 アジサイは、「七変化」や「七色花」という名でも呼ばれることがあります。品種によって様々な色があり、また咲き始めから少しずつ変化する特徴もあります。同じ品種でも咲いている場所によって色の違いが出てきます。色の変化のメカニズムは、解明できていないこともあって一概には言えませんが、土の性質による影響が大きいと言われています。

 「酸性」か「アルカリ性」の違い。「窒素」が多いか少ないか。「カリ」が多いか少ないかなどが主な要因となっているようです。その組み合わせも考えると、さらに複雑になってきます。微妙な色の違いがどのように現れてくるのか、調べてみましょう。

 (4)アジサイの散策コースを絵地図に書いてみましょう。

 一つ一つの花は小さくて控えめでも、たくさん集まると実に個性豊かで自己主張の強い花になります。皆さんの町で見かけるアジサイを調べ、「アジサイの小道」「アジサイの散歩道」「アジサイの観察路」などのタイトルで、絵地図にまとめてみましょう。

 公園などはもちろんですが、道路から見えるよそのお宅の庭先のアジサイも書き加えさせてもらいましょう(美しく咲いたアジサイを「見るな」というような人は、そもそもアジサイを育てることもしないでしょうから……)。

 発展学習

 「日本の伝統色」とアジサイの色の関係を調べてみてはどうでしょう。色見本があれば、実際に見比べてみることをおすすめします。見本がなくても、伝統色のWebサイトがありますから、スマートホンやタブレットを片手に調べることも可能です。写真を撮ってきて、後で色を確認する方法も試してみてはどうでしょう。ちょっと気が早いようですが、夏休みの自由研究をスタートさせてもいいでしょう。

 (参考)

 『すぐわかる 日本の伝統色 改訂版』福田邦夫(東京美術)
 『日本の伝統色』企画・編集:濱田信義(パイインターナショナル)

 日本の伝統色 NIHON NO DENTOSYOKU
 http://www.kyoto2001.com/kyoshiki/tenji/0040310/z-2001hp/tenji-nihonnodentosyoku.htm

 Traditional Colors of Japan
 http://2xup.org/repos/

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