現在位置:
朝日新聞社インフォメーション >
NIE 教育に新聞を >
この記事を手がかりに >
記事

(地球異変)枯れ葉剤、今も

大阪市立昭和中学校・植田 恭子

印刷

 心に残る一枚の写真があります。「愛らしい口元、人懐っこいまなざしの少女」は、タムちゃん、6歳。写真が撮られたのは1995年でした。彼女は「腕は生まれながらに細くて短く、指の数も少ない」のです。枯れ葉剤の影響によるものでした。写真家の大石芳野さんが撮影されました。(1996年7月21日 朝日新聞朝刊)タムちゃんのように「枯れ葉剤」による影響を受けている人はたくさんいます。今回は「枯れ葉剤、今も」というシリーズ記事を手がかりに、枯れ葉剤が残した「今」について考えていきましょう。

 (1)ベトナム戦争とは

 あなたはベトナムと聞いて何を思い浮かべますか。「生春巻き」「フォー」などの食べ物でしょうか。実際に観光で訪れたことがあるという方もいるかもしれません。真っ先に「ベトナム戦争」を想起するというのは、ある一定の年齢以上の方ですね。

 ベトナム戦争の終結を決めたパリ協定から40年が経ちました。歴史の授業で学んだという世代が増えているのも現実です。だからこそ、どのような戦争で、何が起こり、どのような影響が今もあるのか。たくさんの資料がありますので調べ、歴史的事実を知ることから始めましょう。

 また、この「枯れ葉剤、今も」のシリーズに登場する石川文洋さんをはじめ多くの報道写真家により、ベトナム戦争の現場、現実が伝えられてきました。写し取られた写真を読み解き、考えていきましょう。

 (2)枯れ葉剤とは

 枯れ葉剤とは除草剤の一種です。どのようなものかを調べてみましょう。ベトナム戦争と「枯れ葉剤」との関連についても調べましょう。

 ベトナム戦争の「枯れ葉作戦」とはどのようなものだったのでしょうか。どのような目的で散布されたのでしょうか。そして、どのような影響があったのでしょうか。今、現在はどうなのでしょうか。

 今回のシリーズ記事を読むと、ベトナム戦争当時と「今」とがつながっていることがよくわかります。「枯れ葉剤」の影響を記事から読み取りましょう。また、写真ルポ『戦場の枯れ葉剤』(中村悟郎、岩波書店)などを読んで考えましょう。

 (3)ダイオキシンとは

 環境省のページには「ダイオキシン類対策」のことが出ています。日本では、1999年3月にダイオキシン類対策関係閣僚会議により策定されたダイオキシン対策推進基本指針と、同年7月に議員立法により成立したダイオキシン類対策特別措置法の二つを柱に、廃棄物焼却施設等から排出されるダイオキシン類による汚染に対しての対策がなされているようです。どのような対策がなされているかを調べましょう。

 ダイオキシンは人体にどのような影響を及ぼすのでしょうか。カネミ油症事件など、ダイオキシンによる汚染についても調べましょう。

 (4)地球の汚染

 記事の中に、ユニセフの「世界子ども白書2013」に、枯れ葉剤の被害を受けた子どもは推計で約3万人という指摘がある、と書かれています。遺伝子への作用が指摘されているダイオキシンだけでなく、人体に影響を及ぼす有害物質はたくさんあります。

 ベトナム戦争が終わってから30年以上が経過しても枯れ葉剤によって汚染された「ホットスポット」が存在しました。そして、その影響が疑われ、母に抱えられたままでないと眠ることができないトゥー君が懸命に生きています。真正面は見えていない彼の写真を見て、何を思い、どんなことを考えますか。汚染被害は終わらないのです。地球上のさまざまな汚染について調べ、その対策について考えましょう。

バックナンバー

過去記事一覧

NIE 教育に新聞を

 新聞、ニュースを調べ学習や自由研究に役立てるページです。ご感想・お問い合わせなどは、NIE事務局(ファクス03・5540・7469)まで。