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欧州生まれの日の丸車両 日立、英の鉄道866両受注

信州大学教授・小山 茂喜

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 蒸気機関車による鉄道の開業は1825年のイギリスが世界初。日本で鉄道が開業したのは1872年で、その時の車両はすべてイギリス製。そんな鉄道の母国であるイギリスで日本企業の鉄道車両が走るという歴史を感じさせる記事です。

 また、鉄道は走る地域の風土に合わせて、車両やシステムなどが決まってくるという特性があるので、見出しの「欧州生まれ」にも、いろいろな意味がかくされています。

 今回の記事をきっかけに、鉄道について、くわしく調べてみるのも楽しいと思います。

1.学習のポイント

(1)イギリスの鉄道について調べてみよう

 まずは、地図帳を開いてイギリスを確認して、主な鉄道がどこを走っているか見てみましょう。そして、インターネットなどで、イギリスの鉄道について、くわしく調べてみましょう。

(2)「欧州生まれ」の意味を考えよう

 日本企業が受注した鉄道車利用ですが、日本で生産するのではなくイギリスで生産する理由を考えてみましょう。また、部品も複数の国から調達しているわけについても考えてみましょう。EUとの関係も、合わせて考えてみるといいですね。

(3)鉄道の役割について考えてみよう

 ヨーロッパを含めて、一時、鉄道は使命が終わったと衰退の一途をたどっていました。しかし、日本の新幹線の成功によって、高速鉄道としてのメリットが語られるようになり、最近では世界各国で高速鉄道建設の話題があります。今回の鉄道車両も、高速鉄道用のものです。一方で鉄道は旅客輸送だけではなく、貨物輸送もあります。日本も含めて、これからの、鉄道の役割について考えてみましょう。

(4)世界の鉄道技術について調べてみよう

 鉄道は事業規模が大きいので、鉄道技術の進んだ国々は、国家プロジェクトとして、新たな鉄道事業を計画している国に自国の鉄道技術を売り込もうと必死です。日本以外の国の鉄道技術について調べて、導入されている国なども含めて比較してみましょう。

 日本の鉄道技術は、どの国で採用されているかも調べてみましょう。

2.発展学習として

 鉄道技術は、鉄道が走る環境(風土)に合わせて開発されます。そのため、一律にどこの国の技術が進んでいるとはいえない部分もあります。たとえば、日本で初めて鉄道が建設された時、当初はイギリスの鉄道と同じ仕様で枕木は鉄製の予定でしたが、イギリスから来ていた技術者が日本は木が豊富なのだから鉄の必要はない、と木の仕様に変更しています。

 騒音対策についても、日本は住宅密集地を鉄道が走るので、厳しい基準が要求されますが、ヨーロッパのような田園地帯を主に走る場合は、ほとんど必要ないということになります。

 外国と比べて、日本の鉄道で必要な技術には、どのようなものがあるかも調べて、海外の鉄道と比較してみるのも、単に技術の問題にとどまらず、その国の文化とも関係してくるのでおもしろいと思います。

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