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ネット依存、中高生52万人 「睡眠の質が悪い」59% 厚労省研究班推計

慶応義塾大学大学院メディアデザイン研究科(元公立中学教員)・有馬 進一

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 52万人もの中高生がネット依存の疑いがあるとは……。生まれたときからデジタル機器に慣れ親しんできた「デジタルネイティブ」世代のネットとのつきあい方が、ここへきて改めて問われることになりそうです。

 今日では様々なモノがネットにつながり、インターネットと無縁の生活をすることは困難な状況になっています。しかし、ネット依存度が強すぎることで、「日常生活や健康にも影響」が現れ、「睡眠の質が悪い」人がネット依存のない人の2倍近く、「午前中に調子が悪い」人が3倍近く、と割合が高くなることが、今回の調査で浮き彫りになりました。

 利便性や楽しさばかりを追求することで、病的なネット依存症になってしまっては本末転倒です。ネットの上手な利用法を身につけて、情報化社会に生きる賢いネットユーザーになるためには、どのような点に注意したらよいのか考えてみましょう。

 ●学習のポイント

 (1)「ネット依存の危険度がわかる質問項目」に答えてみましょう。

 記事といっしょに掲載された表にある質問で、「8項目のうち、5項目以上に当てはまると、ネット依存の疑い」がある、とされています。Yes / Noの二者択一の判断は難しいかもしれませんが、素直な気持ちで答えてみましょう。とは言っても、久里浜医療センターの樋口進院長が、「本人は病気の認識がないのがほとんど」と話しているように、認識の甘さもあったりして、自分自身を冷静に見つめることは難しいかもしれません。さて、結果はいかに。

 (2)「インターネット依存度テスト(IAT)」をしてみましょう。

 自分がネット依存に当てはまるかどうか、より詳しいテストをしてみましょう。

 記事の中に出てくるネット依存の専門外来のある久里浜医療センターのサイトの中に「ネット依存のスクリーニングテスト」というページがあり、「インターネット依存度テスト(IAT)」が載っています。
 http://www.kurihama-med.jp/tiar/tiar_07.html

 一つひとつの項目をクリックしていくと、結果が集計されて、みなさんのネット依存度が示されます。このテストは、得点が高いほど依存の度合いが強いことになります。

 結果は冷静に受け止めましょう。特に【70〜100点】は、「インターネットがあなたの生活に重大な問題をもたらしています。すぐに治療の必要があるでしょう」との判定ですから、お家の人や養護の先生などに相談してみることをお勧めします。ちなみに、私は31点で、「平均的なオンライン・ユーザー」との判定結果でした。

 (3)「ネット依存の問題点」を、箇条書きにまとめてみましょう。

 (1)「ネット依存の危険度がわかる質問項目」や(2)「インターネット依存度テスト(IAT)」の設問の文中に、ネット依存の問題点が隠れています。記事の中にもネット依存の問題点が記されていますから、注意深く読んで書き出してみましょう。

 (参考)「インターネット嗜癖(依存)について」
 http://www.kurihama-med.jp/tiar/tiar_01.html

 ネット依存というとても身近なテーマですが、医学的な要素が多く含まれています。専門的なことがらをわかりやすく解説した本がまだまだ少ないようですので、記事にも登場する樋口進先生監修の下記の本をお勧めします。イラストをふんだんに用いたわかりやすい内容になっています。

 健康ライブラリー イラスト版『ネット依存症のことがよくわかる本』(講談社)
 監修・樋口進

 (4)健全なネットユーザーであるためには、どのような点に注意すべきでしょう。

 特に、パソコンを使い複数で遊ぶオンラインゲームのヘビーユーザー関連の相談が多いようです。引きこもって何時間もゲームにのめりこんでしまうことで、問題が深刻化しやすい面がありそうです。また、急速に広まりつつあるスマートフォンを利用したソーシャルゲームも要注意です。最近では常時オンラインでつながり、すぐに返信が求められるLINEなどのSNSの問題も指摘されています。

 デジタルネイティブのみなさんには、オフラインの現実世界の心地良さやリアルな体験の楽しさがわかるライフスタイルを、ぜひ身につけて欲しいと願っています。

 (参考)「オンラインゲームについて」
 http://www.kurihama-med.jp/tiar/tiar_04.html

 ●発展学習

 ネット依存を診療する病院は、全国的にもまだまだ少ないようです。身近にある医療機関を調べてみましょう。実際に受診するには、どのような手続きが必要になるのでしょう。そして、どのような治療がなされるのでしょうか。

 (参考)「ネット依存治療部門(TIAR)」
 http://www.kurihama-med.jp/tiar/index.html

 韓国はネット依存問題が深刻ですが、どのような状況なのでしょう。そして、どのような取り組みが行われているのでしょう。

 (参考)「韓国レスキュースクール見学報告」
 http://www.kurihama-med.jp/tiar/tiar_10.html

      ◇      ◇

 ※参考のURLは、いずれも久里浜医療センターのページです。

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