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(天声人語)若い世代の手紙離れ

大阪市立昭和中学校・植田 恭子

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 電子媒体を使ったコミュニケーションが広がる中、手紙やはがきを手書きする人が減少していることが、2012年度の「国語に関する世論調査」で裏付けられました。昨年の全国学力調査でも、はがきの宛名を書く問題の正答率が74%だったのもうなずけますね。

 今回は「手紙」に関する天声人語を手がかりに、考えていきましょう。

 (1)「ふみ」

 「ふみ」はさまざまな場面で歌に詠まれてきました。「大江山 いく野の道の 遠ければ まだふみも見ず 天の橋立」の「行く野」と「生野」、「踏み」と「文」の掛詞の小式部内侍の歌は有名ですね。「ふみ」を詠んだ歌について調べ、どのような思いかを想像してみましょう。

 谷川俊太郎の「手紙」(『手紙』集英社)という詩の一節です。「手紙でしか言えないことがある」。直接、面と向かって言えないことも、電話でも伝えられないことが、手紙なら言えるという経験をしたことはありませんか。「人間のあらゆる喜怒哀楽を媒介」してきた「手紙」を扱った作品について調べてみましょう。

 (2)文房具

 身近でありながら、使う者の心をときめかせる文房具について、『文房具56話』(ちくま文庫)で串田孫一 は、封筒や便箋について述べています。

 身のまわりの文房具を調べてみましょう。さまざまな文房具の歴史についても調べてみましょう。文房具は進化を遂げています。万年筆、鉛筆、ボールペン、シャープペンの種類も豊富ですね。

 あなたのお気に入りの筆記具は何ですか。

 (3)デジタルとアナログを比べる

 手紙は手書きすべきだと考える人が、10〜30代で大幅に増加している結果が、今年度の「国語に関する世論調査」で出ました。文化庁は、「デジタルに馴染んでいる世代では『手紙は手書きする特別なもの』という意識が出てきているのでは」と分析しています。

 「肉筆でつづる手紙には、電子時代にも失せない存在感と役割」があると書かれていますが、あなたはどう思いますか。存在感、役割、受け取った時の印象などについて、アナログ、手書きの手紙とデジタル、電子メールとを比べてみましょう。

 (4)手書きの「ふみ」

 美しい文字で書かれた手紙を受け取ると、心も豊かになりますね。前述の串田孫一も次のように述べています。「手紙の書き方はいろいろの意味で物をいうし、その時使っている便箋によっても、受け取った方の気持ちは左右される」。

 『「手書き」の力』(PHPビジネス新書)では、和田茂夫が、「手書きには、それだけで一つの『力』がある」と力説しています。

 便箋、封筒、さまざまな切手、トータルで受け手に情報を伝えるわけですね。 空はいわし雲、秋の風が吹いてきました。あなたが見つけた秋を届けませんか。相手を見舞い、近況を伝える言葉とともに。「秋空に飛来する雁」の使いを送りましょう。

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