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新聞協会報告会「国民読書年を前に 学校と新聞はいま」

新聞協会報告会「国民読書年を前に 学校と新聞はいま」

講演する村山正子さん(右端) 講演する枝元一三さん 報告会の会場を埋めた参加者

 日本新聞協会は12月9日、東京・内幸町の日本プレスセンターで「国民読書年を前に 学校と新聞はいま」と題して報告会を開き、学校図書館での新聞配置状況に関するアンケート結果を発表した。アンケートは(財)新聞教育文化財団(財団)が実施するNIE推進事業の今年度の実践指定校536校に発送、400校から有効回答を得た。

 教諭やボランティアを除く学校図書館司書の有無では、回答校の平均は文科省調査の全国平均より8ポイント高い51%だったが、小43.1%、中43.3%、高校71.4%と小中の司書の少なさは全国的な傾向と共通している。

 新聞の入手、配置状況は、小中とも9割前後が、中高一貫校を含む高校では全校が独自に新聞を購読している。小学校では1紙のみが多く、高校ではほとんどが複数紙を購読している。新聞は小中では職員室に置かれているところが多く、高校では職員室より図書館が多い。NIE新聞提供事業で入手した新聞については、小中では学級や多目的スペース、廊下に置く学校の割合が増え、高校でも図書館以外に置く学校がある。

 図書館に新聞を置いている学校は小中で35%、38%、中高一貫校を含む高校では86%だったが、その多くは独自購読分。小学校では、司書がいても図書館に新聞を置いていない学校の方が多く、司書のいない学校では新聞を配置していない学校が配置している学校の2倍だった。中学校では、司書がいる学校の新聞配置率は56%とやや高く、いない学校の配置率は24%と低い。中高一貫校を含む高校では、司書がいる学校のほとんどで新聞を配置、司書がいない学校でも新聞配置の傾向は高い。

 今後の配置については、NIEの新聞提供事業終了後の予算措置がなくなることに不安を訴える声が小中高で11、14、28件寄せられ、「提供終了後も購読したいが予算が厳しい」「新聞購読は公費で予算化されていないので、PTA費で購入している」「図書費とは別の消耗品費から出している」などの回答があった。

 報告の後、財団NIEアドバイザーで相模原市立鵜野森中学校司書教諭の村山正子さんが「学校図書館現場から」と題して、財団NIEコーディネーターの枝元一三さんが「NIEの現状と課題」と題して講演した。

 村山さんは学校図書館の現状を報告、学校に複数紙を購読する予算がなく、教諭や司書が自宅から新聞を持ってきて図書館に配置している体験などを紹介、図書館で学習のアドバイスをしてくれる司書や司書教諭の重要性を強調した。

 枝元さんはNIEの現状と課題を解説、学習指導要領改定で言語活動の充実がうたわれ、小中の国語や社会の学習指導内容に「新聞」が取り上げられているが、実際に教科書や教員向けのガイドにどう書かれるか、教員がどう実施するかが問題だと指摘した。また、NIE活動を進めている教育界や新聞社側に対しても、NIEを広げるためのいっそうの努力と、地方紙など、より多くの新聞社が参加しやすいシステムの構築を呼びかけた。

(NIE事務局 山口百希)