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奈良で全国高校NIE研究会第8回研究発表全国大会開催

奈良で全国高校NIE研究会第8回研究発表全国大会開催

記念講演する西山厚奈良国立博物館学芸部長 参加者が見守るなか公開授業をする吉田隆教諭(左)と3年生の生徒たち 研究発表「生徒が語るNIE」に参加した川口慎二教諭(左端)、二田貴広教諭(右端)と生徒たち

 高校でNIE(教育に新聞を)活動に取り組む教師らが集まる全国高校NIE研究会の第8回研究発表全国大会が3月27、28の両日、奈良市東紀寺町1丁目の奈良女子大付属中等教育学校で開かれた。全国大会が東京以外で開かれるのは初めてで、約100人の教師らが発表に耳を傾けた。

 大会初日には同校の3年生有志25人による公開授業があり、沖縄の普天間基地移設問題について、事前につくった意見書を読み上げた。

 生徒たちは「沖縄を守る米軍が、逆に事故や犯罪を起こしている。国外に出ていくべきだ」「沖縄以外の都道府県は、みんな冷たい。いじめを見て見ぬふりするのと一緒だ」などと発表した。

 しかし、インターネットだけを参考に意見書を作っていた生徒が目立ったのが、気になるところ。担当した吉田隆教諭は「新聞など様々な資料や他人の意見にふれ、考えを深める努力をして欲しい」と話した。

 このほか、奈良国立博物館の西山厚学芸部長による記念講演や、討論などもあった。

 2日目は、3会場に分かれて研究発表、全体での研究発表、情報交換、枝元一三日本新聞教育文化財団NIEコーディネーターの講演などがあった。

 個別の研究発表では、馬場秀司朝日新聞奈良総局長が「NIE事務局の設置は発展の鍵/奈良県の試み」と題して講演をおこなった。県NIE推進協議会に加盟する各新聞社が持ち回りで事務局を担当する方式を改め、教育界から元小学校校長の福田昭彦さんを事務局長に迎え、県立図書情報館内に事務局のスペースを借りて、今回の全国大会にも備えた取り組みを報告した。教育界、新聞界、行政の協力は、教育の一環であるNIEの発展に欠かせないと訴えた。

 全体研究発表では、奈良女子大学附属中等教育学校の二田貴広、川口慎二両教諭と生徒11人が、「生徒が語るNIE」という題で同校のNIEへの取り組みについて報告した。生徒たちはサイエンス研究会に所属、一部は前日の公開授業に引き続いての参加だ。川口教諭は数学科の先生。「新聞にひそむ数学」という小単元を設けたり、「探求数学」で新聞記事の内容が正しくデータの傾向を反映しているかを討議したりする取り組みを報告、二田教諭は中学2年時に担当した「情報と表現」の内容について説明した。

 生徒たちはひとりずつ、所属するサイエンス研究会での活動を紹介。新聞を活用した授業の感想では、「最初の頃は、また新聞かと思った」「明朝体を見ると拒否反応を起こしたが、今は明朝体でプリントする」などと話していた。将来新聞を買うかという会場からの質問には、6人が買う、2人が買わないと答え、後は「技術の進歩による」「英字紙を買う」「お金に余裕があれば買う」などと答えた。また前日の公開授業について会場から、「生徒同士のディベートをやってもよかった」「県内在住の沖縄県出身者や米国人を招いて、普天間基地移転問題について話を聞いては」などの意見が出された。

 「高校NIEへの提言」と題した講演では、枝元コーディネーターが、NIEを推進するためには校内で理解と協力を得る必要があること、また教科研究会などで実践例を報告して、校外にも賛同者を広げる必要があることなどを強調した。