新聞の教育活用、先生向けの講座終わる

 「先生のための新聞講座―新聞から未来を読み取る」(朝日新聞社主催)の第4回が8月8日、東京・築地の朝日新聞東京本社読書ホールで開かれた。6月27日から始まった4回シリーズの最終回。教育の場で新聞を活用するNIE活動の一環だ。4回あわせて164人が出席、活発な質疑が行われた。

 各回とも専門記者による記者講演と現場の教諭による実践発表の形式で進められた。

 第1回の講座では、東京学芸大付属国際中等教育学校の教諭・古家正暢さんと同校の司書・渡辺有理子さんが、新聞を図書館に配置する環境整備から始めて学習新聞づくりまで進めた実践を紹介。朝日新聞の坂本弘子・教育事業センター長は「新聞が育てる読む力、考える力―生きるための基礎づくり」と題して新聞の活用法を話し、小学生でも楽しめる、当日の新聞記事を使ったクイズの出題例も紹介した。

 第2回では、日光市立栗山小学校の芳賀智一教諭が、過疎地の小学校による全校ぐるみのNIE活動を、同僚教諭のビデオメッセージも交えつつ報告。朝日新聞の速水徹論説委員はバンクーバーオリンピックでの中韓両国の躍進を分析、日本のスポーツ界の将来性を展望した。第3回では、都立青山高校の本杉宏志教諭が「新聞を読めるカッコイイ高校生の育成」をテーマに発表(=写真)、教え子で現在明治大学政経学部3年の五十嵐裕太さんも参加し、新聞を読むようになって、見えてくる世界が変わったことを強調した。 朝日新聞の薬師寺克行編集委員は、参院選の結果を踏まえて秋以降の政治動向を分析するとともに、近年、政策への比重が高まってきた日本の政治報道の特徴を解説した。第4回では、東京都東久留米市立中央中学校の多久知明副校長が、紙の持つ重要性と脳の関係などに触れながら、「新聞と理科事情」について講演。朝日新聞の山脇岳志GLOBE編集長は、日本経済の再生をテーマに、国家財政が破綻したギリシャから得るべき教訓について指摘した。

 出席した先生方からは「新聞の活用法が参考になった」といった声が多数寄せられており、朝日新聞NIE事務局は、2011年もほぼ同じ時期に講座を開催する予定。