辞書引きゲームで語彙力

児童の発表に手をたたいてほめる菊池先生=さいたま市見沼区の市立東宮下小学校

 国語力向上研究発表会が、さいたま市見沼区の市立東宮下小学校(原田守康校長)であった。国語の辞書をゲーム形式で使い、言葉に興味を持たせ、身近なところから表現力を育てているのが印象的だった。

 発表は2月10日。2年1組(菊池健一教諭)と4年1組(堂脇一修教諭)の2クラスが公開された。単元は2年生が「スーホの白い馬」、4年生は「ウナギのなぞを追って」。それぞれ文の内容を友人に紹介するというものだ。

 2年生ではこの単元に入ると同時に、モンゴルや馬頭琴に関係する新聞記事をスクラップさせた。4年生でもウナギの卵についての最新の記事「ウナギの卵見つけた 世界初マリアナ沖で」を授業で紹介していた。授業への関心を高めるためだ。

 2年生で授業が始まる前の10分間を利用してやっていたのが、辞書引きゲーム。国語辞書を引くことは通常なら3年生で習うことだ。それが、菊池先生が自分の辞書を取り出すと、児童もみな当たり前のようにかばんから取り出す。しかも、どの辞書も付箋(ふせん)で膨れ上がっている。

 児童が教室にある物の名称を読み上げる。「黒板!」。みんな競争して辞書を調べる。「あった!」「398ページ!」。見つけると付箋にこれまで引いた言葉の通算数をナンバリングして貼る。先生に指名された児童が、教室にある別の物を読み上げる。同じ作業を何回か繰り返す。なかには3000語も貼った子も。付箋が一杯で、新しい辞書を購入したそうだ。菊池先生は、「辞書引きは自然に語彙(ごい)力がついてくる。来年度はぜひ新聞に載っている言葉を探させたい」と語る。

 「スーホ」の授業では、ワークシートに物語の紹介文を書き込む。これを友だちと3人組みで読み合い、ほめてもらったことなども記入する。その上で表現や漢字を言い換えていく。なぜ換えたかを発表し、いい表現があると必ず先生がフォローする。たとえば「思い出した」を「いっぱい思い出した」に、「うれしいきもち」を「ほかほかしたきもち」にという具合。より具体的に様子がわかる。語彙力を増やす辞書引き活動がここでも生きている。

 最後に何人かの児童が自分の出来栄えを評価し、感想を言う。次の授業で紹介文を完成させ、参観日に保護者の前で発表する計画だ。

 続く全体会では原田校長が、自分の思いを自分の言葉で表現できる子の育成を目指した研究テーマについて説明があった。さらに、「力がついてきたが、研究はなお途中であり、確かなものにしていきたい」と決意を述べた。各学年に分かれた分科会にも、それぞれ約20人の先生が参加、活発な議論が続いた。