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複写用紙は、なぜ写る?

群馬県・加藤康平(かとうこうへい)さん(高3)からの質問(朝日新聞社発行 2013年11月09日付be)

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 ◇ののちゃん お手伝(てつだ)いで宅配便(たくはいびん)を出したんだけど、あの宛先(あてさき)を書く紙ってフシギ。上の紙に書くと下の紙にも写(うつ)るでしょ。書く前に上の紙をめくって見ても、その裏(うら)にもどこにも色がないのに。

 ◆藤原先生 複写(ふくしゃ)用紙ね。伝票(でんぴょう)や申(もう)し込(こ)み書類(しょるい)などによく使われているよね。上の紙の裏を黒や青に塗(ぬ)ってあるタイプも見たことあるかな?

 ◇のの あるある。そういうのは、上から書くと裏の色が下の紙につくんだろうなって分(わ)かるんだけどね。

 ◆先生 裏に色素(しきそ)を塗っておく方式は昔からあるけど、書いた跡(あと)だけじゃなく、紙をこすったり押(お)さえたりしたよけいな所にも、簡単(かんたん)に色素がついてしまうの。指にも色素がついて汚(よご)れるし。だから今は前ほどは使われてないよ。

 ◇のの 実は、宅配便のよぶんな用紙で実験(じっけん)してみたの。上の紙と下の紙の間に普通(ふつう)の紙をはさんで、上から書いてみたら、なんと、普通の紙にも下の紙にも何も写らなかった!

 ◆先生 よく調(しら)べたわねえ。

 ◇のの つまり、色を出す仕組(しく)みは、上の紙だけにあるのでもなく、下の紙だけでもなく、両方(りょうほう)合わさらないと色が出ないんだね。

 ◆先生 当たり! 上の紙の裏面(うらめん)には、目に見えない小さなプラスチックのカプセルに、色が出る一歩手前の色素を包(つつ)み、びっしりつけてあるのよ。そして下の紙の表(おもて)面には、色素を仕上(しあ)げる成分を塗(ぬ)ってあるの。

 ◇のの それを上下に重(かさ)ねて上から書くと?

 ◆先生 ペン先の力でカプセルがつぶれ、未完成だった色素が下の紙の成分に触(ふ)れて反応(はんのう)し、完成するので色が出るのよ。

 ◇◇のの そういうわけで、書く前はどこにも色が見えないし、下の紙のよけいな所に色がつきにくく、指も汚れないんだね。

 ◆先生 それに、軽(かる)くこすれた程度(ていど)ではカプセルがこわれないように、カプセルの大きさをよくそろえてあるのよ。もしサイズがまちまちだったら、おみこしを担(かつ)ぐときの背(せ)の高い人と同じで、大きいカプセルに力が集中してしまい、少しのことでこわれやすいでしょ。

 ◇のの なるほど。

 ◆先生 さらに、カプセルより数倍(すうばい)大きなでんぷんの粒(つぶ)をまぜてあるのよ。この粒が逆(ぎゃく)に「背の高い人」の役目をして、ちょっとのことでカプセルがこわれてしまうのを防(ふせ)ぐの。

 ◇のの でも、家にあった宅配便の用紙は、2枚目より下は裏が黒く塗られた紙が重なってたよ。どうしてかな?

 ◆先生 一番上はお客さんに渡(わた)すので汚れがつかないタイプを使い、それより下は、何枚(なんまい)か重なった下まで濃(こ)く複写したいからだそうよ。

(取材協力=富士フイルムビジネスサプライの満尾博文・取締役執行役員、富士フイルムの松本孝之・技術マネージャー、ヤマト運輸、構成・武居克明)

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