現在位置:
朝日新聞社インフォメーション >
NIE 教育に新聞を >
ののちゃんのDO科学 >
記事

なぜ声変わりするの?

■東京都・村田千賀子(むらたちかこ)さん(44)からの質問(朝日新聞社発行 2013年11月16日付be)

印刷

拡大クリックすると拡大します

 ◇ののちゃん この間(あいだ)、親戚(しんせき)のお兄(にい)ちゃんに会(あ)った時、声(こえ)が低(ひく)くなっていてびっくりしたよ。

 ◆藤原先生 声変(こえが)わりのことね。のどの辺(あた)りを触(さわ)るとゴリゴリしているところがあるでしょ。それが喉仏(のどぼとけ)。男(おとこ)の子(こ)は小学校高学年(しょうがっこうこうがくねん)くらいから喉仏(のどぼとけ)が前(まえ)に出て声(こえ)が低(ひく)くなるのよ。

 ◇のの なんでかな?

 ◆先生 声(こえ)が出(で)る仕組(しく)みから話(はな)しましょうか。喉仏(のどぼとけ)の後(うし)ろには肺(はい)につながる空気(くうき)が通(とお)る気(き)管(かん)があって、気管(きかん)の入り口辺(あた)りに声帯(せいたい)というひだがあるの。肺(はい)から出(で)た空気(くうき)がひだにぶつかると、1秒間(びょうかん)に200回(かい)もの早(はや)さで声帯(せいたい)が震(ふる)えて声が生(う)まれるのよ。

 ◇のの 200回(かい)も!

 ◆先生 この声帯(せいたい)の長(なが)さが声(こえ)の低(ひく)さと関係(かんけい)するの。「アンドロゲン」というホルモンの働(はたら)きで、男(おとこ)の子(こ)は体毛(たいもう)が濃(こ)くなったり、筋肉(きんにく)がついたりして大人(おとな)の男性(だんせい)の体(からだ)へと変(か)わるのだけど、その際(さい)、喉仏(のどぼとけ)も前(まえ)に突(つ)き出(で)てくるのよ。喉仏(のどぼとけ)に引(ひ)っ張(ぱ)られて声帯(せいたい)も長(なが)く伸(の)びて、音(おと)の高(たか)さが下(さ)がるのよ。声変(こえが)わりの前(まえ)と後(あと)では、約(やく)1オクターブも違(ちが)うんだって。

 ◇のの 何(なん)のため声変(こえが)わりするの。

 ◆先生 動物(どうぶつ)でいえば、雄同士(おすどうし)で争(あらそ)ったりする時(とき)のアピール材料(ざいりょう)と考(かんが)えられているわ。男性(だんせい)に男性の声(こえ)を聞(き)かせた実験(じっけん)では、低(ひく)い声(こえ)の持(も)ち主(ぬし)の方(ほう)が「大(おお)きくて強(つよ)い」という印象(いんしょう)を持(も)たれやすかったそうよ。また、雌(めす)の気(き)を引(ひ)いてモテるためとも言われているわ。クジャクだと美(うつく)しい羽(はね)やウグイスのさえずり、イノシシの太(ふと)い牙(きば)も、モテたり脅(おど)したりする「道具(どうぐ)」なの。

 ◇のの いろいろあるのに、人間(にんげん)の男性(だんせい)はなぜ声(こえ)がアピール材料(ざいりょう)なの?

 ◆先生 理由(りゆう)ははっきりしないの。クジャクの羽(はね)もイノシシの牙(きば)も敵(てき)に見(み)つかりやすいし、餌(えさ)にありつくには邪魔(じゃま)な時(とき)もあるでしょ。矛盾(むじゅん)しているようだけど子孫(しそん)を残(のこ)すために有利(ゆうり)な部分(ぶぶん)が発達(はったつ)することもあるの。

 ◇のの 低(ひく)い声(こえ)は本当(ほんとう)にモテるの?

 ◆先生 実験(じっけん)した人もいるけど、声(こえ)の低(ひく)さと異性(いせい)の魅力(みりょく)は比例(ひれい)していなかったそうよ。でも、好(す)きになった異性の魅力(みりょく)の一つに「声(こえ)」をあげる人が多(おお)いという調査結果(ちょうさけっか)はあるわ。声(こえ)で恋人(こいびと)は選(えら)ばないけど、恋人(こいびと)の声(こえ)は好(す)きになる、ということね。

 ◇のの 男(おとこ)の子(こ)は、みんな声変(こえが)わりするのかな?

 ◆先生 病気(びょうき)や事故(じこ)でアンドロゲンが出(で)ないような場合(ばあい)を除(のぞ)き、男の子は大抵(たいてい)するみたい。そういえば、16〜18世紀(せいき)のヨーロッパに、カストラートと呼(よ)ばれる男性(だんせい)歌手(かしゅ)たちがいたの。声変(こえが)わりが始(はじ)まる前(まえ)の少年(しょうねん)の美(うつく)しい歌声(うたごえ)を大人(おとな)になっても保(たも)つために、アンドロゲンが出(で)る精巣(せいそう)を取(と)ってしまうの。18世紀(せいき)イタリアのファリネッリという歌手(かしゅ)が有名(ゆうめい)で、3オクターブ半(はん)もの音域(おんいき)を持ち、とても魅力的(みりょくてき)な声(こえ)だったそうよ。

 (取材協力=総合研究大学院大教授・長谷川真理子さん、聖マリアンナ医科大助教・赤澤吉弘さん、構成=錦光山雅子)

ポイント学習ページへ ワークシートへ

バックナンバー

過去記事一覧

NIE 教育に新聞を

 新聞、ニュースを調べ学習や自由研究に役立てるページです。ご感想・お問い合わせなどは、NIE事務局(ファクス03・5540・7469)まで。