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ののちゃんのDO科学

 地球(ちきゅう)には、なぜ磁場(じば)があるの?
 ★奈良県・嶋田智沙恵(しまだちさえ)さん(高1)からの質問★
 (朝日新聞社発行 2015年10月17日付be)


地球(ちきゅう)の磁場(じば)は内部(ないぶ)に生(しょう)じる電流(でんりゅう)から<グラフィック・小倉誼之>

 ■内部(ないぶ)に電気(でんき)が流(なが)れているからよ

 ◇ ののちゃん ◇
 伝書(でんしょ)バトや渡(わた)り鳥(どり)のような旅(たび)をする動物(どうぶつ)は、地球(ちきゅう)の磁気(じき)を感じて方向(ほうこう)を知(し)るって聞(き)いたよ。

 ◆ 藤原先生 ◆
 イルカやクジラもそうよ。実(じつ)は地球全体(ちきゅうぜんたい)は大(おお)きな磁石になっているの。いろんな動物が体内(たいない)に方位(ほうい)磁石のような器官(きかん)をもっていて、地磁気(ちじき)を感(かん)じて南北などの方向を判断(はんだん)しているらしいわ。

 ◇ のの ◇ 地球が磁石って?

 ◆ 先生 ◆
 地球の内部には電気(でんき)が流(なが)れていて、そのためにまるで電磁石のようになっているという意味(いみ)よ。砂鉄(さてつ)をとる実験(じっけん)で使ったような永久(えいきゅう)磁石とは違(ちが)うの。

 ◇ のの ◇ 地球に電気が流れてるの?

 ◆ 先生 ◆
 地球の真ん中には、電気を伝(つた)えやすい鉄(てつ)などでできた「中心核(ちゅうしんかく)」があって、そのうち外側(そとがわ)の「外核(がいかく)」は液体で、内部(ないぶ)の熱(ねつ)や成分(せいぶん)の密度(みつど)の違(ちが)い、自転(じてん)の影響(えいきょう)でゆっくり動いている。「磁場(じば)」、つまり磁気がある環境(かんきょう)で、外核のような電気を伝えやすい物質(ぶっしつ)が動くと電流が起きるの。電気と磁気には密接(みっせつ)な関係(かんけい)があって、電流が起きると磁気ができ、その磁気の影響でさらに電気が流れ続ける、ということになるわけ。

 ◇ のの ◇ あれ、じゃあ、最初(さいしょ)にあった磁場はどこからきたの。

 ◆ 先生 ◆
 よく気がついたわね。地球内部に電流が生まれたきっかけになった磁場は、もともと宇宙空間(うちゅうくうかん)にあったのでは、という考えもあるけど、よくわからないの。

 ◇ のの ◇ ところで、磁場の上(うえ)に暮(く)らしても大丈夫(だいじょうぶ)なのかな。

 ◆ 先生 ◆
 場所(ばしょ)によって違(ちが)うけど、地球の磁場の強さは肩(かた)こり用(よう)の磁気健康器(じきけんこうき)の2千(せん)~3千分(せんぶん)の1くらいなので、まず影響はないわ。

 ◇ のの ◇ 安心した。方位磁石があれば、道に迷わないし。

 ◆ 先生 ◆
 そうともいえないのよ。地球のN極とS極の方向は過去(かこ)360万年(まんねん)で少(すく)なくとも11回(かい)入(い)れ替(か)わったのよ。最後(さいご)の交代(こうたい)は約(やく)80万年前(まんねんまえ)。数千(すうせん)~1千年(せんねん)ほどかけ移動(いどう)したと考えられているわ。

 ◇ のの ◇ え、方位磁石の指す方向が逆(さか)さまになったの?

 ◆ 先生 ◆
 そうよ。しかも逆転時(ぎゃくてんじ)には地磁気の強(つよ)さが約(やく)10分の1に弱(よわ)くなったらしいの。地磁気は地球のよろいのようなもので、宇宙空間(うちゅうくうかん)を飛(と)び交(か)っている宇宙線(うちゅうせん)という危険(きけん)な高(こう)エネルギー粒子(りゅうし)の直撃(ちょくげき)を防(ふせ)いでいるわ。でもそのよろいが弱(よわ)くなると地表(ちひょう)の生物(せいぶつ)や通信施設(つうしんしせつ)、電力施設(でんりょくしせつ)などに悪影響(あくえいきょう)が出(で)るかもしれないわ。

 ◇ のの ◇ 大変(たいへん)だあ!

 ◆ 先生 ◆
 このような粒子(りゅうし)は太陽(たいよう)からも常(つね)に来(き)ているわ。「太陽風(たいようふう)」などと呼(よ)んでいるけど、太陽の活動(かつどう)が急(きゅう)に激(はげ)しくなって強い太陽風が地球を直撃(ちょくげき)した1989年(ねん)には、カナダで600万人(まんにん)が影響を受(う)ける停電(ていでん)が起(お)こったの。だから、世界的(せかいてき)な対策(たいさく)の必要性(ひつようせい)が指摘(してき)されているわ。

 (取材協力=陰山聡・神戸大教授、片岡龍峰・国立極地研究所准教授、構成=奥村輝)

        ◇

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