朝日新聞社 NIE - 教育に新聞を -朝日新聞社 NIE -教育に新聞を-
朝日新聞社 NIE -教育に新聞を-

 印刷印刷  l  記事  l  学習のポイント  l  ワークシート(PDF) l  ののちゃんのDO科学トップへ  




ののちゃんのDO科学

 蚊取(かと)り線香(せんこう)はどう効(き)くの?
 ★北海道・庄司敏文(しょうじとしふみ)さん(37)からの質問★
 (朝日新聞社発行 2016年4月23日付be)


蚊取(かと)り線香(せんこう)とは/ポスター/効く仕組(しく)み<グラフィック・大屋信徹>

 ■除虫菊(じょちゅうぎく)に似(に)た成分(せいぶん)が出(で)てくるの

 ◇ ののちゃん ◇
 あー、もう蚊(か)が出(で)てきた。ぷぅん ぷぅぅぅぅ~んって、うるさい! 蚊取(と)り線香(せんこう)を用意(ようい)しなきゃ。でも、あれって独特(どくとく)の匂(にお)いだよね。何(なん)の匂いなんだろう?

 ◆ 藤原先生 ◆
 除虫菊(じょちゅうぎく)っていう花(はな)の種(たね)が燃(も)える匂いよ。ヨーロッパ東部原産(とうぶげんさん)の菊(きく)で、虫(むし)を殺(ころ)す成分(せいぶん)があるの。

 ◇ のの ◇ ほほー。じゃあ、蚊取り線香は除虫菊でできてるんだね。

 ◆ 先生 ◆
 ふふふ。確(たし)かに含(ふく)まれているけど、話(はなし)はそう単純(たんじゅん)じゃないわ。

 ◇ のの ◇ どういうこと?

 ◆ 先生 ◆
 まず歴史(れきし)の話をするね。除虫菊が虫を殺すことは古(ふる)くから知(し)られていて、海外(かいがい)では種をすりつぶした粉(こな)が家畜小屋(かちくごや)のノミを駆除(くじょ)するために使(つか)われていたの。130年ほど前(まえ)、和歌山県(わかやまけん)の農家(のうか)が外国(がいこく)にこの粉を輸出(ゆしゅつ)するために、除虫菊を栽培(さいばい)し始(はじ)めたわ。でも、日本には蚊がいっぱいいる。じゃ! ということで蚊の退治(たいじ)にも使われ始めたのね。

 ◇ のの ◇ ふんふん。

 ◆ 先生 ◆
 最初(さいしょ)は草(くさ)を燃やして煙(けむり)で蚊を追(お)い払(はら)う「蚊やり火(び)」という風習(ふうしゅう)の応用(おうよう)だったの。でも、火(ひ)を大(おお)きく燃やすと危(あぶ)ないから、種の粉をのりで固(かた)めて線香にしたわけ。煙が減(へ)って蚊がよく死(し)ぬので人気(にんき)が出たわ。最初は仏壇(ぶつだん)の線香みたいに真(ま)っすぐな形(かたち)だったけど、燃える時間(じかん)が長(なが)くなるように渦巻(うずま)きの形(かたち)になった、というのが蚊取り線香の歴史よ。

 ◇ のの ◇ あれ? やっぱり除虫菊でできてるんじゃん。

 ◆ 先生 ◆
 昔(むかし)はね。でも、大量(たいりょう)の除虫菊を育(そだ)てるには広(ひろ)い畑(はたけ)が必要(ひつよう)じゃない。効(き)く成分を工場(こうじょう)で作(つく)った方(ほう)が簡単(かんたん)なので、研究(けんきゅう)が進んだの。除虫菊の虫を殺す成分は6種類(しゅるい)あって、全部(ぜんぶ)分(わ)かったのが1945年。その10年余(あま)りあとから、最(もっと)も殺虫力(さっちゅうりょく)が強(つよ)くて人体(じんたい)に害(がい)の少(すく)ない成分をまねた人工物質(じんこうぶっしつ)を木(き)の粉に練(ね)り込んで、蚊取り線香を作るようになったのね。

 ◇ のの ◇ ほうほう。

 ◆ 先生 ◆
 でも、殺虫成分は匂わないから「効く気(き)がしない」という意見(いけん)があったの。で、今は匂い付(づ)けのために除虫菊が混(ま)ぜ込(こ)んであるのよ。

 ◇ のの ◇ 匂いは気分(きぶん)のためなんだ!

 ◆ 先生 ◆
 あと、線香は煙が効くんじゃないのよ。殺虫成分は250度(ど)ほどの温度(おんど)で気体(きたい)になって広(ひろ)がり、蚊の神経(しんけい)をマヒさせるの。これは火の温度より低(ひく)くて、成分は火で熱(ねっ)せられた手前(てまえ)の部分(ぶぶん)から出ているのね。

 ◇ のの ◇
 もっと低温(ていおん)でOKなら、火を使わない安全(あんぜん)な線香になるかも。

 ◆ 先生 ◆
 鋭(するど)いね。同(おな)じ効果(こうか)で低温でも気体になる成分の開発(かいはつ)が進(すす)み、電気(でんき)の熱で殺虫成分を出す製品(せいひん)も出来たわ。今では、熱がなくても気体になる成分を使い、置(お)いておくだけで虫よけになる商品(しょうひん)もあるの。でも、火も電気も使わず匂いもしないので「効く気がしない」という意見が出て、匂いつきの商品も出したんだって。歴史は繰(く)り返(かえ)す、ね。

 (取材協力=大日本除虫菊〈金鳥〉専務の上山久史さん、構成=長野剛)

        ◇

  NIE教育に新聞を
  www.asahi.com/edu/nie

★ NIEとは ★

 「Newspaper in Education(教育に新聞を)」の頭文字をとった略称のことです。
【→つづきを読む】


★ 新着ニュース(随時更新)★

NIE事務局から


★ 新聞授業実践ワークブック ★
  改訂版を発行 new

新聞授業ガイドブック 改訂版

朝日新聞社ではNIEの実践に向け、授業ですぐに使えるワークシートを盛り込んだ「新聞授業実践ワークブック改訂版」を発行しました。解説編の「新聞授業ガイドブック」とともにご希望の学校に無料で提供しています。【→詳しくはこちら】


★ 新聞出前授業 ★

新聞出前授業


天声人語 書き写しノート


語彙・読解力検定


朝日新聞デジタル



リンク一覧


★ NIEとは ★

 学校などの教育現場で新聞を教材として活用し、児童・生徒たちの学力とモノを考える力の向上を図るための活動です。歴史的にみると、1930年代にアメリカで始まり、世界各国に広がっています。日本では1985年の新聞大会で提唱されました。89年から、一定期間学校に新聞が無料で提供される「NIE実践指定校」制度がスタートし、その後少しずつ規模を拡大して現在にいたります。