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降水確率(こうすいかくりつ)はどう決(き)めるの?
★神奈川県・石原妙子(いしはらたえこ)さん(58)からの質問★
(朝日新聞社発行 2016年6月4日付be)
■計算値(けいさんち)をもとに予報官(よほうかん)が判断(はんだん)
◇ ののちゃん ◇
そろそろ梅雨(つゆ)。ああ、雨(あめ)は嫌(きら)い。そとで遊(あそ)べなくなるから。
◆ 藤原先生 ◆
そうね。6月は降水確率(こうすいかくりつ)の数字(すうじ)も上(あ)がるわね。
◇ のの ◇ 天気予報(てんきよほう)で出(で)てくる数字ね。あれはどうやって決(き)めてるの?
◆ 先生 ◆ コンピューターで計算(けいさん)するのよ。
◇ のの ◇ へえ。
◆ 先生 ◆
地球上(ちきゅうじょう)の各地(かくち)の気温(きおん)や雲(くも)の量(りょう)、風速(ふうそく)などのデータをもとにして、スーパーコンピューターで日本の降水量を予測(よそく)して、そこから、雨や雪(ゆき)の過去(かこ)のデータをもとに、降水確率をはじき出(だ)すのよ。
◇ のの ◇ コンピューターは何(なん)でも知(し)ってるのね。
◆ 先生 ◆
そう。降水確率は、気象(きしょう)計算をコンピューターでするようになって導入(どうにゅう)されたの。東京地方(とうきょうちほう)で1980年に始(はじ)まり、86年に全国(ぜんこく)で始まったわ。今年(ことし)で30年になるわね。ただし、最後(さいご)に発表(はっぴょう)する数字は、各地の気象台(だい)の予報官(よほうかん)という人(ひと)たちの判断(はんだん)で決めているわ。その地域(ちいき)の雨雲(あまぐも)レーダーの最新(さいしん)の画像(がぞう)などを参考(さんこう)にして、6時間(じかん)おきに発表するの。
◇ のの ◇ 数字にはどんな意味(いみ)があるのかしら?
◆ 先生 ◆
たとえば降水確率70%とは「100回(かい)予報を出したら70回は雨が降(ふ)る」ことを意味しているの。
◇ のの ◇ そうか。100%ならどしゃぶりだあ。
◆ 先生 ◆
待(ま)って。そうとは限(かぎ)らないのよ。降水確率の「降水」は1ミリ以上の雨や雪のこと。同じ100%でも、雨の量は1ミリかもしれないし、100ミリかもしれないのよ。地域や季節(きせつ)によっては、めったに降らないけど降れば土砂降(どしゃぶ)りなんていうこともあるから、注意(ちゅうい)が必要(ひつよう)ね。ちなみに「100%」の予報は多(おお)くないわ。先のことを予報するほど実際との食(く)い違(ちが)いが大きくなる。食い違いの大きさを考えてのことだそうよ。
◇ のの ◇ ところで、どのくらい当(あ)たるのかなあ?
◆ 先生 ◆
天気予報と違って当たり外(はず)れをわかりやすく言(い)うのは難(むずか)しいけど、気象庁(きしょうちょう)の最近(さいきん)のデータをみると、発表した降水確率が10~50%のときは、実際(じっさい)に降った割合はそれより少なめだったようよ。たとえば「40%」と発表したとき、実際には10回に3回ぐらいしか降らなかったんだって。反対(はんたい)に発表の数字が60%以上のときは、発表より少し高(たか)い割合で降る傾向(けいこう)があったそうよ。
◇ のの ◇
明日(あした)は午前中(ごぜんちゅう)は0%、お昼(ひる)から午後(ごご)6時まで40%だって。映画館(えいがかん)に行くんだけど、何%ならかさを持っていった方がいいのかな。
◆ 先生 ◆
かさのルールはないわ。よそ行きのスーツで絶対(ぜったい)にぬれちゃ困(こま)ることもあれば、Tシャツと短(たん)パンでぬれてもへっちゃらなこともあるしね。用心(ようじん)にこしたことはないけど、かさは置(お)き忘(わす)れないようにね。
(取材協力=気象庁天気相談所長の清水直幸さん、構成=嘉幡久敬)
◇
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