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太陽は真空でなぜ燃える?

福井県・吉村文利(よしむらふみと)さん(小5)などからの質問(朝日新聞社発行 2013年1月5日付be)

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 ●「核融合(かくゆうごう)」で光(ひか)っているのよ

 ◇ののちゃん 早起(はやお)きして、初日(はつひ)の出(で)を見(み)たよ。太陽(たいよう)って、すごく遠(とお)いところにあるのに明(あか)るいよね。

 ◆先生 明るいけど、地球(ちきゅう)には太陽から出る光(ひかり)の22億分(おくぶん)の1しか届(とど)いていないそうよ。

 ◇のの 何(なに)が燃(も)えて、あんなに明るくなっているのかな。

 ◆先生 もし、石炭(せきたん)などを燃やしてあの明るさを出そうとすると、太陽と同(おな)じ重(おも)さの石炭でも、1500万年(まんねん)くらいで燃え尽(つ)きてしまう計算(けいさん)になるんですって。昔(むかし)、ケルヴィンという科学者(かがくしゃ)が計算したそうよ。

 ◇のの ええ? 太陽の寿命(じゅみょう)は?

 ◆先生 100億年くらいよ。ちなみに、今(いま)の太陽の年齢(ねんれい)は46億歳(さい)。

 ◇のの あれ、計算があわないよ。今も太陽は明るいのに。

 ◆先生 その通(とお)り。しかも、燃えるのに必要(ひつよう)な酸素(さんそ)もないし。地球の大気(たいき)には20%くらい酸素が含(ふく)まれているけど、宇宙(うちゅう)はほぼ真空(しんくう)だからね。

 ◇のの どうなってるの?

 ◆先生 実(じつ)は「燃えている」わけではないの。「核融合(かくゆうごう)」という反応(はんのう)で大量(たいりょう)の熱(ねつ)や光(ひかり)を出しているのよ。

 ◇のの んんん?

 ◆先生 太陽の表面(ひょうめん)は6000度(ど)だけど、中心部(ぶ)はとっても高温(こうおん)で1600万度もあるの。核融合反応はすごく高温になると起(お)きるのよ。

 ◇のの どういう反応なの?

 ◆先生 太陽は、主(おも)に水素(すいそ)でできたガスの固(かた)まりなの。とても大(おお)きくて重いから重力(じゅうりょく)も強(つよ)くて、ガスが逃(に)げられず星(ほし)の形(かたち)に固まっているわけ。中心部の水素ガスは強力(きょうりょく)な重力で押(お)しつぶされ、2400億気圧(きあつ)というすごい圧力(あつりょく)になっているの。

 ◇のの とっても暑苦(あつくる)しそうだね。

 ◆先生 この高(たか)い圧力と熱でつぶされ、いくつかの反応を経(へ)て、四つ分(ぶん)の水素原子核(げんしかく)が、一個(こ)のヘリウム原子核に融合するのが「核融合」。この反応の際(さい)に、ばくだいなエネルギーが光や熱の形で放出(ほうしゅつ)されるの。

 ◇のの すごく熱(あつ)い火(ひ)の玉(たま)だ。

 ◆先生 中心部では毎秒(まいびょう)400万トンの水素がエネルギーへと変(か)わっているの。400万トンと言(い)っても太陽のおもさは地球の30万倍(ばい)以上(いじょう)あるから、あと60億年は大丈夫(だいじょうぶ)よ。

 ◇のの 水素がなくなったら?

 ◆先生 水素が全部(ぜんぶ)ヘリウムになったら、今度(こんど)はヘリウムが核融合反応を起こしてベリリウムを経て、最終的(さいしゅうてき)に炭素(たんそ)や酸素(さんそ)ができるの。ベリリウムというのは、宝石(ほうせき)のエメラルドの成分(せいぶん)ね。太陽や地球にある物質(ぶっしつ)なども、元(もと)はこの核融合反応でできたものだと言われているのよ。

 ◇のの 炭素の次(つぎ)はどうなるの?

 ◆先生 太陽の重さだと、炭素と酸素になって核融合反応は終(お)わり。

 ◇のの その後(ご)はどうなるの?

 ◆先生 太陽はバランスを崩(くず)して火星(かせい)の軌道(きどう)をのみ込(こ)むほど膨張(ぼうちょう)して燃(も)え尽(つ)き、次第(しだい)に冷(ひ)えて暗(くら)い星(ほし)になると考(かんが)えられているのよ。

 (取材協力=国立天文台の常田佐久教授、構成=竹石涼子)

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