現在位置:
朝日新聞社インフォメーション >
NIE 教育に新聞を >
ののちゃんのDO科学 >
記事

魚群探知機の仕組みは?

神奈川県・中嶋妙子(なかじまたえこ)さん(34)からの質問(朝日新聞社発行 2013年3月30日付be)

印刷

写真

 ●海中(かいちゅう)は暗(くら)いので音波(おんぱ)で調(しら)べるの

 ◇ののちゃん お父さんが海釣(づ)りから帰(かえ)って「くそー、釣り船の魚探(ぎょたん)で50センチの大物が見えてたのに。あれは鯛(たい)だったな」と悔(くや)しがってたよ。魚探って魚群探知機(ぎょぐんたんちき)のことだよね、テレビ番組で見たことあるよ。

 ◆藤原先生 「逃(に)がした魚は大きい」って言うけど、今は魚探でリアルに見えるから、お父さんの悔しがりもオーバーな演技(えんぎ)じゃないよ。

 ◇のの 「魚群」探知って言うけど、1匹1匹まで見えるんだね。

 ◆先生 船を近づけて、細(こま)かく見る機種(きしゅ)を使えばね。だから群(む)れない魚を採(と)るのにも魚探が活躍(かつやく)してるよ。

 ◇のの 魚の種類(しゅるい)までわかるの?

 ◆先生 それは釣る人の推定よ。魚探でわかるのは、群れの大きさや移動(いどう)する速さ、魚のサイズ、海面近くにいるか海底付近か、その海底には岩が多いか砂かといったこと。それらと、水温や潮流(ちょうりゅう)、魚の習性(しゅうせい)、過去(かこ)の経験(けいけん)などを照(て)らし合わせて「あの魚」だと見当(けんとう)をつけるわけ。

 ◇のの 魚探の画面って、ふつうのカメラの画面とかなり違うよね。

 ◆先生 海は少し潜(もぐ)ると薄(うす)暗くなるので、カメラみたいに光に頼(たよ)れないの。光には波の性質(せいしつ)があって、水などの物質(ぶっしつ)に邪魔(じゃま)されやすい種類の波なので海では遠くに届(とど)かないのよ。

 ◇のの どうしたらいいかな。

 ◆先生 陸(りく)の上なら、光がだめな時は電波で、つまりレーダーの出番ね。電波を発射(はっしゃ)して、光なら遮(さえぎ)られてしまう雲なども透(す)かして、その向こうを調(しら)べられるの。でも、その電波でも水の中だと通りにくいの。

 ◇のの 困(こま)ったね。

 ◆先生 そこで、音波の出番。魚探は音波を発射して、魚や海底に反射して返って来る反響(はんきょう)の様子(ようす)を画面で表してるの。音速は空気中では秒速(びょうそく)約340メートルだけど水中なら約1500メートル。だから、こだまよりずっとキビキビと返ってくるよ。魚群までの往復(おうふく)に0・1秒かかったら、約70メートル先だとわかるわけ。

 ◇のの 魚探はどんな音を出すの?

 ◆先生 人に聞こえる音より小刻(きざ)みな波の「超(ちょう)音波」を使うよ。超音波は進行方向から横に広がりにくいので、ぼやけずに細かくわかるの。

 ◇のの そういえば、クジラたちも海の中を探り、仲間と交信するのに超音波も使うって聞いたよ。

 ◆先生 暗がりを飛(と)ぶコウモリも超音波を放(はな)ってエサを探(さが)すよ。その超音波を逆に察知(さっち)して逃げる蛾(が)もいるんだって。でも魚探では超音波が魚に警戒(けいかい)される逆効果(ぎゃくこうか)はないそうよ。

 ◇のの 人間には好都合(こうつごう)だね。

 ◆先生 音波を当てて調べるだけじゃなく、魚自身が出す音から種類などを聴(き)き分ける技術(ぎじゅつ)も開発(かいはつ)中よ。自分の部屋(へや)に近づいて来る足音で、家族(かぞく)の誰(だれ)だか区別できるようにね。

 ◇のの お母さんの足音なら、すばやく勉強中のふりしなきゃ!

 (取材協力=古野電気・西田優主任技師、八木雅和経営企画課長、構成=武居克明)

バックナンバー

過去記事一覧

NIE 教育に新聞を

 新聞、ニュースを調べ学習や自由研究に役立てるページです。ご感想・お問い合わせなどは、NIE事務局(ファクス03・5540・7469)まで。