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砂丘の砂は、なぜ飛ばない?

高知県・安田智徳(やすだとものり)さん(中2)からの質問(朝日新聞社発行 2013年4月13日付be)

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 ●粒(つぶ)の大(おお)きさが黄砂(こうさ)とは違(ちが)うの

 ◇ののちゃん おばあちゃんが町内会の旅行(りょこう)で鳥取砂丘(とっとりさきゅう)に行ってきた。

 ◆藤原先生 あら、うらやましい。

 ◇のの それで、砂丘の砂(すな)は、黄砂(こうさ)みたいになぜ遠(とお)くへ飛(と)んでいかないのかを先生に聞いてきてって。

 ◆先生 砂丘も黄砂も、砂の主(おも)な成分(せいぶん)はどちらも石英(せきえい)だけど、決定的(けっていてき)な違(ちが)いがあるのよ。わかるかな?

 ◇のの ええと、大きさかな?

 ◆先生 正解(せいかい)! 鳥取砂丘の砂の直径(ちょっけい)は、だいたい0・35ミリだけど、黄砂は0・004ミリしかないの。

 ◇のの 黄砂は、かなり小さいね。

 ◆先生 黄砂という名前はついているけれど、本当は「砂」と呼(よ)ぶには小さ過(す)ぎるの。専門家(せんもんか)はチリを意味する「ダスト」と呼んでいるわ。

 ◇のの 砂丘の砂粒(すなつぶ)は大きいから、なんとなく飛びにくいのかな。

 ◆先生 いい考(かんが)え方(かた)ね。風(かぜ)が吹(ふ)いたときに、風が砂粒を転(ころ)がしたり、浮(う)かしたりする力が、砂粒にかかる重力(じゅうりょく)と砂粒同士(どうし)がくっつき合う力を上回ると、砂は動き始めるわけね。

 ◇のの なるほど。

 ◆先生 それで、鳥取砂丘の砂が動くのは、だいたい風速(ふうそく)5メートルから。

 ◇のの 旗(はた)とか、こいのぼりがパタパタするくらいの強(つよ)さだね。

 ◆先生 よく覚(おぼ)えていたわね。そのくらいの風だと砂粒は、ボールを放(ほう)り投(な)げた時のようなカーブを描(えが)いて地面に落(お)ちるの。跳躍(ちょうやく)と呼びます。

 ◇のの 遠くまでは行けないの?

 ◆先生 10センチから1メートルくらい。あまり遠くへは飛べないわね。けれど、この跳躍のおかげで、風紋(ふうもん)と呼ばれるきれいな模様(もよう)ができるの。

 ◇のの 黄砂のほうは、小さいから簡単(かんたん)に飛びそうだよね。

 ◆先生 でも、黄砂くらい小さいと、粒同士がくっつこうとする力が強くて、風だけでは浮き上がれないの。近くの大きな粒が飛んで落ちる時の勢(いきお)いで宙(ちゅう)に浮き、そのまま風に乗(の)って舞(ま)い上がるという仕組(しく)みよ。

 ◇のの どれくらい飛べるの?

 ◆先生 日本へ来る黄砂は、中国(ちゅうごく)内陸部(ないりくぶ)やモンゴルから、数千(すうせん)キロも飛んでくるのよ。なかには地球(ちきゅう)を1周(しゅう)する黄砂もあるそうよ。

 ◇のの でも同(おな)じ砂なのに、なぜそんなに大きさが違うの?

 ◆先生 鳥取の砂は、近くの山脈の花崗岩(かこうがん)が砕(くだ)けて千代川(せんだいがわ)で削(けず)られながら海(うみ)へ運(はこ)ばれ、海岸(かいがん)に寄(よ)せられたもの。一方(いっぽう)、黄土高原(こうどこうげん)などの砂はヨーロッパの山地で氷河(ひょうが)が削った砂粒が、長い時間をかけて中国に集まってきたものと考えられているわ。

 ◇のの 砂粒が旅(たび)してきた距離(きょり)も時間もぜんぜん違うんだね。

 ◆先生 最近(さいきん)の鳥取砂丘では、砂が減(へ)ったり、雑草(ざっそう)が生(は)えたりすることが問題(もんだい)になっているのよ。千代川の改修(かいしゅう)や防風林(ぼうふうりん)に原因(げんいん)があるそうよ。だから、除草(じょそう)したり砂を足(た)したりして「草原化対策(そうげんかたいさく)」を進(すす)めているの。

 (取材協力=鳥取大学乾燥地研究センター・木村玲二准教授、自然公園財団鳥取支部・神近牧男さん 構成=冨岡史穂)

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