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飛行機の胴の巨大絵はどう描く?

徳島県・森祐大(もりゆうだい)さん(35)からの質問(朝日新聞社発行 2013年7月20日付be)

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 ●長(なが)いシートに下絵(したえ)を描(か)き貼(は)るの

 ◇ののちゃん 夏(なつ)休みに飛行機(ひこうき)で沖縄(おきなわ)に行くんだ! もし、楽しい絵(え)がいっぱいに描(か)いてある機体(きたい)に乗(の)れたら、旅(たび)の気分がぐうんと盛(も)り上がるだろうなあ。

 ◆藤原先生 特別塗装(とくべつとそう)機のことね。

 ◇のの 電車(でんしゃ)やバスでもそういうのがあるけど、飛行機はなにしろ大きいし、平らじゃなく丸い面だから、描くのは大変だろうね。

 ◆先生 空の上は紫外(しがい)線が強いし、気温も零下(れいか)60度を下回るほど。飛行機の塗装はこういうきびしい条件(じょうけん)に直接(ちょくせつ)さらされるので、数年ごとに塗(ぬ)り替(か)えるの。塗り替えに当たる人たちが作業(さぎょう)にかける時間を全員ぶん足し合わせると、中型(ちゅうがた)機で約2600時間に上るそうよ。その上に大がかりな特別塗装が加わった時は、約4800時間にも膨(ふく)らんだんだって。

 ◇のの そんなに! 特別塗装って、どういう手順(てじゅん)で絵を塗るの?

 ◆先生 まず原画(げんが)を描き、それをコンピューターで塗装するサイズまで拡大(かくだい)して、シートに線画を描くの。

 ◇のの すごく巨大(きょだい)なシート?

 ◆先生 特大の食品用ラップみたいな形をした幅(はば)1メートルのシートよ。線画を帯状(おびじょう)に分けて描くの。「描く」と言っても、実際(じっさい)はコンピューター付きのカッターで、線をなぞるように切れ目を入れていくの。こうして作った帯状のシートをたくさんつなげて、機体に貼(は)りつけるのよ。

 ◇のの 機体を下絵で覆(おお)うんだね。

 ◆先生 絵の大事(だいじ)な所が窓(まど)にかかったりしないように配置(はいち)を考えてあるんだけど、機体は曲面(きょくめん)で、機首(きしゅ)の近くですぼまったりしているから、シート全体をそのままピッタリ貼れるわけではないの。

 ◇のの そういえば地球儀(ちきゅうぎ)を作るときとか、丸い面に紙やテープを貼ると、どうしてもシワが寄(よ)るよね。

 ◆先生 だからシートの余(あま)ってしまう部分を、絵柄(えがら)に影響(えいきょう)しないようカットしながら貼っていくんだって。

 ◇のの なるほどね。そして、いよいよ塗るのかな?

 ◆先生 端(はじ)から順に描いていくんじゃなくて、同じ色ごとにまとめて塗るの。やり方は、その色を塗る部分のシートを、ここも、あそこもと剥(は)いで、塗料(とりょう)を吹きつけていくの。次に別の色を塗るときは、今度はその色の部分のシートをぜんぶ剥いで塗るのよ。この作業のためにシートに切れ目を入れておいたわけ。

 ◇のの でも、塗装ずみの部分はもうシートを剥いであるわけだから、その隣に別の色を吹きつけると、そちらまで塗料が散(ち)って色がかぶってしまわないの?

 ◆先生 それを防(ふせ)ぐために、塗り終(お)えた所はまた覆いをしておくの。こういう作業を、使う色の数だけくり返したら完成よ。どこかの空港で、特別塗装機にめぐり合えたらいいね。じゃ、いい旅を!

 (取材協力=ANAベースメンテナンステクニクス機体塗装課・白木一洋主席、金城慶紀さん、構成=武居克明)

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