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サボテンは砂漠でなぜ平気?

神奈川県・田中(たなか)ひかりさん(中2)ほかからの質問(朝日新聞社発行 2013年8月3日付be)

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 ●水をためこむ仕組みがあるの

 ◇ののちゃん 暑(あつ)くて、バテそう。この間(あいだ)、植物園(しょくぶつえん)でサボテンを見(み)たけど、元気(げんき)に花(はな)を咲(さ)かせてたよ。暑(あつ)くて乾燥(かんそう)しているところにいるのに、サボテンはどうして大丈夫(だいじょうぶ)なの?

 ◆藤原先生 サボテンの原産(げんさん)は中南米(ちゅうなんべい)のあたりで、乾燥(かんそう)に強(つよ)いのは、あの独特(どくとく)の形(かたち)に秘密(ひみつ)があるのよ。

 ◇のの へえ。どういうこと?

 ◆先生 サボテンも昔(むかし)は、普通(ふつう)の木(き)のように茎(くき)や枝(えだ)があったの。茎(くき)がどんどん太(ふと)くなって、丸(まる)っこい形(かたち)や円柱(えんちゅう)の形(かたち)になったのよ。その太(ふと)った茎(くき)の中(なか)には、水(みず)をたくわえられる細胞(さいぼう)がたくさん入(はい)っているの。ののちゃんも遠足(えんそく)に行(い)くときに水筒(すいとう)を持(も)っていくでしょう? サボテンは水筒(すいとう)をたくさん持(も)つことで、渇(かわ)いても心配(しんぱい)ないように変化(へんか)したのよ。

 ◇のの 自分(じぶん)の水筒(すいとう)を持(も)っていれば、そこから飲(の)めばいいわけだね。

 ◆先生 それに、あの丸(まる)っこい形(かたち)は表面積(ひょうめんせき)を減(へ)らすためでもあるの。水分(すいぶん)は表面(ひょうめん)から外(そと)へと逃(に)げていくから、同(おな)じ体積(たいせき)だったら、形(かたち)が球(きゅう)に近(ちか)いほど表面積(ひょうめんせき)を減(へ)らすことができるので、水分(すいぶん)の蒸発(じょうはつ)も防(ふせ)げるわけよ。

 ◇のの それで丸(まる)っこいんだ。

 ◆先生 栄養(えいよう)のつくり方(かた)にも秘密(ひみつ)があるのよ。

 ◇のの まだ秘密(ひみつ)があるの?

 ◆先生 植物(しょくぶつ)は空気(くうき)に含(ふく)まれる二酸化炭素(にさんかたんそ)を取(と)り込(こ)んで、太陽(たいよう)の光(ひかり)のエネルギーと水(みず)を使(つか)って栄養(えいよう)をつくり出(だ)すの。光合成(こうごうせい)というんだけど、普通(ふつう)の植物(しょくぶつ)は光(ひかり)の当(あ)たる昼間(ひるま)に光合成(こうごうせい)をして、夜(よる)は休(やす)んでいるの。でもサボテンは昼間(ひるま)も夜(よる)も働(はたら)くのよ。

 ◇のの 疲(つか)れないのかなぁ。

 ◆先生 乾燥(かんそう)に耐(た)えるためには仕方(しかた)ないのよ。サボテンは、夜(よる)の間(あいだ)に気孔(きこう)と呼(よ)ばれる表面(ひょうめん)の穴(あな)を開(あ)けて外(そと)から二酸化炭素(にさんかたんそ)を取(と)り込(こ)むの。気孔(きこう)を開(あ)けると、その穴(あな)から水分(すいぶん)が逃(に)げてしまうので、暑(あつ)い昼(ひる)の間(あいだ)はピタッと閉(し)めているのよ。昼(ひる)には、夜(よる)の間(あいだ)に取(と)り込(こ)んでおいた二酸化炭素(にさんかたんそ)を使(つか)い、太陽(たいよう)のエネルギーで栄養(えいよう)をつくり出(だ)すの。昼(ひる)にすべての作業(さぎょう)をするのではなくて、夜(よる)と昼(ひる)の2段階(だんかい)で作業(さぎょう)をするってことね。

 ◇のの 働(はたら)き者(もの)だ。ところで、サボテンのトゲは何(なに)のためにあるの?

 ◆先生 もちろん、それは身(み)を守(まも)るため。葉(は)っぱが鋭(するど)いトゲに変(か)わったのよ。乾燥(かんそう)した場所(ばしょ)で水(みず)をたっぷり持(も)っていると、のどが渇(かわ)いた動物(どうぶつ)に狙(ねら)われちゃうでしょ? なかには毒(どく)を持(も)っているサボテンもあるのよ。

 ◇のの 無敵(むてき)そうだけど、サボテンには弱点(じゃくてん)ってないの?

 ◆先生 水(みず)をやりすぎるとダメなの。乾燥(かんそう)に適(てき)した体(からだ)になっているので弱(よわ)ってくるの。ののちゃんも、熱中症(ねっちゅうしょう)には気(き)を付(つ)けないといけないけど、暑(あつ)いからってあんまりジュースをがぶ飲(の)みすると体調(たいちょう)を壊(こわ)すわよ。

 ◇のの はーい、気(き)を付(つ)けまーす。

 (取材協力=国立科学博物館多様性解析・保全グループ長・遊川知久さん、進化生物学研究所湯浅浩史さん、構成=木村俊介)

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