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学習のポイント

なぜ風呂で指がシワシワに?

藤沢市立大庭中学校・有馬 進一

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 何気ない日常生活の中から素朴な疑問が湧き出てくるものですね。経験的にあたり前のこととして、大人が見過ごしてしまう「科学する視点」がここにあります。ハッキリ言って、今回の金子萌斗さんの質問には脱帽です。そこで、今回は全国にいるであろう、金子さんと同じ疑問を持っているみなさんに提案します。自分自身の身体で実験することで、皮膚のシワシワの謎に迫ってみてはどうでしょう。

 ●学習のポイント

 (1)皮膚の組織について調べてみましょう。

 まずは、「皮膚」について予備知識を得ることから始めましょう。本やインターネットなどを使って調べることになると思いますが、予備知識もないままに闇雲にキーワード検索をしては、信頼できる良質な情報を得ることはできません。手がかりを得るために、保健室の養護の先生や理科の先生に、アドバイスをしてもらってはどうでしょう。さらに、図書室の司書教諭の先生や公共図書館の司書の方からもヒントが得られると思います。

 (2)「皮膚のシワシワ大実験」の構想を練ってみましょう。

 お風呂あがりに、指先などがシワシワになった経験は誰もがあると思いますが、お皿洗いなどでシワシワを経験していたら立派です。プールから出たときはどうだったでしょう。皮膚がシワシワになったときのことを思い出してみましょう。

 それでは、シワシワになる部分がどこなのか、あらためてその変化の様子を観察しながらお風呂に入り、「シワシワ大実験」をするための手がかりを探ってみましょう。

 (3)「皮膚のシワシワ大実験」のための仮説を立てみましょう。

 さて、シワシワになったのはどこですか。手の指先だけ? 指全体? 手のひらはどうかな? 同じように、足もシワシワ?(え、顔も!ですか?それは、かなり「面の皮が厚い」人ですね〜。)

 そのときのお風呂のお湯は何度でしたか。お湯でなければシワシワにならないのでしょうか。冷たい水ではどうでしょう。いろいろな疑問が湧いてきますね。その謎を解くための「仮説」を立ててみましょう。

 (4)いよいよ「皮膚のシワシワ大実験」の開始です。

 指がなぜシワシワになるのか、いろいろな説が紹介されていますが、「角質」の部分が水分を含んでふやけるという、今回の記事にもある通説に基づいて考えてみましょう。君の仮説を検証するためには、どのような実験をしたらそれがわかるのでしょう。実験方法を考え、必要な物を考えて準備しましょう。

 参考までに一つのアイデアを示します。指は10本ですから、1分刻みの実験にもってこいですね。指先に傷バンドを巻いて湿らせ、1分毎にはがしてデジカメで記録していくと、1分刻みで10分間のデータが得られます。それでは、10分を越えるとシワシワはどうなると思いますか。11分以上調べる工夫をしてみましょう。

 シワの程度を色の濃さで表すことは可能でしょうか。食紅(しょくべに)などの食用の色素があれば、実験に使ってみるのもおもしろいですね。その結果、赤く染まってしまっても自己責任ですよ。

 ●発展学習

 以前から気になっている、資生堂の傳田光洋(でんだ・みつひろ)博士が著した、なかなか興味深い本があります。『皮膚は考える』(岩波科学ライブラリー)という本です。近著『皮膚感覚と人間のこころ』(新潮選書)と題する本も出版されました。ぜひ手にとってみてください。これまで当たり前だと思っていた常識が、音を立てて崩れていくことを感じることができるでしょう。

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