現在位置:
朝日新聞社インフォメーション >
NIE 教育に新聞を >
ののちゃんのDO科学 >
学習のポイント

電気は、何が流れてる?

慶応義塾大学大学院メディアデザイン研究科(元公立中学教員)・有馬 進一

印刷

 アレ?と疑問を持った人がいることでしょう。電気の流れる速さは、1秒間に約30万キロメートルです。藤原先生のコメントによれば、電子の移動スピードは秒速1センチほどにすぎないわけですから……。さらに、電気は+極から−極に流れると教わったはず。しかし、記事についている図「電気の正体は電子の流れ」をよく見ると、電子は−極から+極に向かって流れています。これはいったいどういうことでしょう。今回は、わかっているようで、意外と知らない電気の不思議について考えてみましょう。

 (1)電気を理解するために、原子の構造を調べてみましょう。

 すべての物質は、極めて小さな原子から成り立っています。原子はその中心に+の電気をもった原子核があり、そのまわりを−の電気をもった電子がまわっている構造になっています。ふだんは+と−がつり合って、原子は電気的に+でも−でもない状態になっています。原子には原子番号がついていますが、その番号の数だけ電子を持っています。

 ことばで理解するのはなかなか難しいことですね。学校の図書室や公共図書館で調べてみることをお勧めします。

 (2)静電気が発生するしくみについて調べてみましょう。

 二つのものをこすり合わせると、一方にあった電子がもう一方に移動して、電気的な性質に変化を生じます。電子を取り込んだほうは−を示すようになります。反対に電子を奪われたほうは+の電気的な性質をもつことになって、バランスが崩れます。その結果、+と−の間で、パチッパチッという音とともに電子の流れが生ずるわけです。

 それでは、下敷きで髪の毛をこすってみるとどうなるでしょう。いつでもできる簡単な実験です。

 雲の中で氷の粒同士や空気との摩擦で、電子のバランスが崩れることから生ずるのがカミナリです。これもスケールの大きい電子の流れということになります。

 (3)電気と電子の流れるスピードは、どうしてこんなに違うのでしょう。

 藤原先生は、フィラメントの中の電子のスピードは、「1秒に(A)センチくらい」と言っています。電気の流れる速さは、光と同じ1秒間に約30万キロメートルだったはずですね。地球の円周は約4万キロメートルですから、「1秒間に(B)周り半」の超高速です。どうもつじつまが合いません。どのように理解したらよいのでしょう。(A)(B)には、どのような数字が当てはまるでしょう。

 (4)電気と電子の流れる方向は、なぜ逆になっているのでしょう。

 「電気は+極から−極に流れる」と教わったはずです。と言うより、これは常識ですね。しかし、イラスト「電気の正体は電子の流れ」をよく見てみると、電子は−極から+極に向かって流れています。これはいったいどういうことでしょう。これまた、理解に苦しみます。この謎解きをしてみましょう。

 実は、電流と電子が見つかった時代に関わる、歴史的な問題なのです。調べてみましょう。

バックナンバー

過去記事一覧

NIE 教育に新聞を

 新聞、ニュースを調べ学習や自由研究に役立てるページです。ご感想・お問い合わせなどは、NIE事務局(ファクス03・5540・7469)まで。