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メンデルスゾーン版バッハ 鈴木雅明が「マタイ受難曲」

2009年4月3日

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写真鈴木雅明(c)Peter Sabelis

 鈴木雅明率いる古楽アンサンブル、バッハ・コレギウム・ジャパンが、メンデルスゾーンが復活上演した1841年版のバッハ「マタイ受難曲」を4日から4都市で上演する。初演に比べてアリアの省略や楽器の違いが目立つが、バロック音楽から疎遠になった当時の聴衆にメンデルスゾーンが何を伝えたかったかを検証したいという。(上坂樹)

 メンデルスゾーンは1829年に初めてマタイ受難曲を復活上演し、バッハ復活の先陣を切った。1841年にもバッハによる初演の地、ライプチヒの聖トマス教会で上演している。

 1829年版は資料が錯綜(さくそう)して不明な部分が多く、今回は1841年版を用いた上演となる。鈴木は00年にも読売日本交響楽団を指揮して1841年版を演奏しているが、この時はモダン楽器を使った上演だった。

 バッハによる初演から100年以上経ている制約もあって、1841年版では多くのアリアが省略されている。福音史家の語りの伴奏が2本のチェロだったり、オーボエ・ダ・カッチャがバセット・ホルンで代用されたりするなど、楽器もオリジナル版と異なった部分が多い。

 だが、この改変は「作品の姿をゆがめるものではなく、バッハの声楽曲の形式が忘れられた当時、その真価をわかりやすく伝えようとした工夫の表れ」と鈴木は言う。

 「チェロ2本の伴奏もバロック時代の通奏低音の在り方に準じている。アリアは瞑想(めいそう)的なものを外し、劇的展開に寄与するものは残して聴衆の理解を助けている。原曲にない表情記号も実に自然だ」

 今回は、弦楽器の弓の形をメンデルスゾーン時代と同じものに整える。また、原曲のオーボエ・ダ・カッチャやオーボエ・ダモーレに代わるバセット・ホルンやクラリネットも彼の時代の楽器を使う。

■あえて挑戦「現代の可能性探る」

 オリジナルに忠実な再現を目指す古楽アンサンブルが、あえてメンデルスゾーンによる復活上演版マタイ受難曲に挑む狙いは何なのか。

 「演奏は可能性の束で、どんなに正統的な姿を目指しても時代の制約に縛られる。オリジナル楽器を使うだけでバッハに迫れると思うのは錯覚。メンデルスゾーンのバッハ受容に立ち返り、現代のバッハの可能性を探りたい」

 演奏日程は4日(名古屋)、10日(東京)、11日(千葉・佐倉)、12日(兵庫・西宮)。問い合わせは電話03・3226・5333(バッハ・コレギウム・ジャパン事務局)。

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