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「博物館の楽器」音色に恋して フォルテピアノの小倉貴久子

2009年10月7日

 フォルテピアノ奏者の小倉貴久子が、博物館の楽器の響きをよみがえらせるCDや交響曲の室内楽版演奏など、個性的な企画を繰り出し続けている。企画に携わるCD「浜松市楽器博物館 コレクションシリーズ」は今年20枚に。同博物館所蔵の様々な時代の多種類の楽器に触れ、企画のアイデアをふくらませた。一方で、モーツァルトと同時代の作曲家コジェルフを発掘するなど、作曲家に焦点を当てるCD企画も進めている。

 もとはピアノ専攻だった小倉。東京芸術大大学院を休学、留学先のオランダで偶然フォルテピアノの演奏会に出かけた。「モノクロの印象を持っていた古楽器の音色があまりに多彩で、恋に落ちた」

 モーツァルトやベートーベンが使っていたフォルテピアノは、鹿皮のハンマーで打鍵は軽く、ボディーは木製、サイズも小ぶり。オペラや交響曲をアレンジした流行曲に親しんだ当時のサロン文化の、まさに中心にあった楽器だ。「コンサートホール向けのピアノが舞台と聴衆を分ける前の、親密なサロンの空気を現代のホールに醸したい」と小倉は言う。

 普通のピアノもチェンバロも、今では、壁を感じずに弾ける。「心にしっくりくる小品を選んでいる。知れば知るほど自由に世界が広がる。いい楽器に出あえた」

 ▽18日午後2時、大阪・いずみホールでベートーベンの交響曲第2番をピアノ三重奏版で。電話06・6944・1188(ホール)▽31日午後4時、東京・カワイ表参道。電話03・3409・2511(会場)。

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