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弾ける悪女歌う ミュージカル「シカゴ」主演の米倉涼子

2010年5月21日

 「まさか米倉は歌わないだろうって思われてたんですけど、とにかく『シカゴ』は特別に好きな作品なので、自分から手を挙げたんです。人間のえぐいところをストレートに爆発させて渡り合うとか、スターを目指してはい上がってゆくとか、とてもコミカルでおもしろい」

 ドラマや映画で活躍する俳優という印象が強いが、実はミュージカルが大好き。ニューヨークやロサンゼルスに行くと、連日見て回る。モダンバレエを4歳から始めたので踊りは達者なものの、歌は未経験。「音譜は読めないけど、前からやりたいと思っていた」

 2008年に「シカゴ」でミュージカルに初挑戦した。愛人を殺害して投獄されるロキシー・ハート役を主演した。6月からの再演では、相手役の女囚人ベルマを、ブロードウェーとロンドンで「シカゴ」に出演しているアムラ・フェイ・ライトが演じるので、日本語と英語が混在する珍しいミュージカルとなる。

 「ロキシーは汚いことをしているが悪気はない。悪いことをしているのに、愛敬があって嫌いになれないような役に持ってゆくよう工夫しています」

 1920年代の退廃したシカゴが舞台。売れないダンサーだったロキシーは正当防衛を主張し、スキャンダルを逆手にとって「キュートな殺人犯」として一躍、脚光を浴びる。それまで殺人を犯した“スター”として世間の耳目を集めていたベルマはお株を奪われ、共演しようと持ちかける。

 「ロキシー役は性に合っている。もしかしたら似ているのかもしれない。共演のアムラを見ると、テクニックを盗んで彼女と同じくらいになりたいと思う。あの名声をもらえたら、ブロードウェーに行けたらと考えるあたり、ロキシーとベルマの関係に重なるかも」

 テレビドラマ「黒革の手帖(てちょう)」の悪女役が印象的だった。この「シカゴ」でも、よく似合う。

 「人間って、いい人に見られたいと思い、いい人を演じている。悪女でいいと言われたら自由にどうにでもできる。みんな常識に縛られ、退屈しているので、弾(はじ)けたいという気持ちがあるのでは」

 長身で、個性も際立っている。舞台では黒いオーラを放ちそうだ。(小山内伸)

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