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 就活生と接していると、よく見聞きする言葉があります。
 模擬面接の一コマ。「入社させていただけたら~」
 ESの一文。「ゼミで学ばせていただいたことが~」
 ハラハラします。ザワザワします。いや、イライラします。
 「何がおかしいの? 丁寧じゃん?」。そう思った人もいるでしょう。確かに「間違い」ではありません。ただ「あまり適切ではない」。もっとはっきり言えば……
 うっとうしい。
 「ワンチャンあるっしょ!」なんて言葉遣いをしている人たちが、いざ就活、となって急に敬語を使う。着慣れないスーツと一緒で「身についていない」。
 「させていただく」と言っておけば敬語だ、と思っている。安直。
 もっとも、政治家などが乱用するため、つられるのかもしれませんが。
 そもそも「~させていただく」はどういう敬語か知っていますか? 基本的には「相手(や第三者)の許可を得て、自分がすることで恩恵を受ける」場合に使います。分かりやすいのは、
「コピーを取らせていただけますか」
 相手の資料を貸してもらう(=許可)。それが自分にとって必要だ(=恩恵がある)から。適切な例ですね。
 冒頭の「入社させていただけたら」。内定をもらう(=許可)前提、しかも自分に恩恵があるって何様かと。「入社できたら」「入社したら」にしましょう。
 「ゼミで学ばせていただいたことが」。許可もらって勉強してたんか、と突っ込みたい。有名で多忙な教授で、講義を受けられるだけで幸運、というケースなら許されるかもしれませんが、そんな人1000人に1人もいないはず。「学んだことが」でOK。
 「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」。過剰な敬語で化粧しすぎて、何を言っている(書いている)のか分からなくなるならやめましょう。丁寧語の「~です」「~ます」をきちんと使う方がスッキリします。
 言葉は自分を表現するツール。就活でも当然大事です。使いこなせる範囲をきちんと見極める。そこから始めましょう。
 私、ナカハラは今年で入社20年目です。うち約13年を、記事をチェックする校閲センターで過ごしてきました。「言葉」を通して皆さんの就活の応援をします。
 ちなみにアイドルが大好きです。彼女たち(そしてファン)からは、就活に必須の「自己表現」「コミュニケーション」についてたくさん学べます。そんな話もたまに入れたいと思います。目指すは肩の凝らないコラム。
 おっと、最後に今回のタイトルを改めます。
 「連載、始めます。」
 これで十分。(文 中原光一)

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