Q.内々定をいただいたのですが、「内定承諾書」を出すように言われました。サインしても大丈夫でしょうか。

<第16回> 文 篠原真喜子

 内々定おめでとうございます。企業から「内定承諾書」の提出を求められた場合、どうしたらよいかという質問ですね。内々定をいただいた企業が第一志望であれば、迷いなく署名捺印するところですが、本命企業の選考が残っていたり、他にも受験したい企業があったりする場合は悩みますよね。

 結論から言うと、「内定承諾書」を書いたあとでも内定辞退はできます。「内定承諾書」には、「正当な理由なしにこの承諾書に反することはしません(内定を辞退しません)」という内容が含まれることが多いです。「サインしてしまったら、絶対この会社に入社しないといけないのかも」「就活をやめないといけないのかも」と心配になる人がいるかもしれませんが、就活を続けても大丈夫です。

 ほんの少しでも入社する気がある企業なら、もらえる内定はもらっておき、内定が出そろったあとに悩んでは。将来を決める大事な選択ですから、落ち着いて考えたいですよね。

 ただし、いくつもの内定を持ち続けるのは、私はおススメしません。内定辞退は、企業にとっても大変な痛手。次点の学生に連絡をしたり、追加募集をしたりということが発生しますから、入社しないと決めたら速やかに連絡しましょう。

 その際は、まずはメールではなく電話がいいですね。やはり、自分の声で直接、採用担当者と話せると、誠意も伝わりやすいと思います。言いにくいことだからメールで済ませたいという学生がたまにいますが、それではあまりにも失礼。お詫(わ)びの気持ちを忘れずに。

 最後に、参考までに内定者の例(内定辞退に絡むアレコレ)をご紹介します。

○第一志望群の2社から内定をもらった。どちらも魅力的な会社で決められない。同期となる内定者の雰囲気を見てから判断しようと、内定者懇親会に参加してから決めた。内定者の顔ぶれを見たら、自分に合う会社はこちらだ!と確信できた。(商社一般職内定Kさん)

○客室乗務員が第一志望だったが、5月中に金融とホテルの計3社から内定がもらえた。迷った末、客室乗務員の面接が始まる前に全て辞退した。大変勇気が必要だったが、一つでも内定があると自分の性格上、油断してしまうと思ったので、決断した。もう後がない状態に自らを追い込み、第一志望の客室乗務員に内定。(国内大手エアライン内定Hさん)

○内定承諾書を提出する際、「必ず入社を」と何度も念押しされた。そのつもりでいたが、その後、別の企業から内定の連絡があり、最初の会社は辞退することに。電話で連絡すると罵詈雑言(ばりぞうごん)を浴びせられた。内定辞退をしたのは申し訳なかったけれど、正直、この会社に入社しなくてよかったと思った。(損保内定 Tさん)

○「内定辞退をする場合は、書面で」とあらかじめ言われていたので、採用担当者宛てに内定辞退を告げる書類とお詫び状を送った。後日、担当者から「とても残念だけれど応援しています。頑張って」と激励のお電話をいただいた。内定は辞退してしまったけれど、ますますその会社が大好きになった。(旅行会社内定Hさん)

 せっかくの内定を辞退するのは気が引けますよね。でも、ここで、なるべく失礼のないようにしっかりと対応をしておけば、この経験が将来仕事をするうえできっと役立つはずです。みなさんがすっきりとした気持ちで社会人のスタートを切れるよう、応援しています!

篠原真喜子(朝日新聞社 就活キャリアアドバイザー)
プロフィル 篠原真喜子(朝日新聞社 就活キャリアアドバイザー)

2003年入社。自身の就活経験を生かして、2004年に「朝日就職フェア」を立ち上げる。以降、同フェアの企画・MCとして活躍。雑誌「CanCam」「エアステージ」の就活特集にも「就活のプロ」として登場。キャリア支援した学生はのべ5万人。国家資格キャリアコンサルタント。

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