就活に名刺は必要か?内定者に聞いた活用法と、メリットをご紹介【最新版】

<第46回> 文 篠原真喜子
Satoshi-K(Getty Images)
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 就活用の名刺を作るという話は聞いたことがあるけれど、学生が名刺を持つなんて背伸びし過ぎのような気もするし、そもそも活用するシーンが想像できない。そう思った人いませんか? 「それなら、作らなくていい」 と決める前に、ちょっと待って!

 確かに、名刺の作成方法を間違えたり、自分本位の活用をしたりするとせっかく作った名刺がマイナスに働いてしまうこともあります。けれど、上手に活用すれば、名刺を持つことはメリットの方が多いと、私は思います。実際、最近名刺を持っている就活生がなり増えてきましたし、みなさん上手に活用していますよ!
そこで、今回は就活生が持つ名刺について考えてみたいと思います。名刺を持つメリットと、効果的な活用法(先輩の実例)、そして、学生が持っていても生意気でなく、印象が良い名刺の作り方をご紹介しますね。

メリットたくさん! 好印象を残せて、相手社員の連絡を知ることもできる

○自己紹介が簡単

 名前、大学、学部などの基本情報が書かれているので、口頭で自己紹介するより伝わりやすいです。当然、間違いもおきにくいです。

○相手社員の連絡先を知ることができる

 就活生が名刺を渡せば、大概の場合、相手の名刺をもらうことができるはずです。名刺を差し出されたら自分も出し、交換するのがビジネスマナーだからです。採用担当者や先輩社員の連絡先がわかれば、説明会やインターンのあとにお礼のメールを送ったり、追加の質問をしたりすることもできます。また、OB・OG訪問を依頼するきっかけにもなります。

○印象に残りやすい

 名刺を持つ就活生が増えたといっても、まだ多くはありません。私の感覚では2割程度でしょうか。ですから、名刺を渡すことで、「名刺をくれた○○さん」と採用担当者の記憶に残りやすいのは間違いありません。その際、写真付きの名刺ならなおさらです。営業系職種の方の名刺に写真入りが多いのも、同様の理由からです。

内定者に聞く、効果的な名刺活用法

ImageSource(Getty Images)
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○名刺をお渡しすると、次回会った時「○○さん」と覚えてもらえた!(テーマパーク内定Iさん)

 会社説明会には毎回名刺を持参し、終了後に採用担当者にお渡しした。すると、名前を覚えていただけて、次回面接などでお会いした時に「○○さん!」と名前で呼んでもらえることが多かった。採用担当者に覚えてもらえたのはもちろんうれしかったが、緊張する面接の場で、だれか一人でも自分を知ってくれている人がいるだけで、安心だった。先輩の勧めで、名刺に証明写真を入れていたのも効果的だったと思う。

○名刺交換に慣れていなくても、自然に渡す方法!(エアライン内定 Hさん)

 名刺を作ったのはいいものの、初めのうちは渡すだけでドキドキして、名刺交換の仕方に失礼がないか不安で仕方なかった。そこで、先輩に相談すると、名刺の裏側に説明会の感想とお礼を添えて「ひと言お礼をお伝えさせてください」と言いながら渡すようにアドバイスしてもらった。これが、効果絶大! 自然にお渡しすることができるし、採用担当者は「ありがとう! 感想まで書いてくれた人は初めてだよ」と大変喜んでくださった。

○名刺を持って支店訪問に行ったら、支店長までつないでもらえた!(大手証券会社内定 Sさん)

 第一志望群の銀行には大学のOGがいなかったため、支店訪問に行った。受付窓口で名刺を出し、大学名と名前を名乗り、「御行を志望しているのですが、大学のOGがいません。業務の邪魔にならないように支店見学をさせていただきたい」とお願いした。すると、お客様が少ない時間帯ということもあって行員の方が案内をしてくれた。しかも、支店訪問の最後には支店長にも紹介していただき、お話を聞く時間をもらえた。勝手に支店見学をしていく就活生が多い中、名刺を出して挨拶(あいさつ)するなどビジネスマナーができているのが素晴らしい、と褒めていただいた。

○OB・OG訪問の最後に、裏面にメッセージを書いてお渡しした(大手損保内定 Kさん)

 OB・OG訪問の最後に、「1分お時間をください」と言って、その場で名刺の裏にお礼のメッセージを書いてお渡ししていた。感想やためになったことを書いてお渡しすると、大変喜ばれた。OB・OG訪問の様子が採用担当者に報告されている会社も少なくないので、良い印象を残してOB・OG訪問が終わるよう工夫していた。

○アンケート提出時には、裏面にメッセージを書いた名刺をセットで!(マスコミ内定 Oさん)

 説明会やインターンではほぼ毎回書く「アンケート」。私は、そのアンケートに名刺をクリップで留めて提出していた。名刺の裏には、その会社が第一志望であること、ぜひまたお話を伺いたいと思っていることなどを書く。すると、後日連絡がきたケースが2回も!! そのうち1回は早期選考に呼ばれ、内定につながった。

名刺を作成する際のポイント5つ

 では、どんな名刺を作ればいいのでしょうか。学生が持っていても生意気でなく、むしろ好印象を与える名刺作成の方法を考えてみましょう。

ポイント①名刺に載せる基本項目

 まずは、名刺に何を載せるか、基本情報の確認から。

  • 大学名
  • 学部
  • 氏名
  • メールアドレス
  • 携帯電話番号

 名刺には最低限の情報を入れておけば大丈夫。自宅住所を載せている人もいますが、私は載せなくてもいいかなと思います。特に女性の場合は、安全面も考慮して……。また、名前の読み方がわかりにくい場合は、ひらがなやローマ字で読み仮名をつけると丁寧です。

ポイント②肩書が多すぎるのは×

 学生時代に体育会やサークルで活躍した経験があり、ぜひそれを伝えたいと思う場合は、所属先を載せてもOKです。その際は、正式名称で載せましょう。ただ、○×サークル幹部、××ボランティア活動、○△ゼミ副代表などなど……必要以上に肩書を並べたり、「プロモーター」「チーフ」などサークルや部活内でしか通用しないような役職を載せたりするのは、マイナス。学生時代に様々な活動をしたことをアピールしたいという気持ちはわかりますが、名刺を渡された社会人からすると、見えを張りすぎ、背伸びしすぎと思われてしまう可能性大です。

ポイント③シンプルなデザインがgood!

 名刺のデザインは、ビジネスシーンに合うシンプルなものがベスト! 奇抜なデザインや、イラスト、ラメなどの装飾のついた名刺をいただくこともありますが、避けたほうが無難です。名刺は、ネットで注文する人が多いようですが、よりきちんとした印象のものにしたければ、大学生協などで大学の校章入り名刺を作成するのもいいと思います。

ポイント④写真付きもおススメ

 名刺に顔写真を入れるのもおススメ。やはり、写真があると相手の記憶に残りやすくなります。その際は、スピード写真やスナップ写真ではなく、写真館や写真スタジオで就活用に撮影した証明写真を入れましょう。写真あり・なし両方使いたい場合は、写真なしの名刺を用意しておき、証明写真を切手サイズにシールプリントしたものを別に用意して、必要に応じて証明写真を貼ってお渡しするといいですよ。

ポイント⑤予算を削りすぎない

 何かとお金がかかる就活。名刺代も節約したいから自分で作成しようと思う人もいるかもしれません。けれど、せっかく作った名刺も、紙はペラペラ、カットの仕方もガタガタ……と、あまりにもお粗末なつくりだと台なしです。予算を削りすぎず、ある程度品質のよいものを用意しましょう。

※注意 名刺交換を禁止している企業もある

 企業によっては、採用の公平性や個人情報管理の観点から、採用担当者と就活生の名刺交換や名刺の受け取りを禁止していることもあります。そんな時は、無理せず、採用担当者の指示に従ってくださいね。

「名刺の渡し方」も超重要!

 最後に、名刺を渡す際、重要になってくるのは「名刺の渡し方」です。せっかく名刺をつくっても渡し方がマナー違反では、逆効果。名刺を作成したら、名刺交換マナーの確認も忘れずに。

※2018年7月25日、8月8日の記事を最新版にアップデートしたものです。

篠原真喜子(朝日新聞社 就活キャリアアドバイザー)
プロフィル 篠原真喜子(朝日新聞社 就活キャリアアドバイザー)

2003年入社。自身の就活経験を生かして、2004年に「朝日就職フェア」を立ち上げる。以降、同フェアの企画・MCとして活躍。雑誌「CanCam」「エアステージ」の就活特集にも「就活のプロ」として登場。キャリア支援した学生はのべ5万人。国家資格キャリアコンサルタント。

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