【TOEIC600点は必須!】CA(客室乗務員)受験に必要な英語力とは? 留学は必要? 内定者の失敗談・成功談も!【最新版】

<第64回> 文 国家資格キャリアコンサルタント 篠原真喜子
JALが東京―ロサンゼルス線に就航して60年。記念式典では歴代の客室乗務員の制服が披露された=2019年5月(C)朝日新聞社
JALが東京―ロサンゼルス線に就航して60年。記念式典では歴代の客室乗務員の制服が披露された=2019年5月(C)朝日新聞社

 「CA(客室乗務員)になるのが夢だけれど、英語が苦手で……。」「TOEICは1年生の時に一度受けたきりで、400点ほど。こんな私がCAになれる?」そんな悩みを持っている方、多いですよね。
 答えは簡単。CAやGS(グランドスタッフ)になりたいなら英語は必須。勉強するしかありません!

CAは、TOEIC600点。グランドスタッフは、550点

 国内航空会社の2021年卒、新卒募集要項を見てみましょう。
■募集要項をチェック■
・ANA(全日本空輸)、JAL(日本航空) /客室乗務職
「TOEIC600点以上(または同程度)の英語力を有すること」
・ANAエアポートサービス /空港旅客サービス業務(グランドスタッフ)
英検2級以上もしくはTOEIC550点以上の語学力を有する事が望ましい
・JALスカイ /グローバルフィールドコース、メインベースコース
入社前に必須としている資格はありませんが、英検2級・TOEIC550点以上が望ましい

 CAは600点、グランドスタッフは550点が基準点になりそうですね。私の予想ですが、このコラムを読んでいる人は、基準点に達していないか、ギリギリの人が多いのではないでしょうか。「TOEIC600点なんてとても無理…」と焦っている人もいるかもしれませんね。では、これからどうしたらいいのでしょう?

英語力に自信がない人こそ、早めの対策を!

 2019年卒~2021卒選考スケジュールを振り返ると、ANA、JALのES応募締め切りは大学4年の4月上旬~中旬。そうなると、ES提出に間に合わせるには、1月のTOEIC公開テストが最後になる可能性が高いです。年によっては、3月の公開テストでも間に合うことがありますが、2020年は、新型コロナウイルス感染拡大によりテストが中止になりました。ES提出前最後の試験で得点アップを狙ったにもかかわらず、受験することさえできず困った人も多いはず。そうならないためにも、とにかく早め早めの対策をしましょう!

 ※TOEICには団体受験のIPテストと公開テストがありますが、どちらでも問題ありません。また、GTEC(ベネッセコーポレーションが実施している英語リスニング・リーディング技能テスト)が使用できる場合もあります。

英語対策に時間をとられて、ESや面接の対策が遅れるのが一番怖い

 エアライン志望の就活生を毎年指導していて残念だなと思うのは、TOEICの勉強に時間をとられて、肝心のES準備や面接対策が遅れてしまうことです。ES提出するために必要なTOEICの点数が足りていない、でも、そんなに簡単に点数は上がらない。何とか点数を上げようとギリギリまでTOEICの勉強に明け暮れていると、それ以外の準備がどんどん遅れていく……。想像するだけでも怖いですよね。でも実際にはよくある話です。「私がしていたのは、就活じゃなくてTOEIC活でした。CAになれなかったのは、英語に時間をとられ過ぎて、それ以外の準備が遅れに遅れたから……」と、後々反省することがないように、英語が苦手な人ほど早く勉強を始めてほしい。ESが通過して面接が始まれば、英語以外の部分がより重要になってきます。CA内定者が口をそろえて、「英語対策を早めに」というのも納得です。

全日空グループの入社式。退役したボーイング747型機の前で新入社員が記念撮影をした=2014年4月(C)朝日新聞社
全日空グループの入社式。退役したボーイング747型機の前で新入社員が記念撮影をした=2014年4月(C)朝日新聞社

大学3年の秋までには基準点をクリアする

 4年制大学に通う人なら大学3年の秋までに、基準点クリアを目指しましょう。というのも、ここ数年の就活の傾向を見ていると、大学3年の11月ごろからはインターンシップや説明会、企業によっては早期選考も開始するなど、就活が一気に本格化するからです。企業研究やOB・OG訪問などやるべきこともたくさん出てきます。その時間を確保するために、夏休みを有効活用して英語の勉強をして、秋までに基準点をクリアしておくのが理想的です。
 でも、本音を言うと、大学2年の年度末までがベストと思います。就活のスタートは年々早期化しており、大学3年の夏の過ごし方がその後の結果を左右しますから。もし、大学1、2年生でこのコラムを読んでいる人がいたら、大学2年の年度末までにTOEIC600点クリアを目指してください

留学経験がなくても、問題なし

 「客室乗務員を目指すなら留学したほうがいいですか?」「留学経験がないと、受験に不利ですか?」という質問もよくされます。結論からいうと、留学経験のありなしは、採用にあまり関係ない気がします。留学経験が一切なくても、合格している人はたくさんいます。むしろ、そのような経験がなくても、自分の努力により英語力を上げていれば、それが評価の対象になります。「留学経験がなくても自らの工夫や努力で、英語力を上げられる人なのだ」と感じてもらえれば、留学経験がないことはむしろプラスに働きますよね。

航空会社によっては、英語面接がある場合も

 英語面接がある会社もあります。といっても国内航空会社の場合は、外資系航空会社のように面接自体が英語で行われるわけではないのでご安心を。2次のグループ面接中に英語で質問され、その後2~3回やり取りする形式がほとんどです。

■英語面接の質問例をチェック■
“What do you do in your spare time?” (空き時間にどんなことをしていますか?)
“What do you recommend to eat Japanese food?” (どんな和食をお勧めしますか?)
“Please recommend Japanese place for foreigners.” (外国人に日本の素敵な場所をお勧めしてください)
“Why do you want to be CA?”(なぜCAになりたいのですか?)
“What did you eat last night?” (昨夜はなにを食べましたか?)

 質問例を見て、「これなら大丈夫そう」と、ほっとしましたか? ご覧のとおり、それほど難しくはないようです。とはいえ、油断は禁物! 英語が苦手な人こそスムーズなやりとりができるように準備しておきたいですね。

機体にウミガメが描かれたエアバスA380=2019年3月(C)朝日新聞社
機体にウミガメが描かれたエアバスA380=2019年3月(C)朝日新聞社

英文記事で TOEIC&英語面接対策

 TOEICの点数アップの具体的な勉強法については、このコラムではあえて書きません。勉強法を解説する書籍やWEBサイトは多数存在しますし、人それぞれだと思うからです。コツコツと勉強していく中で、自分に合った勉強法を見つけていってほしいと思います。ただ、英語が得意なCAやGS内定者が共通して言うのは「毎日少しでも英語に触れることが大事」ということ。そのために英字新聞を読んでいた人も多いです。

【過去記事】キャビンアテンダントに必要な英語力の身につけ方<前編>
【過去記事】キャビンアテンダントに必要な英語力の身につけ方<後編>

朝日新聞デジタルの英語ニュースサイト「AJW」がおすすめ!

 英字新聞というと難しいイメージがあるかもしれませんが、AJW(The Asahi Shimbun Asia & Japan Watch)なら時事ニュースを英語で読めるだけでなく、エアラインの英語面接で使えそうな記事がたくさん載っています。例えば、漫画やアニメ、和食文化など世界が注目するクールジャパンに関する最新の話題や、訪日観光客にも役に立つ日本各地の旅情報なども積極的に発信しているので、英語面接対策にぴったりです。

 ANA、JALダブル内定のAさんは、「英検2級程度の私でも読める英語で書かれているから、英語初心者にもおススメ。楽しく読めるし、英語面接の練習にも役立った」と話してくれました。

内定者の失敗談・成功談をご紹介

■英語で悩む暇があったら勉強を!

 英語が苦手で悩んでいる人。悩んでいる暇があったら勉強してください。ANAやJALは、TOEIC600点以上あることが条件です。点数がクリアできていないと、スタートラインにも立てません。けれど、実際に選考を受けてみて感じたのは、英語以外の準備こそが大事だということです。私は、英語の勉強に時間をとられ、それ以外の対策がどんどん遅れてしまいました。後輩たちには同じ失敗をしてほしくないです。(JAL・CA内定 Kさん)

■就活ではなくて“TOEIC活”だった

 とにかく英語に悩まされた就活でした。就活よりTOEIC活と呼んだほうがいいくらい。毎日2~3時間勉強しているのに、毎回20~30点しか伸びず本当につらかったです。「私は英語ができないから……」と、就活に対しても英語が理由で後ろ向きになってしまう自分がいました。大学3年の秋以降は、ES提出期限に間に合わせるにはあと何回しか受けられない、と毎日数えては焦りと不安でより勉強に集中できないという悪循環にさいなまれました。早め早めに対策すべきです。(JAL・CA内定 Jさん)

■GTECの受験日を手帳に1日書き間違え

 私が就活をしていた2020年卒の採用では、ANAは英語の点数が規定に達していない人は会社指定の日にテストセンターでGTECを受ける決まりでした。が、なんと手帳に日付を1日書き間違えていたのです。会場でそのことに気がつき、テストセンターの方に事情を説明し掛け合うも、やはりダメ。この時点で他航空会社からは書類不通過の通知が届いていて、残るはANAのみ。「何としても内定したい! 諦めたくない!」と思った私は、自分でGTECのアカウントをつくり、締め切りまで毎日受けることに。提出期限まであと2日。でも、点数はわずかに足りない。これが最後のチャンス。そんな状況で、諦め半分で受験したら261点!! 規定を1点超えることができました(涙)。直前まで英語の点数が足りなかった自分にも、スケジュール管理が甘かった自分にも、活を入れたいです。(ANA・CA内定 Sさん)

■留学する時期を間違えた

 大学の交換留学生に選ばれ、大学3年生の10月から2月までフランスへ。留学中は、日本にいるみんなが就活を本格的に始めていることに焦り、「私は、インターンシップにも参加できないのに、帰国後すぐに就活が解禁されて面接が始まる」と思うと、せっかくの留学が楽しみきれませんでした。留学は2年生までにすることをおすすめします。(ANA・CA、GS内定 Mさん)

■英語面接で、「spare time」の意味が分からず

 英語面接で「What do you do in your spare time?」という質問が。「spare time」の意味が分からず、想像しながら答えました。面接担当者も笑ってくれ、無事に通過できたので良かったのですが、あの時は焦りました。英語面接対策もしっかりと!(JAL・CA内定 Hさん)

■英語苦手でも、アピール次第で高評価!

 帰国子女でもなければ、留学にも行っていない、そんな私の英語力は、CAを目指す上でのウィークポイントだと感じていました。そのため、朝日新聞デジタルの英語ニュースサイトで毎日1本記事を読むという目標を立て、続けていました。ANAの面接で「CAになるために誰にも負けないと言えるくらい努力していること」について問われた際、「1年目から国際線に乗っても大丈夫なように、英語サイトでニュースを読み英語力アップに取り組んでいます!」と伝えると、「本当にANAのことを考えてくださっているのですね!」と面接担当者が非常に興味を持ってくださいました。英語が苦手でも大丈夫! それをプラスに転換してアピールすることだって十分可能です。(JAL・CA、ANA・CA、GS内定 Uさん)

■趣味・特技欄に「英字新聞を読むこと」

 英語が苦手でTOEICも600点をわずかに超えた程度。そこで、ESの趣味特技欄に「英字新聞を読むこと」と記入。すると、見事に、面接で質問されました! 「英語力が足りないと自覚しているので、英語力を高めるために、英語でニュースをチェックしています」と答えると、面接担当者から「がんばっていますね」とコメントをいただき、感心してくださった様子でした。そして、その後の英語面接で「Did you read newspaper in this morning?」という質問が! もちろん、しっかり答えられました。(ANA・CA、GS内定 Iさん)

【過去記事】先輩たちの「失敗談」から学ぶ! <エアライン受験編・前編>
【過去記事】先輩たちの「失敗談」から学ぶ! <エアライン受験編・後編>

 いかがでしたか? 英語が苦手……! をぜひ克服して、エアラインの内定を勝ち取ってくださいね。応援しています。

就活生応援マガジン「PreBiz」
篠原真喜子(朝日新聞社 就活キャリアアドバイザー)
プロフィル 篠原真喜子(朝日新聞社 就活キャリアアドバイザー)

2003年入社。自身の就活経験を生かして、2004年に「朝日就職フェア」を立ち上げる。以降、同フェアの企画・MCとして活躍。雑誌「CanCam」「エアステージ」の就活特集にも「就活のプロ」として登場。キャリア支援した学生はのべ5万人。国家資格キャリアコンサルタント。

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