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 前回の「四字熟語」に続き、難しい言葉を就活に効果的に使おう、ということを書きます。実は今回のタイトル、それをまさに象徴しています。
 「寸鉄人を刺す(殺す、とも言う)」とは、「短く鋭い言葉で要点や人の急所を突く」こと。もとは「小さな刃物で人を刺し殺す」という(物騒な?)故事から転じたものです。皆さんの選ぶ言葉が、うまく面接担当者や人事担当者のハートにぐさりと(良い意味で)突き刺さりますように。
 今回はことわざや格言を取り上げます。そもそもこの両者、やや混同されている傾向があります。改めて、きちんと整理しておきましょう。広辞苑を引くと……
 ・ことわざ:古くから人々に言い表されたことば。教訓・風刺などの意を寓した短句や秀句。
 ・格言:深い経験を踏まえ、簡潔に表現したいましめの言葉。金言。箴言(しんげん)。
 ものすごくざっくり書くと、「民間伝承」的なのがことわざ。それに対して格言は「金言」とあるように「名言」と置き換えても構わない。つまり「誰が言ったか」が比較的はっきりしている(=出所が分かる)ものであることが多いわけです。
 とはいえ、双方とも「短句」「簡潔」とあるように「短い」ことがやはり大切です。格言には「長い」ものもありますが、よほど思い入れがあるならさておき、ESや面接で使うのはなるべく避けましょう。こと就活における言葉選びでは「大は小を兼ね」ません(笑)。
 ことわざや格言なら、前回の四字熟語以上に、皆さんのこれまでの人生の節目で「出あった」ものがあるのではないでしょうか。その中から「好きだ」「大切にしている」というものがあればベストです。ぜひストックしておきましょう。
 もちろん四字熟語同様、ネットや書籍できちんと正しい意味や出典などを押さえておくことをお忘れなく。さらに何より大事なのは「なぜ」のエピソード。例えば「あなたの座右の銘は?」と聞かれてことわざなり格言なりを答えたとします。そこまではカッコイイ。しかし「どうしてその言葉なのか」を語れる裏付けがないと「竜頭蛇尾」です(苦笑)。いつも書いていることですが、その言葉を選んだ「あなた」が見えるエピソードを人事担当者は求めているのです。
 私の独断と偏見で選んだ、就活にふさわしいことわざと格言をいくつか挙げておきます。もちろんこれにこだわることなく、皆さんが「一番自分を出せる」ものを探してくださいね。
 <ことわざ>
 ・備えあれば憂いなし:「普段準備をしてあれば、万一の事態が起きても心配しないですむ」
 ・千里の道も一歩から:「遠い旅路も足元の一歩から始まる。遠大な事業も手近なところから始まる」
 ・実るほど頭を垂れる稲穂かな:「学識や徳行が深まると、その人柄や態度が謙虚になる」
 ・馬には乗ってみよ人には添うてみよ:「物事は実際に経験してみないと分からない」
 <格言>
 ・チャンスは、苦境の最中にある(アインシュタイン)
 ・目的を見つけよ。手段は後からついてくる(ガンジー)
 ・世界を動かそうと思ったらまず、自分自身を動かせ(ソクラテス)
 ・「何々になろう」とする者は多いが、「何々をしよう」とする者は少ない(長岡半太郎)
 ・間違いを犯さないのは何もしない人だけだ(ルーズベルト)
 ちなみに私の座右の銘は「神は細部に宿る」です。
 今週のおまけ ~心折れそうな時も~
 本文ではあえて「意識高い系」のことわざや格言ばかり選びました(笑)。これまたいつも書いていることですが、就活は前向き/ポジティブでいるのが大前提ですからね。とはいえES段階で蹴られたり、気合十分で臨んだ面接でけちょんけちょんにやられたりして泣きそうな日もあるでしょう。
 そんな時もことわざや格言は役に立ちます。ふっと気持ちを軽くしてくれる、弱った心を勇気づけてくれる……そんな言葉を手帳の端にでも書き付けてみましょう。一見地味ですが効果的です。
 例えば「明日は明日の風が吹く」。ほぼ同じ意味の英語「Tomorrow is another day」も良い言葉ですね。
 冬の後には必ず春が来ます。明けない夜もありません。そんな時は、うじうじ悩まずぐっすり寝ることも大切。
 「決定をあせってはならない。ひと晩眠ればよい知恵が出るものだ」(プーシキン)(文 中原光一)

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