Q.やりたいことが分からなくなってしまいました。

<第26回> 文 篠原真喜子

 「出版社を目指して就活をしてきました。けれど、最近になって、これって本当にやりたいことなのか分からなくなってしまいました」「ずっとアナウンサーになりたいと思い、早くからスクールに通い準備してきました。でも、アナウンサーになって何がしたいかと問われたら答えられません。総合職の方が魅力的に感じることもあって……。このままアナウンサー受験を続けていいか迷っています」

 先日(11月30日)開催された「マスコミ就職セミナー」では、このような質問をしてきた学生がたくさん。目指す業界は違っても、「CAになりたいと思っていたけど、違う気がしてきた」「本当にやりたいことが分からなくなった」という同様の相談もメールで届くようになってきました。インターンシップや説明会が盛況な中で、自分の将来などに悩み始めた人が多いようですね。そんなとき、どうしたらいいのでしょう。考え方や対策をお伝えします!

■やりたいことが分からなくなるのは就活を頑張っている証拠!

 就活を意識したとき、就活をし始めたとき、就活中の面接で「何がしたいの?」と問われたとき……。「やりたいことが分からなくなる」ことがあります。でも、これって、ある意味当然のことのような気がします。だって、これまで自分の人生についてじっくりと考えたことはありましたか? ずっと憧れていた職業に、自分が働くかもしれない職場として向き合ったことはありましたか? おそらく大半の人は、ないですよね。この悩みは、自分の将来について本気で考え始めたからこそ出てくる悩みなのです。だから、もし、いまやりたいことが分からなくなって不安でいっぱいの人がいたら、「自分の将来について本気で考えている証拠! 頑張っているな、私」って、まずは自分を褒めてあげてください。

■結論を急ぐ必要なし! でも、動きは止めずに

 すぐに結論を出す必要はありません。本当にやりたいことが何なのか、行きたい会社はどこなのか、じっくり考えてみてください。悩み始めたときがチャンス! ここでやりたいことをしっかり考えておけば、あとあと楽です。

 「じっくり考えて」と言うと、いったん就活を休んで考え始める人がいますが、ここで動きを止めるのは反対。悩んでいるうちにES締め切りが過ぎてしまい、チャンスを失うのはもったいないです。打席に立ち続けながら考えることが大事です。

■方法①会社説明会に行ってみる。内定者や社会人に話を聞いてみる

 ポイントは、興味がある会社だけでなく、あまり興味がない会社の話も聞いてみること。これまで参加したことがない会社の説明会に足を運んでみる。就職先を決めた内定者にどうしてこの企業(仕事)を選んだのかを聞いてみる。社会人の先輩に仕事内容ややりがい、就活時とのギャップなどを聞いてみたり。話を聞くことで「意外と面白そう。こんな仕事もあったんだ」という気付きにつながるケースが意外と多いです。「やっぱり違う」と思ったら、どこが違うと感じたのか言葉にしてみましょう。それは、ひるがえって自分の「好き」を見つけることにつながりますから。

■方法②ESを書いてみる

 実際にESを書いてみると、やりたいことが明確になる場合も多いです。例えば、「ずっと志望していたアナウンサーのESは全然書けないのに、制作職はすぐ書けた。私のやりたいことはアナウンサーではなかったと気付いた(テレビ局内定者)」「CAが第一志望だったはずなのに、ESに苦労した。でも、内定先のはたった1時間で書き上げた。CAは単なる憧れだったと気付いた(テーマパーク内定者)」などです。ES、とくに志望動機部分がスラスラ書けるかは、大事な判断材料のような気がします。

■方法③面接を受けながら考える

 それでもやっぱりやりたいことが見つからない、という場合は、面接を受けながら見つけていくのもアリです! 面接を受けると企業の雰囲気や社風、自分に合っているか分かります。「いいな」と思っていた企業でも、面接を受けてみると「違う」と感じることもありますし、それほど志望度が高くなかった企業でも、「ぴったりだ!」と感じ、面接を受ける中でどんどんその会社が好きになるケースもあります。面接に行ったからこそ分かることって結構あるのです。やりたいことが見つからない、行きたい企業が見つからないという場合こそ、積極的に面接を受けてみましょう。

 とはいえ、やりたいことは一度決めて終わりではなく、日々変化してくるものです。就活中に何度も悩むことになるかもしれません。焦らずじっくり考えて、その時々でベストな選択ができるよう、頑張りましょう。応援しています。

総合商社とエアラインにダブル内定したSさんの企業研究ノート
総合商社とエアラインにダブル内定したSさんの企業研究ノート

 

篠原真喜子(朝日新聞社 就活キャリアアドバイザー)
プロフィル 篠原真喜子(朝日新聞社 就活キャリアアドバイザー)

2003年入社。自身の就活経験を生かして、2004年に「朝日就職フェア」を立ち上げる。以降、同フェアの企画・MCとして活躍。雑誌「CanCam」「エアステージ」の就活特集にも「就活のプロ」として登場。キャリア支援した学生はのべ5万人。国家資格キャリアコンサルタント。

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