Q.就活でアピールできることが何もありません

<第27回> 文 篠原真喜子

 こんにちは! 2019年が始まりましたね。年末年始も、ES添削依頼が続々と届き、「みんな、お休み返上で頑張っているのね」と、感心しきりでした。

 さて、昨年末に名古屋で初めて開催した「エアライン+東海エリア人気企業 ES・面接対策セミナー」には、愛知、三重、岐阜だけでなく、静岡、東京、富山、福岡など、各地から多くの方々が参加してくれました。セミナー終了後も1時間以上質問が途切れず、みんな本気モード! そのやる気に、パワーをいただきました。

 そんな中、数人の学生さんたちからこのような質問をいただきました。「就活でアピールできることが何もありません。長く続けてきたスポーツや趣味もないし、テニスサークルでも役職なしです。ESの自己PR欄が書けず、困っています」「自己分析をしたのですが、アピールできるようなことが見つかりません」

誰にでも長所がある、アピールポイントがある

 いざ就活を始めてみたら、「アピールすることがない」「長所がない」「誇れるような経験や実績がないから、自己PRが書けない」と悩む就活生は多いもの。こうして一度悩み始めると、なかなかそこから抜け出せなくなってしまいますよね。周りの人と比べては、自分のマイナス面ばかりに目がいってしまったり、これが私のアピールポイントだと思っていたことも、色々考えているうちに、アピールするほどのことではないと自信がなくなってきてしまったり。

 ここで私が伝えたいのは、誰にでも長所がある、アピールポイントがあるということです。自分で気がついていないだけなのです。絶対にあります。「ない、ない」と思っているから余計に見つからないのです。まずは、“ある前提”で考えてほしい。そこからスタートです! とはいえ、自分のこととなると見つけるのは難しい。自分を客観視するのって、実際にやってみるとうまくいかないものです。

一番おススメしたいのは「他己分析」

 他己分析は、自己分析の仕方のひとつで、自分のことを人に聞き、気づけなかった長所や短所を知る方法です。特に、周りの人が感じてくれている長所やアピールポイントは、自分では気づいていないことが多いのです。自分にとっては当たり前のことだから意識せずに行っていたり、本当は高い能力を持っているのに当然と思っていたり。人から指摘してもらうことで気づくことがあるはずです。「こんなことでいいの?」と思うようなことが、就活では高く評価されることも多いのですよ! 他己分析の仕方を簡単に説明しますね。

他己分析の仕方

<1>誰に聞くか
 大学の友人、ゼミの先輩・後輩、幼い頃からの友人、アルバイト先の同僚、家族など、できれば10人以上、年齢や性別、立場が違う人たちに聞くことが効果的。立場が変われば見方や、指摘してくれるポイントも変わります。

<2>何を聞くか
 長所はもちろんですが、短所も聞きたいですね。相手が何かしら挙げてくれたら、今度はそのことを詳しく聞いてみましょう。どんな状況だったか、その時自分はどういう行動をとったか、それによって状況がどう変化したか……。その時の感情も思い出しながら、再現していくのです。丁寧に掘り下げていけば、そのままESや面接に活用できます。

<3>さらに
 自分の長所を探してもらったら、相手の方にも長所を伝えてあげましょう。お互いの長所を探しあうことで新たな発見がありますし、何より、いいところを褒めてもらえたら相手の方もうれしいですよね。

 最後に、私が就活生だった頃の恥ずかしい話をします。相談者さんと同じように、アピールすることがないと悩んでいました。それを同じゼミの友人に打ち明けると、「えっ? なに言ってるの? いいネタがあるじゃない!」。ポカンとする私に友人は、「家が競走馬の育成牧場で、馬小屋掃除をしてきた女子学生なんてあなたしかいないでしょ。それをアピールしなくてどうするの?」と。実は、私の実家は競走馬の牧場をしており、中学生時代から、長期休暇には(お小遣い欲しさに)馬小屋掃除を手伝ってきました。競走馬育成牧場の仕事は、華やかな競馬の世界とは全く違い、いわゆる3K (キツイ、汚い、危険)に、臭いが加わった4Kといえます。正直、好きでやっていた手伝いではないし、その経験がアピールになるなんて、当時の私は考えもしませんでした。でも、言われてみれば、同じ経験をしている人は極めて少なそう……。そこで、この話を自己PRにまとめると、採用担当者の反応は上々! 以降は私の鉄板ネタになりました。

 これを読んでいるみなさんは「こんなにいいネタがあるのに、自分で気づかなかったの?」と思いますよね。はい、そうなのです。全く気づいていませんでした(お恥ずかしい……)。でも、そんなものなのかもしれません。いいネタがあっても自分では気づけない。私の例は少々極端かもしれませんが、就活支援をしていると、自分では気づけていないアピールポイントやエピソードが眠っていることって本当にあると実感しています。

 次回は、他己分析によって自分のアピールポイントを見つけていった内定者の例をご紹介します。

篠原真喜子(朝日新聞社 就活キャリアアドバイザー)
プロフィル 篠原真喜子(朝日新聞社 就活キャリアアドバイザー)

2003年入社。自身の就活経験を生かして、2004年に「朝日就職フェア」を立ち上げる。以降、同フェアの企画・MCとして活躍。雑誌「CanCam」「エアステージ」の就活特集にも「就活のプロ」として登場。キャリア支援した学生はのべ5万人。国家資格キャリアコンサルタント。

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