就活解禁!「説明会で企業研究と自己分析」がオススメ

<第18回> 文 木之本敬介
東京・虎ノ門で開催された合説「あさがくナビ・スーパービジネスフォーラム」=3月1日
東京・虎ノ門で開催された合説「あさがくナビ・スーパービジネスフォーラム」=3月1日

 今年の就活が本格的にスタートしました。スケジュールの前倒しが進み、すぐに選考を始める企業も多くあり、「いきなり全力疾走」が求められます。中にはすでに内々定を得ている学生もいます。今年の就活の特徴を押さえたうえで、これからやるべきことをアドバイス。準備不足で迎えてしまった「出遅れ学生」の対処法も伝授します。

昨年より1カ月前倒し?

 解禁日の朝、東京・虎ノ門であった合同企業説明会(合説)「あさがくナビ・スーパービジネスフォーラム」で「どうアピールすべき!? 企業が求めるガクチカとは」をテーマに、編集長としてオープニング講演をしてきました(写真)。多くの学生が熱心に聴いてくれましたが、講演も企業ブースも、学生が朝から詰めかけて大行列ができた数年前とは様変わりし、落ち着いたスタートとなりました。昨年の同日のイベントよりも参加学生は2割ほど減りました。

 経団連が定めてきた就活スケジュールは、この4年間「3年生の3月に説明会解禁、4年生の6月に面接解禁」で変わりません。しかし、インターンシップが盛んになるにつれ「3年生の夏が事実上の就活スタート」になり、「業界研究」と称する会社説明会や合説が秋から2月にかけてたくさん開かれるように。学情の企業アンケートでは2019年卒採用でも「3月までに面接開始」が半数を占めました。今年は2月1日時点で就活生の8%が内定を得ているとの調査もあるほどで、昨年より1カ月早まっているといわれています。そんな中、「3月1日」は通過点に過ぎなくなったようです。

GW10連休で早期化に拍車

 とはいえ、大半の企業の正式なエントリーは3月1日からです。これから、説明会やOB・OG訪問に行きながら、エントリーシート(ES)を書かなければなりません。中には、もう面接を始める会社もあります。ESの締め切りを「3月中」などに早める会社が増えています。4月には面接を始めて5月までには内々定を出す――これが標準的なケースでしょう。

 今年特有の事情が早期化に拍車をかけます。ゴールデンウィーク(GW)が天皇陛下の退位と新天皇即位にともなって10連休になるのは知っていますよね。今は働き過ぎの会社は敬遠されますから、GW中には面接などの選考はやりにくいと思います。選考途中での10連休は長すぎます。学生の熱意も企業の選考意欲も冷めてしまいかねません。そこで、連休前の4月26日までに一定数は内々定を出そうする企業が多いとの見方です。「4月中まで」が選考の大きなヤマ場になりそうです。

説明会でワクワク探せ

 忙しい日々が続きますが、始まった説明会も積極的に活用しましょう。すでに自己分析や企業研究を済ませて志望業界・企業が決まっている人は、違う業界の説明会をのぞいてみましょう。可能性が広がります。

 説明会で「ワクワク」に出あった先輩たちの体験を紹介します。

 「興味のあるなしや業界に関係なく、多くの説明会に参加しました。たくさんの企業に接することで本当に興味のある業界を見つけることもでき、自然と業界研究につながりました」(地方銀行に入行した男性)

 「説明会は少なくても1日3社、多い日には5社回った。『無料で業界の仕組みや企業を学べる』とポジティブに捉え楽しんでいました。とにかく足を運んで! 最初から興味がないなんてもったいない」(大手製薬会社に入社した男性)

 たまたま説明を聞いた会社に入社した先輩もいます。「合説に足しげく通いました。これがやりたいという仕事がなかったため、なるべく多くの業界の話を聞きました。名前だけは知っている企業が意外と身近なことをやっているなど発見がありました。偶然、空き時間に参加した不動産業界説明会でディベロッパーという仕事を知り、街づくりを通じて社会の問題を解決していく働き方に一目ぼれしました」(大手不動産会社に入社した男性)。これぞ「ご縁」ですね。

自己分析する時間がない人は

 問題は「売り手市場だし、就活なんて楽勝」という言葉を信じて今まで何もしてこなかった人です。周りの学生が何歩も先を歩いていることに気づき、今ごろ焦っていることと思います。業界研究をゼロから始めたり、じっくり自己分析したりしている時間はありません。準備不足の出遅れ組の人には「説明会で企業研究と自己分析」をオススメします。

 「企業説明会にひたすら足を運び、企業研究と自己分析を深めました」と振り返るのは、ホテルに入社した女性です。一挙両得の手法です。

 「幼少期からの人生グラフをつくるような自己分析はしたことがなく、ひたすら企業説明会に足を運び、あらゆる業種50社に行きました。行くと必ず、会社の好きなところと好きではないところを直感的に感じる何かがあります。続けると、働くうえで譲れないものの優先順位がはっきりしてきます。どれだけワクワクしながら会社でやりたいことをイメージできるかで選びました。それこそが私にとっての自己分析でした。性格診断はいくらしても抽象的なので、職種や業種を絞り込むのは難しいし、時間的にも厳しい。その点、企業説明会に足を運ぶことから始めると、自己分析と企業分析が同時並行で進められるし、より具体的に『社会人としての自分』がイメージできると思います」

木之本敬介(朝日新聞社 就活コーディネーター)
プロフィル 木之本敬介(朝日新聞社 就活コーディネーター)

1986年入社。政治部記者、採用担当部長などを経て就職情報サイト「あさがくナビ」編集長。「朝日学生キャリア塾」を立ち上げて就活生の指導も。サイト「就活ニュースペーパーby朝日新聞」では就活に役立つ情報を日々発信中。大学などでの講義・講演多数。著書に「最強の業界・企業研究ナビ2017」(朝日新聞出版)がある。

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